コラム

監理団体とは?技能実習生の受け入れに重要な役割

技能実習制度を利用して、海外からの技能実習生を受け入れる場合、監理団体のサポートを受けることが多いです。ただ、監理団体が具体的に何をしている組織なのか、どういったサポートを受けられるのか、サポートを受けるとどのようなメリットがあるのかなど、よくわからないという人は大勢いるでしょう。そこで、技能実習制度に携わる監理団体について、基本的なことを詳しく解説していきます。

監理団体とは

監理団体は、技能実習生制度において重要な役割を果たす団体です。彼らは、日本国内の企業や団体が外国からの技能実習生を受け入れる際に、さまざまな支援を提供します。監理団体は、外国の技能実習生の派遣機関と提携し、実習生の入国手続きを協力して進めます。そして、受け入れ企業に技能実習生を紹介するのが主な役割です。

技能実習生制度は、主として発展途上国の人々が技能を習得し、国際協力が目的です。このため、技能実習生のサポートを提供する監理団体は、非営利団体であることが要件として定められています。また、監理団体として活動するには、一定の要件を満たす法的な組織であることが求められます。これらの要件には、営利を目的としないことの他に、監理業務を遂行するための財務基盤を有していることや、個人情報を適切に管理できる体制が含まれます。

具体的な監理団体には、職業訓練法人、商工会、公益社団法人などが挙げられますが、これらはすべて要件を満たしています。また、過去の刑事罰や労働に関する不正行為などの「欠格事由」も存在し、問題のある組織は監理団体の許可を受けることができません。

技能実習制度は、技能実習1号から3号までの区分に分かれており、それぞれの区分には異なる業務内容や日本での滞在期間が設定されています。また、監理団体も特定監理事業と一般監理事業の2つの区分が存在し、それぞれ異なる範囲で監理を行います。特定監理事業では、1号または2号のみを監理できますが、一般監理事業では1号から3号まで全ての監理が可能です。技能実習生は、2号までの区分では最大で3年間しか滞在できませんが、3号の場合は最大で5年間の滞在が認められています。そのため、5年間の受け入れを検討している場合は、一般監理事業を行う監理団体を選択する必要があります。

監理団体は非営利ですが、ボランティア活動ではありません。監理団体のサポートを受ける企業は、一定の費用を負担する必要があります。具体的には、監理団体への入会金が必要です。また、ほとんどの監理団体では、サポートを受け続けるために年会費が必要です。さらに、技能実習生が受ける講習費用も企業が負担します。さらに、毎月の監理費用もかかります。これらの費用は、管理内容や契約する送り出し機関の国によって異なり、最終的には100万円以上の差が生じることもあります。したがって、費用をできるだけ抑える監理団体の選択が重要です。

監理団体が担当する主な任務や役割

具体的に、監理団体が担当する主な任務や役割は、以下です。

1. 入国手続きの支援

技能実習生の入国に必要な書類や証明書の取得をサポートします。これらの手続きには、在留管理局との連絡や認可手続きが含まれます。

2. 実習計画の指導

受け入れ企業は、技能実習生のために実習計画を作成する必要があります。しかし、企業が計画をどのように策定すべきかを理解していない場合もあります。監理団体は、計画作成の指導を行い、企業が要件を満たす計画を立てる手助けをします。

3. 生活サポート

技能実習生が日本での生活に適応できるよう、監理団体は講習や日常的なサポートを提供します。技能実習生が生活上の問題に直面した場合、監理団体は助けになります。

4. 監査活動

定期的に、監理団体は受け入れ企業を対象に監査を行います。これは、実習内容が規定に適合しているかどうかを確認し、違反行為を防ぐための措置です。

5. 母国語でのサポート

技能実習生が母国語で質問や相談をできる窓口を提供します。これにより、技能実習生は気軽に必要な情報を得ることができます。

H3 「企業単独型」と「団体監理型」の違い

技能実習生の受け入れには、一般的に2つの異なる方式があります。

企業単独型

この方式では、日本の企業や団体が、自社で外国からの技能実習生を受け入れることを決定し、直接実習生を招聘します。企業は独自の受け入れプログラムを実施します。

団体監理型

団体監理型では、監理団体が海外で技能実習生を募集し、受け入れ企業などで技能実習を行う方式です。監理団体は実習生のサポートと監督を担当します。

ちなみに、2021年末時点では、日本国内にいるうちのおよそ98.6%が団体監理型で入国した技能実習生ですので、技能実習生の受け入れのほとんどのケースで監理団体が関わっていると言えます。

企業単独型の受入れ:1.4%

団体監理型の受入れ:98.6%

※技能実習での在留者数ベース

(参考)外国人技能実習制度とは | 外国人技能実習制度の円滑な運営を支援 | JITCO – 公益財団法人 国際人材協力機構(旧:国際研修協力機構)

「一般監理事業(団体)」と「特定監理事業(団体)」の違い

監理団体には、は「一般監理事業」と「特定監理事業」の2つの異なるカテゴリーが存在します。これらのカテゴリーにはいくつかの重要な違いがあります。

一般監理事業の特徴

一般監理事業を行う監理団体は、「優良な監理団体」として認定されています。これは、法令違反をしておらず、技能評価試験の合格率や指導・相談体制などの一定の要件を満たす監理団体のことを指します。一般監理事業は、技能実習1号(1年目)および技能実習2号(2~3年目)を監理する事業であり、許可の有効期間は通常5年です。

2023年9月19日現在、一般監理事業を行う監理団体は、1,932団体です。

特定監理事業の特徴

特定監理事業は、技能実習1号(1年目)および技能実習2号(2~3年目)の監理を専門に行う事業です。特定監理団体の許可の有効期間は通常3年です。特定監理事業は技能実習生の受け入れにおける基本的なプロセスを提供します。

受け入れ企業が留意すべき要点は、技能実習生をどの技能実習号まで受け入れるかです。技能実習には「技能実習1号」から「技能実習3号」までの区分があり、最長で4~5年の期間にわたります。技能実習生を4~5年目まで受け入れるためには、一般監理事業も行うことができる優良な監理団体を選択する必要があります。

2023年9月19日現在、特定監理事業を行う監理団体は、1,730団体です。

2023年9月19日現在、監理団体として認められている非営利団体の数は、日本全国3,662団体です。

(参考)監理団体の検索(Search for Japanese Supervising Organizations) | 外国人技能実習機構

監理団体の選び方と気を付ける点

技能実習生制度を活用する際、適切な監理団体の選定は極めて重要です。監理団体によって提供されるサポートの質、対応可能な職種、受け入れ可能な技能実習生の数などが異なるため、どの監理団体を選ぶか検討する際に以下のポイントを考慮することが重要です。

1. サポート体制

技能実習生の受け入れにおいて、監理団体のサポート体制は極めて重要です。適切なサポートがなければ、トラブルが発生しやすくなります。したがって、監理団体が提供するサポートの品質や内容を確認し、技能実習生のフォローアップが適切に行われるかどうかを確認しましょう。技能実習生の母国語を話すスタッフが在籍しているかも重要な要素です。

2. 一般監理団体(優良な監理団体)かどうか

監理団体は一般監理団体と特定監理団体の2つのカテゴリに分かれています。一般監理団体は技能実習1号から3号までの監理が可能であり、特に技能実習3号の受け入れができるため、長期間の受け入れを検討している場合に選択肢となります。一般監理団体の選定には一定の要件を満たす必要があり、優良な団体として認定されることがあります。

優良な監理団体か否かを調べるには、外国人技能実習機構(OTIT)の「監理団体の検索」に掲載のPDFから一覧でご確認いただけます。

3. 対応職種

監理団体ごとに得意とする職種が異なるため、受け入れたい職種に対応できるかどうかを確認しましょう。経験豊富な職種であれば、適切なサポートを期待できる可能性が高いです。一方、経験が少ない職種や未経験の職種については、サポートが不十分となる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

4. 監理費の適切さ

技能実習生の受け入れには監理団体への費用が発生します。これには入会費、年会費、講習費用、監理費用などが含まれます。各監理団体ごとに費用が異なるため、費用の詳細と受けられるサービスのバランスを確認しましょう。安価な監理費用だけを追求せず、サポート体制や教育の質などを総合的に評価しましょう。

5. 教育の質

技能実習生の品質は、監理団体による教育の品質に大きく依存します。教育の実施場所や内容を確認し、技能実習生に対する適切な教育が行われているかどうかを確認しましょう。特に、内部で教育を実施する組合は、質の高い教育を提供できる可能性が高いです。

監理費用が安価だからといって、監理団体を選ぶ際には注意が必要です。安価な監理費用が提供されている場合、サポート体制が不十分で技能実習生の失踪やトラブルが発生するリスクが高まります。監理費用だけでなく、サポート体制や教育の質などを総合的に評価し、円滑な技能実習を実施するために適切な監理団体を選ぶことが重要です。

まとめ

監理団体は、技能実習生制度において重要な役割を果たす非営利団体であり、外国からの技能実習生の受け入れを支援します。彼らは技能実習生の入国手続きを外国の派遣機関と協力して進め、受け入れ企業に実習生を紹介する役割を担います。監理団体は特定監理事業と一般監理事業の2つの区分があり、受け入れる技能実習生の区分に応じて選択します。

特定監理事業は技能実習1号と2号の監理を専門に行うもので、一般監理事業は1号から3号までを監理します。技能実習生の受け入れには費用がかかり、監理団体に入会費、年会費、講習費、監理費が支払われます。これらの費用は選択した監理団体によって異なり、慎重に選ぶ必要があります。

監理団体の主な役割には、入国手続きの支援、実習計画の指導、生活サポート、監査活動、母国語でのサポートが含まれます。技能実習生受け入れの方式として、企業単独型と団体監理型があり、ほとんどの場合は団体監理型が選ばれます。

監理団体を選ぶ際に注意すべきポイントは、サポート体制、一般監理団体か特定監理団体か、対応職種、監理費用の適切さ、教育の質です。サポートの質や技能実習生の受け入れ可能な期間、職種によって監理団体を選ぶべきです。安価な監理費用だけでなく、サポート体制や教育の質を総合的に評価し、円滑な技能実習のために適切な監理団体を選びましょう。

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