コラム

インド人は全員英語が話せるの?歴史的背景やインドでの英語の在り方を分かりやすく簡単に解説

英語が世界の共通語としてますます重要視される中、特にインド人の英語能力に注目が集まっています。果たして、インド人は本当に皆英語が話せるのでしょうか?また、日本に住むインド人の特徴はどのようなものなのでしょうか?

この記事では、インド人の英語能力の背景や日本での就労状況について分かりやすく簡単に解説していきます。インドの多様な言語状況や英語教育の歴史、そして日本との関係性に焦点を当て、インド人の英語力と日本での生活について解き明かしていきましょう。

インドという国の基本情報

インド人と英語の関係性を紹介する前に、まずはインドという国の基本情報を見ていきましょう。

位置と地理

インドは南アジアに位置し、その地理的特徴は非常に多様です。インド亜大陸のほぼ全域を占め、北部にはヒマラヤ山脈がそびえ、南部にはインド洋に面した広大な平原が広がっています。西部にはアラビア海、東部にはベンガル湾があります。国土面積は約3,287万平方キロメートルで、これにより世界で7番目に大きな国です。隣国にはパキスタン、中国、ネパール、ブータン、バングラデシュ、スリランカがあります。

政治体制

政治的には、インドは連邦共和制国家であり、29の州と7つの連邦直轄領で構成されています。首都はニューデリーであり、インドの政治的、経済的、文化的中心地となっています。

人口

人口は約13億人であり、世界で2番目に人口が多い国です。インドの人口構成は非常に多様で、異なる言語、宗教、文化が共存しています。ヒンドゥー教が最も多数派の宗教であり、イスラム教、仏教、シク教なども広く信仰されています。

経済

経済面では、インドは急速な経済成長を遂げており、新興経済国として注目されています。情報技術やソフトウェア開発、ビジネスプロセスアウトソーシングなどの分野で特に成長しています。また、農業もインド経済の重要な柱であり、農産物の生産や輸出が盛んです。

文化

文化的には、インドは多様な文化が根付いています。言語、宗教、祭り、料理などが地域ごとに異なり、その多様性が国の魅力の一つとなっています。また、ボリウッド映画産業は世界的に有名であり、インドの映画は多くの国々で親しまれています。

歴史

歴史的には、インドは古代から様々な王国や文明が栄え、多くの歴史的遺産が残されています。ムガル帝国やマウリヤ朝、グプタ朝などの王朝が栄えました。インドの独立は1947年にイギリスから実現し、非暴力抵抗運動を指導したマハトマ・ガンジーがその象徴となっています。

インドで話される言語

インドの言語は、その地に古くから根付いた多様な言語の系統と、中東やヨーロッパから取り入れられた言語の豊かさを誇りとしています。インドの言語の中には、世界的な古典語であるサンスクリットを含む、独自の個性と豊かな文学的伝統を持つものもあります。

インド憲法は、連邦政府レベルでの唯一の公用語としてデーヴァナーガリー表記のヒンディー語を規定しています。しかし、州ごとに異なる公用語が定められており、州政府はその裁量で1つ以上の公用語を決めています。このため、インド全土では複数の言語が公用語として使用されています。

憲法には22言語が列挙されていますが、これらの言語は公的な位置づけが明確に定義されておらず、公用語として認定されたわけではありません。しかし、インド政府はこれらの言語の文化的な発展を後押ししており、公的に認定された言語として位置づけられています。

インドの言語の概観を見ると、話者数が少ない小言語から、100万人以上の話者を擁する大言語までさまざまです。インドには印欧語族やドラヴィダ語族などの言語だけでなく、チベット・ビルマ語派やオーストロ・アジア語族など、さまざまな言語が話されています。

ヒンディー語やベンガル語、テルグ語、タミル語、ウルドゥー語、マラヤーラム語などは、インドで話者人口の多い主要な言語の一部です。これらの言語は地域や州によって異なり、文化や伝統を反映しています。インドの言語状況は多様であり、言語の使用や文化の発展において重要な役割を果たしています。

(出典)Afrogindahood – Modified version of South Asian Language Families.jpg with the addition of Afghanistan based on Ethnolinguistic Groups Afghanistan EN.svg, CC0,


(出典)インドの言語事情|一般社団法人日本在外企業協会

ここからは、インドで話されている代表的な言語を紹介します。

ヒンズー語

インドの公用語の一つであり、北インドを中心に広く話されています。憲法で定められた州の言語の中でも主要なものの一つです。ヒンズー語を母国語とする人口は約5億人ほどと言われています。

英語

インドの公用語の一つであり、憲法や政府の文書、教育などで使用されています。また、ビジネスや科学技術分野でも広く使用されています。インドの学校では、州の公用語やヒンズー語とともに英語も教えられています。

ベンガル語

東インドのベンガル地域で主に話されており、バングラデシュの公用語でもあります。ベンガル語は文学や文化の面で豊かな歴史を持ち、ボリウッド映画の言語としても重要な役割を果たしています。

テルグ語

南インドのアンドラ・プラデーシュ州とテランガーナ州で主に話されています。インドで話される言語の中でも最も話者数が多い言語の一つであり、映画産業や文学においても重要な役割を果たしています。

タミル語

南インドのタミル・ナードゥ州で話されており、タミル文字という独自の文字を持っています。タミル語は古代から豊かな文学や文化を持ち、映画産業においても重要な役割を果たしています。

マラヤーラム語

南インドのケーララ州で話されています。マラヤーラム語はサンスクリット語やタミル語の影響を受け、豊かな文学と文化を持っています。

これらはインドで最も広く使用される言語の一部ですが、実際にはインド全体で800種類以上の方言や言語が話されています。

インドでの英語教育の歴史

インドの英語教育は、インドの教育システムにおいて重要な役割を果たしてきました。その歴史は、イギリス植民地時代にさかのぼります。イギリスは英語教育を行う学校や大学を設立し、英語を教授法として使用しました。このことは社会的流動性の向上や、より良い機会へのアクセスと結びついています。

現在、インドではヒンディー語が公用語とされていますが、英語は公的・行政的な目的で広く使われています。競争試験や高等教育コースの多くは英語で実施され、学業や仕事での成功には英語の能力が不可欠です。

都市部やエリート教育機関では、英語が主要な教育媒体として使用されています。一方で、農村部や公立学校では、初等教育レベルでは地域言語が使用されることが一般的であり、英語はカリキュラムの後半に導入されることがあります。

また、インドでは生徒の母語の習熟度を維持しつつ、英語での指導も行うバイリンガル教育が重視されています。このアプローチは、文化や言語の多様性を維持するための方法として考えられています。

英語が話せるインド人の割合

インド人の中で英語を話せる割合は、人口の約10%、つまり約1億2500万人が英語を話すことができると言われています。また、カタコト英語を含めると3億人に達するとも言われています。

仮に、人口の約10%、つまり約1億2500万人が英語を話すことができるとすると、インドは米国に次いで世界第2位の英語圏となっています。この理由の1つには、インドが多民族国家であり、公用語をヒンディー語などの特定の言語に限定することで他民族からの反発を避けるため、中立な外国語である英語が実質的な共通語として使用されていることが挙げられます。また、近年のインドでは英語の需要が非常に高まっており、英語学校も増加しています。
(参考)インドの言語事情|一般社団法人日本在外企業協会

インドにおける英語とキャリアの関係性

また、インドでは英語を話せることが良い職に就くためや給料を高くするために重要視されています。また、英語が話せると海外留学や就労の機会が増えるため、個人のキャリアや生活に大きな影響を与えます。

インド英語のなまり

インド人の英語には独特の訛りがあります。一般的な訛りとしては、”th”の発音が日本語の「タチツテト」のような音になったり、”r”を巻き舌ではなく「ル」とはっきりと発音することが挙げられます。しかし、この訛りはあまり問題にはなりません。英語は世界の標準語であり、インド人の英語訛りに慣れ親しんだ人は、それを気にすることはありません。

日本に住むインド人の特徴

日本に住むインド人の数は約43,886人であり、彼らは主に家族滞在や技人国の在留資格を持っています。インド人は高い教育水準を持っており、その多くが英語能力も高いです。近年、日本の人手不足に対処するため、特に技能実習生や高度人材の誘致が増えています。

ただし、インド人が日本で働く上での課題も存在します。その一つは受け入れ環境の整備です。インド人労働者が円滑に日本で生活し働くためには、受け入れ環境の改善が求められます。これにより、日本の労働力不足の解消やビジネス展開の促進が期待されます。日本とインドの関係強化や経済発展にとって、インド人労働者の存在は重要な役割を果たしています。
(参考)在留外国人統計(旧登録外国人統計) 在留外国人統計 月次 2023年6月 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

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