コラム

フィリピン人が英語を話せるのはなぜ?歴史的背景や英語教育の現状について分かりやすく紹介

世界で英語が堪能な国民が多い国の一つとして挙げられるフィリピン。その秘密は、豊かな歴史と教育環境にあります。しかし、なぜフィリピン人が英語を流ちょうに話せるのか知っていますか?

この記事では、フィリピンの基本情報から始め、英語教育の現状、そしてフィリピン人がなぜ英語を話せるのかについて深く掘り下げて紹介していきます。

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フィリピンという国の基本情報

フィリピン人が英語を話せる理由について見ていく前に、まずはフィリピンという国の基本情報を見ていきましょう。

地理的な特徴

フィリピンは東南アジアに位置し、約7000以上の島々からなる島国です。主要な島にはルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島などがあります。首都はマニラであり、セブシティやダバオ市などの主要都市も重要な役割を果たしています。フィリピンの人口は約1億人であり、多様な民族や文化が共存しています。

歴史

歴史的には、フィリピンはスペイン、アメリカ、日本などの植民地支配を経験しました。スペイン植民地時代にはカトリック教が布教され、フィリピンは現在もカトリックの信仰が根強く残っています。また、アメリカ植民地時代には英語が導入され、現在でも英語は広く使用されています。

政治経済

政治面では、フィリピンは共和制を採用しており、大統領制に基づく国家元首が存在します。大統領は行政権を担当し、最高裁判所が司法権を持ち、議会は立法権を有しています。

フィリピンの経済は農業、製造業、サービス業が主要な柱です。農業では米、砂糖、バナナなどが主要な輸出品となっています。さらに、海外で働くフィリピン人からの送金も経済に大きな影響を与えています。観光業もフィリピンの重要な産業の一つであり、美しい自然景観や豊かな海洋生物が魅力です。ボラカイ島、パラワン島、シャルガオ島などが有名な観光地として知られています。

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フィリピンで話されている言語

フィリピンでは、130から195の言語が話されており、分類方法によって異なります。これらのほとんどは、フィリピン固有のマレー・ポリネシア語族の言語です。一部の地域ではスペインの影響を受けたクレオール言語であるチャバカノ、そして中国の一部の地域方言も話されています。1987年の憲法では、フィリピノ語(タガログ語の標準化されたバージョン)を国家言語および英語とともに公用語として指定しています。フィリピノ語はフィリピンの様々な民族言語背景を持つフィリピン人によって使用される共通語として機能し、フィリピン語委員会によって規制されています。

共和国法11106号は、フィリピン手話言語またはFSLを国の公用手話言語およびフィリピンの聴覚障害者とのコミュニケーションにおけるフィリピン政府の公式言語として指定しています。

フィリピノ語は国内のさまざまな言語グループ間でのコミュニケーションやポピュラーカルチャーで使用されていますが、政府は主に英語を使用しています。第二言語話者を含めると、フィリピノ語話者はフィリピンにおいて英語話者よりも多いです。憲法によって、他の地域言語はそれぞれの地域で公用補助言語として指定されていますが、特定の言語は明示されていません。これらの地域言語の一部は教育でも使用されています。

(出典)Languages of the Philippines – Wikipedia

ここからは、フィリピンで話されている主な言語を紹介していきます。

フィリピノ語(タガログ語)

フィリピンの首都マニラ周辺地域で広く話されています。国の公用語の一つであり、フィリピンの国民感情や文化的アイデンティティに深く結びついています。

英語

アメリカ植民地時代に導入され、現在でもフィリピンの公用語の一つとして使用されています。政府、教育、ビジネスなどの分野で広く使用されており、フィリピン人口の大部分がある程度の英語能力を持っています。

セブアノ語(ビサヤ語)

ビサヤ諸島など中部や南部の地域で話されています。フィリピン国内で最も話者数が多い方言の一つであり、セブアノ語を母語とする人々も多いです。

イロカノ語

ルソン島北部の地域で話されています。フィリピン国内で広く使用される方言の一つです。

他にも、タガログ語以外にも多くの地域言語や方言が存在しますが、これらの言語は地域ごとの文化や伝統に根ざした重要なコミュニケーション手段として使用されています。

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フィリピン人が英語を話せる理由

フィリピン人が英語を話せる理由は、たくさんありますが、その中でも代表的な理由をいくつか紹介します。

小学校から大学までの英語教育

フィリピンでは、国語や歴史を除くほとんどの授業が英語で行われています。そのため、幼少期から英語に触れ、英語を学ぶ環境に身を置いています。公立学校における英語の授業時間は充実しており、教育省の資料によれば6年間で1,746時間にも達します。

英語を使用する実践の場の多さ

フィリピンでは、学校の授業だけでなく、日常生活の中でも英語が広く使用されています。テレビや映画、店の看板や標識など、あらゆる場面で英語に触れる機会があります。特にエンタメコンテンツに関しては、英語版が主流であることも多いため、英語に触れる機会がますます増えています。

英語に近いタガログ語

フィリピンで話されている主要な言語の一つであるタガログ語は、英語との類似性が高いことが特徴です。タガログ語には英単語が多く取り入れられており、またアルファベットも英語と同様のものが使われています。このため、タガログ語を母国語とする人々が英語を学ぶ際には、比較的スムーズに学習できるとされています。

英語スキルがキャリアに影響

フィリピンでは英語を話せることが高い収入や就職の機会に直結するとされています。コールセンターや英語教師など、英語力が求められる職種は多く存在し、そのため英語を習得することは経済的な安定につながると考えられています。特に貧困層からの脱出を目指す人々は、英語を熟達させることでより良い仕事や生活を得ることができると認識しています。

これらの理由が組み合わさり、フィリピン人が幼少期から英語を話すことができる一因となっています。その結果、フィリピンは世界で英語を堪能な国民が多い国の一つとなっています。

英語が話せるフィリピン人の割合

約90%以上のフィリピン人が英語を話すことができるといわれており、これはフィリピンの人口換算すると約9,000万人以上のフィリピン人が英語を話せるということです。

前述のとおり、フィリピンの教育制度が小学校から大学まで英語での授業を行っていることや、日常生活での英語の使用が一般的であることに起因しています。さらに、ビジネス英語指数による評価では、フィリピンが世界で最も高い評価を受けており、ビジネスコミュニケーションのスキルも備えています。この高い英語力は、国際ビジネスやグローバルな職場での活躍において大きなアドバンテージとなっています。

フィリピン英語のなまり

フィリピン人の英語には特有のなまりがあるという印象を持つ人もいますが、一般的には流暢でクセが少ないとされています。フィリピンでは幼少期から英語教育が行われており、その影響で英語を話す人々は比較的なまりが少ない英語を話します。しかし、英語を母語とするネイティブと比較すると、フィリピン人の話す英語のスピードは遅めです。そのため、英語が苦手な人でもフィリピン人の英語は比較的聞き取りやすいと言われています。

さらに、フィリピン人はスラングをあまり使わない傾向があります。スラングは地域によって異なり、一部の人しか理解できないこともあるため、フィリピン人の英語は理解しやすいと言えます。ただし、フィリピン人の英語にはタガログ語のなまりが少しあることも事実です。しかし、ほとんどの場合、このなまりは英語として十分に聞き取れるレベルです。

フィリピンでは英語を第二言語として学ぶ人も多く、海外留学や国内のインターナショナルスクールでの英語教育が増加しています。そのため、フィリピン人の英語力は徐々に国際レベルに近づいています。フィリピン人の発音も、英語の訓練を積んだ人々や幼少期から英語中心の生活を送ってきた人々は、ネイティブスピーカーに匹敵するほど綺麗な英語を話すことができます。

総括すると、フィリピン人の英語にはなまりが少なく、スラングをあまり使わないという特徴があります。英語を学ぶ人々のレベルも徐々に向上しており、フィリピン人の英語は聞き取りやすいと言えます。

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フィリピンにおける英語とキャリアの関係性

「英語スキルがキャリアに影響」で前述したように、フィリピンにおける英語とキャリアの関係性は非常に密接です。英語はフィリピンの公用語の一つであり、高い英語力は様々な職業での成功に不可欠です。

まず第一に、多くの企業が英語を使用しており、英語が堪能な人材はビジネスコミュニケーションやクライアント対応などで重要な役割を果たします。特に、コールセンターやアウトソーシング産業では、英語が必須のスキルとなっています。

さらに、グローバル化が進む中、英語を使った国際ビジネスや外国人観光客向けのサービス業も拡大しており、英語力はそのような分野での就職やキャリアアップにおいて大きな優位性を持ちます。また、英語教師や教育関連の職種も需要が高く、英語を話せることで教育分野でのキャリアを構築することが可能です。総じて言えることは、フィリピンにおいて英語力は職業上の成功に不可欠であり、高い英語スキルを持つことが将来のキャリアにおいて有利になるということです。

日本に住むフィリピン人の特徴

日本国内に住むフィリピン人は、2023年6月時点で約29万1,000人おり、主に永住者や技能実習生などの在留資格を持っています。彼らの多くは日本の人材不足に貢献することが期待されています。

男性の多くは製造業や建設業などの技術系の仕事に就いており、国内で身につけた専門技術を活かして高収入を得ています。一方、女性は介護やホテル業などのサービス業に従事することが多く、家庭での経験を生かした仕事が多いです。特にホテルの受付やコールセンターなどでは、フィリピン人の英語力が活かされています。

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