コラム

特定活動46号とは?活動目的や条件・メリットについてわかりやすく解説 

特定活動での外国人採用の幅が広がってきています。
しかし、特定活動がどのような職種に該当するのか分からない人事担当者も多いでしょう。

特定活動46号では、日本の大学卒業者が求められているため、日本語でのコミュニケーション力があり、即戦力として活躍できる人材です。

この記事では、特定活動46号の条件やメリットそして在留資格の申請の流れについて詳しく解説します。

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目次

特定活動とは?

特定活動とは、法務大臣が現在ある在留資格のいずれにも当てはまらない活動に従事している外国人に対して特別に指定した活動のことです。

具体的には、法務省が「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」と定められており、ワーキングホリデーやインターシップなどが該当します。

また「外国人が一定の事業活動を行う機関で高度な研究や研究の指導あるいは教育をする活動であるとか、こうした活動と併せて関連する事業を自ら経営する活動が定められています。」と法務省入国管理局にて説明があります。

(参考):在留資格「特定活動」(特定研究等活動)について|出入国在留管理庁

 出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動

出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動は以下の3つに分類されます。

専門的な研究機関や情報処理機関に従事する外国人とその家族の活動にあたります。

①特定研究等活動

研究機関の施設で特定の分野に関する研究をする活動のことです。

②特定情報処理活動

自然科学または人文科学の分野の技術または知識を必要とする情報処理に関する業務に従事する活動のことです。

③特定研究等家族滞在活動および特定情報処理家族滞在活動

「特定研究等活動」「特定情報処理活動」のいずれかを行う外国人の扶養家族が日本で行う活動のことです。

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告示特定活動

特定活動一覧

1号家事使用人(外交官など)27号インドネシア・フィリピン/ベトナム
二国間の経済連携協会(EPA)
看護師・介護福祉士関係
2号28号
2号の229号
3号台湾日本関係協会職員およびその家族30号
4号駐日パレスチナ総代表部職員およびその家族31号
5号ワーキングホリデー32号外国人建設就労者
5号の233号高度専門職外国人の就労する配偶者
6号アマチュアスポーツ選手とその家族34号高度専門職外国人またはその配偶者の親
7号35号外国人造船就労者
8号国際仲裁代理36号特定研究等活動
9号インターンシップ37号特定情報処理活動
10号英国人ボランティア38号特定研究等活動家族滞在活動
12号サマージョブ39号特定研究等活動の対象となる外国人研究者等の親
15号国際文化交流40号観光・保養を目的とする長期滞在者とその同伴者
16号インドネシア・フィリピン/ベトナム
二国間の経済連携協会(EPA)
看護師・介護福祉士関係
41号
17号42号製造業外国人就業員受入れ事業における特定外国従業員
18号43号日系4世
19号44号外国人起業家とその配偶者
20号45号
21号46号本邦大学卒業者とその配偶者
22号47号
23号48号オリンピック関係者とその配偶者
24号49号
25号医療滞在とその同伴者50号スキーインストラクター
26号
(参考)在留資格「特定活動」について:出入国在留管理庁


2024年2月時点で52項目ありますが、時代の流れに伴い削除されている項目もあります。
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告示外特定活動

告示外特定活動とは、「出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動」や「告示特定活動」に含まれない活動のことです。

日本での就職活動を継続する場合や在留資格の更新が不許可なった際の出国準備期間などが該当します。
こういった様々な事情を考慮し、法務大臣が個人別に在留を認めた活動のことです。

代表的な3つをご紹介します。

継続就職活動

就職先が決まらないまま日本の大学を卒業した外国人留学生が、継続して行う就職活動のことです。
日本語学校を卒業しただけでは、この特定活動の在留資格対象にはなりません。

親の呼び寄せ

親が高齢により看護や介護の必要性が生じた場合、日本在住の外国人が親を日本に呼び寄せて共に生活し、介護を行うことが認められる場合があります。

本来、親を日本へ呼び一緒に暮らすためのビザは存在しません。

一定の要件を満たしていることが条件ですが、人道的な措置のため、申請が許可になることは非常に難しいです。

代表的な要件を紹介します。

  1. 親が70歳以上で、母国に面倒をみてくれる親族がいないこと
  2. 扶養目的で親を呼ぶこと
  3. 親が病気を持っていること

上記のような要件を満たし、まずは短期滞在で入国し特定活動へ在留資格変更許可申請を行います。

在留資格を変更した際に不許可になった場合

在留資格の更新や変更申請が不許可になった場合に不法滞在扱いにならないための出国準備期間中の出国準備の活動のことです。

出国準備期間は30日ほどとなっており、この期間中に再申請をして許可が出れば引き続き日本での活動が可能になります。

また、特定活動での在留資格が認められると、在留カードと指定書というものが発行されます。

特定活動の内容は人それぞれでちがうため、指定書には具体的な活動内容の詳細が記載されており、基本的にパスポートに添付されます。

こちらでも特定活動についての解説がありますので参考にしてください。

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特定活動46号とは?

高度な日本語能力を持つ外国人留学生の就職先の幅を広げるためにつくられた新しい制度です。

今までの就職先は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得し、大学等で学んだ知識の専門性を活かした業務に従事することが求められていました。

特定技能46号の就業先では、「技術・人文知識・国際業務」では認められていない現場での作業に従事することが認められています。

ですが、現場での単純作業のみではなく、通訳や大学で学んだことを活かせる業務内容でないといけません。

例えば、製造業に従事する場合は、日本人従業員からの指示を外国人社員に伝達・指導する業務とさらに、労務管理や品質管理を行います。
飲食業に従事する場合は、外国人客への通訳を兼ねた接客業務ができ、仕入れや企画業務が可能となります。

特定活動46号で従事できる業務

特定活動46号は、必ず通訳・翻訳業務に関わることが業務内容に含まれます。
ここでは、特定活動46号として従事できる業種を紹介します。

・飲食業
飲食店の接客・仕入れ・企画などの業務
外国人客へ日本語の通訳などをおこなう業務に携わる必要があります。
そのため、皿洗いや清掃のみに従事するのは認められません。

・小売業
スーパーやコンビニエンスストアでの接客販売・仕入れ・在庫管理・企画などの業務
外国人客へ日本語の通訳などをおこなう業務に携わる必要があります。
そのため、商品の陳列や店舗の清掃のみに従事することは認められません。

・製造業
工場でのライン作業や機械オペレーター作業について、日本人従業員から外国人従業員へ指示を伝達・指導する業務、労務管理、品質管理など

自らもライン作業などに従事しますが、ラインで指示された作業のみに従事することは認められません。

・宿泊施設業
ホテルや旅館で、外国人客への通訳を兼ねた案内・接客業務や翻訳業務を兼ねた外国語を扱う館内案内やホームページの作成、外国人従業員に対しての指導など

そのため客室の清掃のみに従事することは認められません。

・タクシー業
タクシー会社で、タクシードライバーとして外国人客への通訳を兼ねた観光案内・接客や観光客向けの企画・立案など

そのため、車両の整備や清掃のみに従事することは認められません。

・介護業
介護施設で、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、外国人利用者を含む利用者との意思疎通や介護業務に従事するなど

そのため、施設内の清掃や衣服の洗濯のみに従事することは認められません。

従事できない業務もある

・風俗営業活動
・法律上資格を有する者が行うこととされている業務(業務独占資格を要する業務)

業務独占資格とは、その資格を保有している人が、専門的かつ独占的にその業務を行える国家資格です。
例えば、調理師や介護福祉士・行政書士などがあげられます。

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特定活動46号を取得する条件

特定活動46号を取得するためには、下記の6つの要件があります。
これらをすべて満たしていないといけません。

・常勤勤務(フルタイム)
・日本の大学または大学院を修了
・日本語能力が一定水準以上
・日本人従業員と同等以上の報酬
・日本語での意思疎通が必要な業務内容
・大学で学んだことを活かせる業務内容

この6つの要件について詳しく説明します。

常勤勤務(フルタイム)

常勤雇用の正社員・契約社員が対象になります。
そのため、派遣社員やパート・アルバイトでの雇用はできません。

日本の大学または大学院を修了

日本の大学または大学院を卒業し、学位を持っている方が対象です。

大学を中退した場合や短期大学や専門学校を卒業している場合、海外の大学を卒業している場合は対象外です。
たとえ海外の大学・大学院を卒業していても要件は満たさないです。

日本語能力が一定水準以上

一定水準以上の日本語能力が必要です。

・日本語能力試験でN1を取得
・BJTビジネス日本語能力テストで480点以上

日本の大学・大学院で「日本語」を専攻し、卒業した場合には、上記2つの取得は免除できます。

しかし、海外の大学・大学院で「日本語」を専攻し、卒業した場合は日本語能力保有の証明になりますが、日本の大学・大学院を卒業しないと、基準は満たせないので注意が必要です。

このいずれかを満たしていなければいけません。

日本語能力試験についてこちらでまとめています。ご参考ください。

日本人従業員と同等以上の報酬

大学・大学院を修了した日本人従業員と同等以上の報酬でなければいけません。

業種別の最低賃金や待遇は都道府県によって異なりますので、違法行為にならないよう注意が必要です。

日本語での意思疎通が必要な業務内容

特定活動46号は、単純作業にだけ従事することは認められていません。

必ず、外国人客や外国人従業員に対して通訳・翻訳業務を行い、日本語による意思疎通が必要な業務をしなくてはいけません。

大学で学んだことを活かせる業務内容

従事する業務が、大学・大学院で学んだ知識や応用的能力等を活用できる、幅広い業務をする仕事であることも求められます。

大学の学部学科、大学院の専門分野について、高度な専門性や業務との厳密な関連性が求められるというより、日本の大学・大学院で修得した広い知識や応用的能力などを活用できる、幅広い業務をする仕事であることが求められる。

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特定活動46号のメリット

特定活動46号を利用するメリットは、雇用主にもあります。

日本の大学を修了していることが条件としてあるため、最低限4年は日本に滞在しています。
そのため、日本の文化に慣れた外国人が多く即戦力になりやすいです。

即戦力になる人材を確保できる

飲食店や小売店でアルバイトだった外国人スタッフをそのまま正社員雇用することが可能です。

慣れた職場で継続して働けるので、他の従業員とのコミュニケーションも円滑にでき、力を発揮しやすいです。

日本文化に慣れた人が多い

最低でも大学在籍しているので4年間を日本で過ごしています。
そのため日本の文化や習慣を理解している人がほとんどです。

また一定水準以上の日本語能力を保証されているので、言葉の壁を感じることは少ないでしょう。

長期勤務が可能

特定活動46号の在留期間は最長で5年ですが、さらに更新もできるため長期勤務が可能になります。

問題なく更新が続けられれば、永住権の取得も可能になります。

特定活動46号の在留資格申請の流れ・更新手続きなど

特定活動46号の在留資格の申請方法や更新手続きについて説明します。
特定活動46号の要件を満たしていることと必要書類が揃っていないと審査が通りません。

特定活動46号の変更申請の流れ

外国人留学生が、「留学」から「特定活動(46号)」へ在留資格を変更申請する場合は、下記の必要書類を揃えて地方出入国在留管理官署へ申請を行います。

・在留資格変更許可申請書
・証明写真
・返信用封筒
・パスポートおよび現在留カード
・労働条件通知書・雇用契約書・採用内定書など活動内容を明らかにする書類
・雇用理由書
・卒業証書など学歴を明らかにする書類
・日本語能力試験の成績証明書など日本語能力を明らかにする書類
・登記事項証明書など勤務先の事業内容を明らかにする書類

申請後、審査にかかる期間は、2週間〜1ヶ月ほどかかります。

特定活動46号の更新申請の流れ

更新申請では、変更申請と必要書類が異なり下記の書類が必要です。

・在留期間更新許可申請書
・証明写真
・パスポートおよび在留カード
・課税証明書および納税証明書

申請先は地方出入国在留管理官署です。

在留期間

特定活動46号の在留期間は5年・3年・1年・6ヶ月・1ヶ月の5種類です。

留学の在留資格から変更するときやはじめての在留期間更新の場合は、それぞれ在留期間が1年となるため、特定活動46号の最初の2年間は1年ずつしか在留期間が取れません。

しかし、特定活動46号には累計の滞在期間の制限がないので、更新さえできれば、ほぼ無制限で在留ができ、永住権の取得を狙うことができます。

永住権についてこちらでまとめていますので、ご参考ください。

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「技術・人文知識・国際業務」在留資格との違い

在留資格は、学業や就労などそれぞれ日本での活動内容が定められています。

特定活動の目的は「日本での活動が多様化する外国人に対応するため」です。
その中でも特定活動46号は、日本の大学を卒業する留学生の卒業後の就職できる業種拡大のためです。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、大学で学んだことを活かす専門的な業務に従事する活動のみでした。

しかし、特定活動46号は単純作業を含む業務内容での幅広い業種への就労が可能になります。

例えば飲食店での就労を比較すると、「技術・人文知識・国際業務」は、ホールスタッフの現場作業は研修時のみで店舗管理者が主な業務です。
特定活動46号では、接客や皿洗いなどの単純な現場作業をしながら従業員の指導などを行います。

「特定技能」在留資格との違い

特定活動と特定技能は、名前がよく似ていますが目的が違い全くの別物です。

特定活動の目的は「日本での活動が多様化する外国人に対応するため」
特定技能の目的は「労働力の確保」です。

雇用をする各企業もその目的を明確にし、制度に合わせた外国人雇用をしなくてはいけません。

外国人雇用に関する内容がこちらにまとめられていますので、ご参考ください。

まとめ

特定活動46号とは、日本の大学を卒業する留学生の就職できる業種拡大のためにつくられた在留資格です。

必要な学位や日本語能力レベルがあるので、日本の文化や習慣に慣れた外国人を雇用することができるため、即戦力になります。

そのため要件はしっかりと確認し在留期間や不法就労に注意しておくことが必要です。

YOLO総研 編集部 シホ

この記事を書いた人

YOLO総研 編集部 シホ

2023年に外国人実習雇用士の資格を取得し、外国人採用を円滑に進めるための情報を日々発信しています。

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