コラム

【技能実習生とは?】種類の違いや受け入れ方法について徹底解説!

「外国人材の採用を考えているが、技能実習生を受け入れる方法がわからない」など技能実習生の制度が複雑で悩んでいる方は多いでしょう。

この記事では技能実習生の制度や受け入れ方法、注意点について解説しています。

簡単にいうと技能実習生とは、母国の経済発展のために一定期間日本で就労しながら技術を学ぶ目的として与えられる在留資格のことをいいます。

これを読めば、技能実習生の制度がわかるため、人材採用の幅が広がります。

目次

技能実習生とは

技能実習生とは、厚生労働省のホームページで下記のように説明がされています。

外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております

参考:外国人技能実習制度について |厚生労働省

つまり、技能実習生を簡単に説明すると、先進国である日本の技術を一定期間働きながら学び、その後学んだ技術や考え方を母国へ持ち帰り、経済発展のために活躍する人材のことをいいます。

年齢は20代〜30代が多く、20代が圧倒的に占めています。

在留資格の種類と在留期間

日本での在留期間は合計で5年です。技能実習1号〜3号までの区分にわかれています。

技能実習1号

技能実習1号とは、日本へ入国し1年目に与えられる在留資格です。
入国して約1か月間は日本語や日本での生活ルールなどの講習を受け、その後企業へ配属されます。

技能実習2号

技能実習2号とは、技能実習1号の実習修了までに技能試験を受け、合格すると与えられる在留資格でさらに2年間の在留が可能になります。
しかし、この試験で2回不合格になると在留資格が失われ、実習を続けることができなくなります。

技能実習3号

技能実習3号とは、技能実習2号の時と同様に、技能実習2号の実習修了までに技能試験に合格をすると与えられる在留資格です。
ただし、技能実習3号の実習開始前に1か月以上1年未満の一時帰国が必要です。 
一時帰国を終えて、技能実習3号として2年間の滞在が可能となり、1号〜3号を取得するとなると最大5年間、日本での滞在が可能となります。

分類・職種について

技能実習生の対象職種は、農業・漁業・建築・食品や金属関係の製造業など88職種161作業あります。

検討をしている企業は、作業内容が職種に当てはまるか事前に確認をしておきましょう。

技能実習生を受入れるには

技能実習生の受入れ方法は、企業単独型と団体監理型の2種類あり、団体監理型で受入れることがほとんどです。

監理団体とは

監理団体は、技能実習生をサポートするために定められた監理事業を行う非営利団体です。
主なサポート内容は、受入れを行う企業への監査・技能実習生を日本へ受入れるための募集手配や入国に必要な手続きを行うことです。
ほかにも、技能実習生が日本で生活をしていく現地サポートも役割の一部です。

企業と監理団体との仲介として派遣会社が介入することもあり、受入れを行う企業への負担を軽減することができます。

企業独立型と団体監理型とは

企業単独型とは、日本の企業が海外に支店や取引先がある場合に、海外の現地法人や取引先企業の職員を受け入れ、日本へ転勤させる形で実習を行います。

事前に業務知識があること・技能実習期間が終了した後も、関連する企業で勤務してもらえることがメリットですが、海外に支店や取引先がある企業しか利用できません。

団体監理型とは、営利を目的としない監理団体が送り出し機関・受入れ企業と契約し、技能実習生の入国・指導研修などをサポートします。

監理団体が介入しサポートをするため、海外に支店や取引先がなくても利用でき、受入れ企業の工数削減になりますが、監理団体に対してのコストがかかります。

実際に、技能実習生の受入れは団体監理型が90%以上を占めています。

技能実習生の受入れの流れ

ここでは9割以上を占める団体監理型での受入れについての流れを説明していきます。

①受入れ企業と監理団体の契約を行います。
②受入れ企業は、実習職種や人数などの受入れ計画を決め、監理団体に申し込みます。
③監理団体は、候補者の募集・面接・選考・採用を行います。
④受入れ企業は、技能実習計画を作成し外国新技能実習機構へ申請します。
⑤技能実習計画が認定されると、技能実習計画認定通知書が交付されます。
同時に外国新技能実習機構から厚生省・法務省に報告されます。
⑥監理団体は、在留資格認定証明書やその他必要書類を揃えて、在留資格であるビザの申請を行います。
⑦航空券などの購入を行い入国日を決め、入国後1か月程度は入国後講習で日本語や生活ルールを学び、その後企業へ配属されます。

受入れを開始する約5か月前から準備を開始してください。

技能実習生と特定技能の違い

技能実習生とよく似た制度名の特定技能とは、どのような違いがあるのでしょうか。技能実習生と特定技能は、目的・在留期間・働き方など違いがあります。

ここでは、技能実習生と特定技能の制度の代表的な違いを5個紹介します。

技能実習生と特定技能の違い①|目的

技能実習生は、日本で学んだ技術を母国へ持ち帰り、国際貢献や技術移転をするためです。
特定技能は、日本の企業の即戦力確保や人手不足解消のために雇用関係を結びます。

技能実習生と特定技能の違い②|在留期間

技能実習生は技能実習1号を1年、技能実習2号を2年、技能実習3号を2年の合計5年です。
特定技能1号は5年間、特定技能2号は制限なしです。

技能実習生と特定技能の違い③|転職可否

「技能実習」は、就労ではなく、実習の概念のため、原則転職できません。
「特定技能」は、就労可能な範囲での転職が可能となります。

技能実習生と特定技能の違い④|受入れ可能人数

企業が受け入れ可能な技能実習生の数は、受け入れ企業の規模に応じて定められています。
例えば、常勤職員数(雇用保険に加入している社員の数)が30名以下の場合の受入れ人数は3名まで、常勤職員数が301名以上の場合は、常勤職員数の20分の1です。

特定技能は、建設業と介護事業者以外であれば除き人数制限はありません。
建設業と介護業の制限条件ですが、建設業は技能実習生など外国人就労者の総数超えての受け入れはできません。
介護業は、事業所単位で在留資格を保有する外国人就労者を含む総数を超えての受け入れができません。

技能実習生と特定技能の違い⑤|家族帯同

技能実習生は、家族帯同が不可能です。
特定技能は、特定技能1号は家族帯同が不可能ですが、特定技能2号は要件を満たせば配偶者+子まで可能です。

技能実習生の受け入れに関する注意点

監理団体の選定に注意をしてください。

監理団体の役割や主な業務は、監査や受け入れ時の書類申請・入国手続き、そして技能実習生の保護・支援です。

虚偽の申請書の提出や適切な監査を行っていない監理団体が中にはあるようです。

監理団体を選ぶポイントは、主に4つあります。
①複数の監理団体を比較すること
②監査業務がしっかりと行われていること
③希望する国の実習生を扱えること
④実績があり、しっかりと監理ができるか

また、途中で監理団体を変更することは可能です。

技能実習生を導入するメリット3選

技能実習生を導入する企業にはメリットがあります。
ここでは、代表的な3つをご紹介します。

技能実習生を導入するメリット①|人材を確保しやすい

東南アジア各国では、日本へ技術を求めて就労希望する人が多数います。
そのため技能実習生は、家族の帯同は不可で事前の試験もないため、若い世代で人が集まりやすい傾向があります。
熱い思いで日本へ技術を学びに来るので、職場の雰囲気の活性化にも繋がります。

技能実習生を導入するメリット②|知識が身につきやすい

技能実習生は、比較的に未経験者が多いため、順応性があり知や技術が身につきやすいです。
技能実習の対象職種は88職種161作業と種類が多いため、幅広く様々な企業が利用することができ、該当する人材が見つかりやすいです。

技能実習生を導入するメリット③|3年間の雇用が確約できる

技能実習生は、転職が認められておらず、技能実習2号までの3年間は帰国せず就業をするので、人手不足の解消に繋がります。

技能実習生を導入するデメリット3選

技能実習生のデメリットも紹介します。

技能実習生を導入するデメリット3選①|日本語でのコミュニケーションが取りにくい

仕事の技能を学ぶだけでなく、日本語も学びながらの就労となります。
入国して1か月程度の研修期間はありますが、スムーズな会話ができるようになるまでには時間がかかるため、はじめは言葉が通じない困難があります。
日本語でのコミュニケーションでは言葉など十分に注意をしないといけません。

技能実習生を導入するデメリット3選②|失踪するリスクがあること

近年、技能実習生が失踪する問題が発生していることが目立ってきています。原因としては、技能実習生は転職することができない事を理由に劣悪な社内環境で技能実習生を雇用する企業も多くいるからです。

具体的な問題点は下記の記事からご覧いただけます。

また、技能実習生が失踪する考えを引き起こさせない対策として、ダイバーシティに向けた社内環境を整える必要があります。

社内のフォローアップ研修のコツなどについては下記に記事に記載しています。

技能実習生を導入するデメリット3選③|外部コストがかかる

技能実習生の受入れには、技能実習生計画の作成・申請など必要書類があり、受け入れをするまでに5ヶ月ほど期間が必要です。
また、監理団体と契約し人選や入国後のサポートを依頼するため金銭的なコストもかかります。
技能実習生を受け入れるために必要なコストをまとめていますのでご参考ください。

まとめ

技能実習生は、母国の経済発展に貢献をするために、日本で技術や考え方を学ぶ人たちのことをいいます。

雇用契約を結ぶ人事採用とは違い、専門的な技術を学びに来日しているため最低賃金での就労が可能となります。
そのため、受入れを行う企業のコストは広告費・人件費を削減することができます。在留資格「技能実習」の理解を深めて、外国人採用に活かしていきましょう。

技能実習生以外でも外国人採用を検討・お悩みの方はご相談ください。

加地 志帆 /外国人実習雇用士

この記事を書いた人

加地 志帆 /外国人実習雇用士

2019年にYOLO JAPANに入社し、外国人ユーザーの満足度向上を目指し、特にSNSを通じたプロモーション活動を担当。その経験を通じ現在は、企業が外国人採用をスムーズに進められるようヨロワークのウェブサイトにて情報発信。具体的には、外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進するコンテンツの提供。 2023年11月には外国人実習雇用士の資格を取得。企業と外国人が共存できる社会を目指すため外国人採用の知識を深めている。

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