コラム

介護業界で働く外国人に求められる日本語レベルを分かりやすく解説

外国人労働者の受け入れが増加するなか、日本の介護業界でもその存在感が高まっています。厚生労働省の政策により、外国人介護士の受け入れは拡大し、その数は年々増加の一途をたどっています。しかし、言葉や文化の違いがもたらす課題は依然として残っており、日本語能力は外国人介護士にとって不可欠な要素です。この記事では、介護業界で働く外国人に求められる日本語レベルについて詳しく解説します。

日本の介護業界で働く外国人の現状

日本の介護業界における外国人労働者の現状は、厚生労働省の方針により受け入れが増加しています。2023年時点での在留者数は約4万人であり、特定技能外国人や介護福祉士などが含まれます。この増加の背景には、高齢化が進む中での人手不足への対応があります。

介護業界での外国人雇用の課題

しかし、外国人労働者の受け入れには多くの課題があります。言葉の壁はその一つで、日本語能力の不足が正確なケアの提供やコミュニケーションに影響を与えます。また、文化の違いも問題となり、日本の介護文化や価値観との違いからケアの質に影響を及ぼすことがあります。

さらに、外国人介護職員の定着率が低いことも課題です。言葉や文化の違いによるストレスや、ビザの制限、個人的な事情による帰国などが原因として挙げられます。このため、外国人労働者の定着率を向上させるためには、介護福祉士の資格取得支援や労働環境の改善が必要です。

介護業界での外国人雇用の課題に対する対策

対策としては、特定技能外国人の採用や介護福祉士の資格取得支援が行われています。さらに、外国人採用のサポートサービスを活用し、言語や文化の違いに対するトレーニングやサポートを提供することが重要です。また、少人数からの採用やコミュニケーションの促進など、定着率を向上させるための取り組みも行われています。

このように、外国人介護職員の受け入れは介護業界の人手不足解消に不可欠ですが、課題解決には時間と努力が必要です。施設や業界全体の支援を通じて、外国人労働者が適切な環境で働けるよう取り組むことが求められます。

受け入れ方法別の外国人介護士に必要な日本語レベル

外国人介護士の受け入れは主に、「EPA」「在留資格 介護」「特定技能 介護」「技能実習 介護」の4つの枠組みが存在します。これらの枠組みで入国しようとする外国人に対しては、それぞれ試験が設けられています。しかし、それぞれ基準が異なるため、介護職として雇用を考える際には、ひとつの参考にできるかもしれません。

「EPA介護福祉士」に必要な日本語レベル

EPA介護福祉士に必要な日本語レベルは、受け入れ対象国によって異なります。具体的には、フィリピンやインドネシア出身の方は日本語能力試験N5程度以上の取得が必要です。一方、ベトナム出身の方は日本語能力試験N3以上の取得が求められます。

フィリピン人・インドネシア人
・日本語能力試験N5程度以上の取得
ベトナム人
・日本語能力試験N3以上の取得

この要件は、EPA介護福祉士候補者が日本での生活や介護業務を適切に行うために必要な言語能力を確保するための基準となっています。日本語能力試験は、日本語を学ぶ外国人が日本での生活や仕事に必要な言語能力を評価するための検定試験であり、それぞれのレベルに合わせて日本語の読み書きや会話能力を測定します。

また、合格率のデータからもベトナム出身の方が高い合格率を示しています。その理由の一つは、受験者が入国時に既に高い日本語能力を持っていることが挙げられます。ベトナム人の受験者は、入国時に日本語能力試験N3以上を保持しており、これが後の学習に大きく貢献しています。

したがって、EPA介護福祉士候補者にとっては、日本語能力試験での適切なスコアを獲得することが非常に重要です。高い日本語能力があれば、介護業務を円滑に行い、日本の社会に適応しやすくなります。これにより、受け入れ施設や介護現場全体の活性化が期待され、外国人介護職員の活躍がより一層促進されるでしょう。

「在留資格 介護」に必要な日本語レベル

在留資格「介護」とは、日本で介護福祉士になるための試験に合格した外国人が日本で就労することを目的とした資格です。介護福祉士養成校を卒業し、介護福祉士の資格を持っている人が対象となります。在留資格「介護」は、介護業務に制限が設けられておらず、訪問介護などの訪問系サービスから夜勤勤務まで幅広く従事することが可能です。また、在留期限は無制限であり、定年まで日本で就労することができます。

在留資格「介護」を取得するためには、日本語能力試験N2相当のレベルが必要です。具体的には、日本語能力試験(JLPT)N2相当のレベルでは、新聞や雑誌がスラスラと読め、日本人と普通にコミュニケーションを取ることが可能です。取得要件としては、介護業務に従事していることや日本の介護施設と雇用契約を結んでいること、介護福祉士の資格を有していることが挙げられます。以前は介護福祉士の資格取得が必須でしたが、2020年4月以降は資格取得ルートは問われません。

「特定技能 介護」に必要な日本語レベル

特定技能「介護」は、日本の介護業界において外国人労働者が働くための制度であり、人手不足の解消や介護サービスの維持向上を目的としています。この制度では、外国人労働者が介護業務を行うための特定の技能を認定し、最長5年間の在留を許可します。

特定技能「介護」を取得するためには、日本語能力も重要な要素として考慮されます。具体的には、以下の3つの試験に合格する必要があります。

1. 介護技能評価試験
介護技術や知識を評価する試験であり、介護業務の実践能力を評価します。

2. 介護日本語評価試験
介護現場でのコミュニケーション能力を評価する試験であり、日常の介護業務や利用者とのコミュニケーションに必要な日本語能力を評価します。

3. 日本語能力試験(JLPT)N4レベル、または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル
基本的な日常会話や文章の理解ができることを示す試験であり、介護業務や利用者とのコミュニケーションに必要な最低限の日本語能力を持っていることを評価します。

「技能実習 介護」に必要な日本語レベル

技能実習制度とは、開発途上国へ技術を移転し、国際貢献を目的に作られた制度です。この制度では、日本で一定期間(最長5年間)に限り外国人を受け入れ、母国では習得困難な技能をOJTを通じて習得させることが主な目的です。1993年に創設され、2020年6月末時点で約40万人の技能実習生が日本国内に在留しています。介護分野では2017年11月に受け入れが開始され、2020年1月末時点での受け入れ申請件数は10,225件、認定件数は8,652件であり、2020年10月末時点では申請件数が20,005件、認定件数が18,034件となっています。これは、制度への介護職種追加からわずか3年間で20,000人を超える介護技能実習生の受け入れ申請が行われたことを示しています。

技能実習生が入国時に必要な日本語能力は、日本語能力試験のN4に合格していることが要件です(または「J.TEST実用日本語検定」「日本語NATTEST」におけるN4相当に合格していること)。さらに、望ましい水準としてはN3程度の日本語能力が求められています。N4レベルでは基本的な日本語を理解することができますが、N3レベルでは日常会話や簡単な業務でのコミュニケーションも可能とされています。

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