日本で看護師として働くフィリピン人向けの面接会が4年ぶりに開催。17人の応募者数は過去最少で、医療人材獲得競争の厳しさが浮き彫りに。
NHKニュースによると、日本で看護師として働くことを希望するフィリピン人向けの面接会が、4年ぶりにフィリピンで開催されました。しかしながら、応募者数は過去最少の17人にとどまり、国際的な医療人材獲得競争の激しさを象徴する結果となりました。
日本は2009年以降、EPA=経済連携協定に基づいて、毎年フィリピン人の看護師を受け入れており、これまでに660人以上が日本での就労を果たしています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4年ぶりに来年度の候補者を選ぶ面接会がマニラで行われましたが、これまでの制度開始以来、応募者数は過去最少の17人にとどまりました。
フィリピンでは賃金の低さなどを理由に、看護師資格を持つ人の約3分の1が海外で働いています。しかし、欧米諸国を中心に医療人材の獲得競争が激しくなっている中、日本は円安による収入減や言語の壁などが影響していると考えられます。
約10年前からフィリピン人看護師を受け入れてきた宮城県の医療法人の採用担当者は、今回の面接会での応募者の少なさに衝撃を受けたと話しています。
国際厚生事業団が主催した面接会の片岡佳和専務理事は、「医療人材の獲得競争が厳しくなっていると感じる。われわれも力を入れたい」と述べ、フィリピン当局と協力して人材確保に取り組む意欲を示しました。