コラム

ベトナム人技能実習生の特徴とは?雇用のポイントを徹底解説!

本記事では、ベトナム人技能実習生の特徴を解説し、彼らを雇用する上で注意するべき点について紹介します。
現代社会において、人手不足の問題が深刻化しており、外国人技能実習生は日本社会を支える重要な存在です。その中でも、ベトナム人技能実習生は国内の技能実習生の中の54.3%を占めています。一方で、ベトナム人技能実習生の失踪や犯罪などが報じられることもあり、ベトナム人技能実習生の雇用を懸念する人もいると思います。以下では、ベトナム人技能実習生がどのような性質を持ち、雇用する側は、どのように向き合えばいいのかを解説したいと思います。

外国人技能実習制度とは開発途上国への人材育成支援制度

技能実習制度とは、日本で培われた技能や技術、知識を開発途上国へ移転させ、人材育成を支援することを目的とした日本政府による事業です。開発途上国の経済発展を担う人々の育成に寄与することで国際協力に貢献する制度とされています。原型は1960年代後半に実施された研修制度であり、これをもとに1993年に現在の技能実習制度が開始されました。技能実習制度は、国際協力という本来の目的に反して、安価な労働力として使われてはいけません。そのため、技能実習法には以下の2つの基本理念が定められています。

  1. 「技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと」
  2. 「労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと」

(参考)第 3章 技能実習法の目的・定義等 – 厚生労働省

実習期間は最大5年

実習期間は3〜5年で、実習内容によって3つの期間に区分され、この期間区分にあわせて在留資格が3種類あります。
入国してから1年以内の在留資格は技能実習1号と呼ばれ、技能を修得する活動となります。実習2〜3年目は技能実習2号と呼ばれ、1号の実習で修得した技術を習熟させるための業務に取り組みます。そして、実習後の4〜5年目は技能実習3号という在留資格であり、修得した技能に熟達する活動となります。
これら3つの在留資格の期限が終了する時に、在留資格を取得、または変更し、技能実習3号の在留資格の期限が切れると帰国することになります。

技能実習生は送り出し機関で事前教育を受ける

技能実習生は、日本へ派遣される前に、母国の送り出し機関で事前教育を受けることになっています。技能実習生を派遣する国には、それぞれに政府から認定された送り出し機関があります。送り出し機関は応募された技能実習の希望者を選定し、日本の受け入れ企業や仲介機関に紹介する人材派遣をしています。したがって、日本の受け入れ企業や仲介機関等は各国の送り出し機関と業務提携を結ぶことで技能実習生の受け入れができます。送り出し機関は、人材紹介だけでなく事前教育をしており、日本語、日本の文化や生活、挨拶などのマナー、職業意識などを指導しています。日本語指導だけではなく、挨拶やお辞儀の仕方、自然に謝る、笑顔で返事するなどの日本社会で働く上で必要な教育にも力を入れています。

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ベトナムの送り出し機関と技能実習生

他の国と同様に、ベトナムにも政府から認定された送り出し機関があります。
技能実習生は、日本へ派遣される前に、ベトナム送り出し機関で日本語やビジネスマナーなどの教育を受けています。日本語の教育はもちろんですが、挨拶やお辞儀の角度、笑顔で返事する、どんな時でも緊張感をもつなど、日本で働く上で必要な態度の教育も行っています。
また、全寮制の送り出し機関もあり、細かく決められたタイムスケジュールをこなしたり、髪色やネイルの規制など厳しい訓練のような環境も存在する。送り出し機関としては、日本の受け入れ企業からのクレームを防止する目的や、日本で直面するであろう困難を乗り越えられる忍耐力を鍛えさせる目的があると考えられます。

日本語学習と上達スピード

技能実習生は来日する前に、送り出し機関で日本語を勉強することができます。しかし、日本語の会話レベルはそれほど高くない場合が多いです。日本語でうまく言いたいことが伝えられないことがストレスになり、失踪や犯罪につながる可能性もあります。そのため、日本に来てからできるだけ早く、着実に日本語を覚えることが理想的だと考えられます。
ベトナムではベトナム語が公用語ですが、ベトナム語はアルファベットを使用するため、まず、漢字やひらがなを覚えることに苦労します。その一方で、ベトナムでは日本のアニメやドラマが人気で、日本語を身近に感じている人は多いです。また、ベトナム人技能実習生は若いということもあり、真面目に勉強すれば日本語の上達スピードに問題はないでしょう。

多額の手数料を支払うために借金する実習生

実習生が来日するためには、送り出し機関に100万円を超える多額の手数料や保証金を支払わなければならないというケースが多いです。これに対して国際的な批判も多かったため、ベトナム政府は日本への送り出し機関の手数料の法定上限を設け、保証金の徴収を禁止しました。しかし、手数料と保証金は未だに徴収されており、事態が改善していないという声もあります。手数料を支払うために借金を抱えている実習生も多いため、日本で働いても貯金することが難しいという人も存在します。

国内最大の技能実習生送り出し国ベトナムについて

正式名称ベトナム社会主義共和国
面積32万9,241平方キロメートル
人口約9,946万人(2022年、越統計総局)
首都ハノイ
言語ベトナム語
宗教仏教、カトリック、カオダイ教他
(参考)ベトナム基礎データ- 外務省

国籍別技能実習生比率

ベトナムは日本における技能実習生受け入れ人数が最も多い国です。

(参考)外国人技能実習制度について – 法務省

令和4年末の法務省データによると、国内の技能実習生の内、ベトナム国籍の人々は176,346人であり、全体の54.3%を占めています。その次に、インドネシア45,919人(14.1%)、フィリピンが29,140人(9.0%)、中国が28,802人(8.9%)という結果になっています。これらの数値を見ると、日本における外国人技能実習生の中でベトナム人技能実習生の比率がとても高いことがわかります。

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ベトナム人技能実習生の特徴

親日である

多くのベトナム人は日本に対し、良い印象を抱いています。
ベトナムでは日本のアニメや漫画が人気で、親日な人が多い要因と考えられます。また、政治や経済面でもベトナムと日本は良好な関係を築けているため、親日な人が多いとされています。
ベトナムの若者にとって、日本に行くことが憧れになっている場合もあり、日本での技能実習を希望する人はとても多いです。

手先が器用

ベトナムは、縫製や刺繍などの伝統工芸が有名であり、手先が器用な人が多いとされています。
細かい作業が得意なことは、技能実習でも役立つため、多くのベトナム人実習生が活躍しています。

素直で真面目

ベトナム人の技能実習生は、素直で真面目な特徴があります。責任感を持ち、言われたことは指示通りにやってくれることが多いです。素直なベトナム人技能実習生は、人間関係を良好に築ける人が多く、職場の雰囲気づくりという点でも活躍してくれます。
技能実習生にとって、日本での給料はとても価値が高いため、期間内にきちんと働けば、ベトナムでは稼げないような大金を持てるようになります。今後の自分や家族のために一生懸命実習に取り組むので、何事も真面目に取り組む傾向があります。

成長意欲が高い

ベトナム人はプライドが高く、できないことを嫌う人が多いです。これにより、新しい知識や技術を真面目に学ぼうとします。これにより、早く仕事を覚えられるため技能実習生としての評判が高いです。

計画性がなく、目の前の損得で行動する

ベトナム人技能実習生は、目の前の損得で物事を判断し、行動する傾向があります。長期的な今後の生活を考えて行動するのが苦手で、今稼ぐことが重要と考える人が多いです。したがって、貯蓄もあまりしない傾向があります。これは、技能実習生の親世代の方々がベトナム戦争を経験していることから、今を大切にする考えが受け継がれているためだと言われています。

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ベトナム人技能実習生の受け入れで注意するべきこと

実習生への指導では理由を伝えることが重要

技能実習生を指導するうえで大切なことは、きちんと理由を伝えることです。
業務内容の理由や必要性が理解できないと、それぞれの考えで異なる方法をとってしまうことがあります。その結果、業務のミスなどに繋がる可能性があるので、言われた通りに業務に取り組んでもらうためには1つ1つの業務の意図を伝えることが必要です。
また、業務の目的がわからないとモチベーションを維持することも難しくなってしまいます。日本人でも同じことが言えると思いますが、ベトナム人技能実習生は特にその傾向が強いと考えられます。
「○○だからこの業務は必要だ」「これは○○な人たちのためになる仕事だ」などのように背景や意義を伝えることが重要です。

差別やいじめ防止に気を配る

近年、ベトナム人技能実習生がいじめにあう事例が多く報じられています。
例えば、岡山市内のベトナム人技能実習生が実習先の建設会社で、2年にわたり暴行を受けていたことが判明しました。また、肋骨骨折などの怪我を負ったにもかかわらず、治療の際には事実を隠すように受け入れ企業から指示されていたことも明らかになりました。
このケースだけでなく、ベトナム人技能実習生が差別やいじめにあうことは多く、これが失踪や犯罪に繋がっています。日本で実習に取り組むベトナム人がいてくれることで、業務が成り立っているということを念頭に、感謝の気持ちを持って接することを心がけましょう。

給与の設定

ベトナム人技能実習生を受け入れるにあたって、給与の設定はとても重要になります。送り出し機関へ多額の手数料を支払っている実習生が多いため、給与への不満は溜まりやすい状況にあると考えられます。また、ベトナム人技能実習生はSNSで多くの人と繋がり、意見を交換しているため、他の実習生の給与を聞く機会が増えています。不満が溜まっている時に、SNSでの犯罪の誘いに引っかかってしまい、失踪してしまうという可能性もあります。
このような最悪の事態を避けるためにも、技能実習生を受け入れる際は、ある程度の給与を保証する必要があります。

借金の有無を把握して、失踪を防ぐ

ベトナム人技能実習生の失踪は、マスコミでも報道されることが多いですが、残念ながら、失踪してしまうケースはあります。失踪の主な要因は、送り出し機関への手数料支払いのための借金であると考えられております。100万円以上の多額の手数料を支払うために、ベトナムで借金に苦しんでいることがあります。仕事を増やすことや、残業を増やすことを求められた場合、借金に苦しんでいる可能性が高いため、どのくらい借金があるのか把握することが求められます。実習生の金銭状況を把握することで、仕事や給与の配分を調整し、失踪を防ぐことに繋がります。また、送り出し機関を選別し、人材を派遣している日本の受け入れ仲介機関に、人材紹介を依頼することも良い選択肢です。

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犯罪の問題 ー 送り出し機関の見極めと就労環境を整える

技能実習生の犯罪歴は、ベトナムの送り出し機関側で選抜する必要があります。面接や事前教育が甘いことにより、技能実習生として来日すべきではない人が入国してしまうことがあります。しかし、事前に送り出し機関についてしっかりと調べておくことで、犯罪歴のある人や犯罪を犯してしまうベトナム人技能実習生の入社を防げるかもしれません。また、給与や雇用形態、就労環境を定期的に見直し、実習生が安心して技能実習に取り組めているか気を配ることも重要です。

YOLO総研 編集部 リコピン

この記事を書いた人

YOLO総研 編集部 リコピン

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