ビルクリーニング技能士は、ビルのクリーニング作業に必要なスキルを評価する国家資格で、資格取得には多くのメリットがあります。受験者にとっては、専門知識とスキルを証明でき、自己ブランディングや就職活動で有利になります。
また、キャリアの成長や給与増加のチャンスを提供します。企業側にとっても、資格取得者は競争優位性を築く要素となり、信頼性の高いサービス提供をアピールできます。
この記事では、ビルクリーニング技能士資格についての詳細な情報を紹介していきます。資格取得やビルクリーニングに興味がある人に役立つ情報となっています。
ビルクリーニング技能士(ビルクリーニング技能検定)とは
ビルクリーニング技能士とは、ビルの所有者から委託されるビルクリーニング作業に必要なスキルを評価する国家資格です。
ビルクリーニング技能検定は、ビルの所有者からの委託に基づいて実施されるビルクリーニング作業に必要な技能を評価するもので、昭和57年5月に職業能力促進法に基づいて導入され、国家認定の技能検定として認可されました。
ビルクリーニング技能士は、ビルクリーニング作業に必要なスキルを有する国家資格であり、ビルの所有者からの委託に応じてビルの環境衛生を維持管理する業務に従事する資格です。また、ビルクリーニング技能士の資格は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称:建築物衛生法)」における事業登録の際に必要な「清掃作業監督者」になるためにも不可欠な資格となっています。
ビルクリーニング技能士の資格取得メリット
ビルクリーニング技能士の資格は、国家資格であるため、社会的な信頼度が高く、クリーニング関連資格の中でも高い資格といえます。ビルクリーニング技能士の資格を持つことで、ビルクリーニングのプロフェッショナルとしてのスキルアップが期待できます。
ビルクリーニング技能士の国家資格を取得することには、受験者側と企業側の両方にとってさまざまなメリットがあります。
受験者側のメリット
- 国家検定資格者としてPRすることができる
ビルクリーニング技能士の国家資格を取得することで、専門知識とスキルを持っていることを証明できます。これは自己ブランディングや履歴書の強化に役立ち、就職活動や転職時に有利になります。 - 自己のキャリアステージを構築・向上することができる
資格取得は個人の専門性を高め、キャリアの成長を促進します。ビルクリーニング技能士の資格を持つことで、職場での責任や役割が増加し、昇進の機会が拡大します。 - 資格手当等の給与増加に繋げることができる
多くの企業は、資格取得者に追加の手当やボーナスを支給しています。ビルクリーニング技能士の国家資格を持つことで、給与水準を引き上げ、経済的な報酬を受けるチャンスを増やすことができます。
企業側のメリット
- 顧客に対し、有資格者を含めて事業内容・業務品質等をPRすることができる
資格取得者を含むスキル豊富な従業員は、企業のサービス品質や専門性を高め、競争優位性を築く手助けとなります。これにより、企業は信頼性の高いサービス提供をアピールし、新規顧客を引き付けることができます。 - 従業員に対し、人材育成の取り組みをPRすることができる
資格取得を支援し、従業員のスキル向上を奨励する企業は、人材のプロフェッショナリズムを高めるための熱心な姿勢を示すことができます。これは従業員のモチベーション向上や忠誠心の向上につながり、業績向上に寄与します。
ビルクリーニング技能士の資格等級
ビルクリーニング技能士の資格には等級が存在し、1級から3級と基礎級に分かれています。
1級 | 2級 | 3級 | 基礎級 | |
技能レベル | 上級技能者が通常有すべき技能及び知識 | 中級技能者が通常有すべき技能及び知識 | 初級技能者が通常有すべき技能及び知識 | 基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技術及び知識 |
修得の目安 | 5年以上 | 2~5年 | 3年(1~2年) | 1年(2~6ヶ月) |
到達対象 | 現場責任者班長 | チームリーダー | 一人前 | (具体的な)指示に基づく |
段取り | 資機材の準備・片付け(清掃・洗濯・保管)と、消耗品の補充作業導線の確保担当割・人員配置 ●仕様(契約)に基づく作業計画の作成 | 資機材の準備・片付け(清掃・洗濯・保管)と、消耗品の補充作業導線の確保担当割・人員配置 ●作業計画に基づく作業手順の作成 | 資機材の準備・片付け(清掃・洗濯・保管)と、消耗品の補充作業導線の確保 ●作業手順に基づく作業の実施 | 資機材の準備・片付け(清掃・洗濯・保管)と、消耗品の補充 ●具体的な指示に基づく作業手順の実施 |
作業範囲 | 日常清掃作業(1/D) 中間清掃作業(汚れ具合) 定期清掃作業(1/M、1/Y) 臨時清掃作業 建物用途別清掃作業 ●仕様(契約)に基づく作業計画の作成 | 日常清掃作業(1/D) 中間清掃作業(汚れ具合) 定期清掃作業(1/M、1/Y) 臨時清掃作業 ●作業計画に基づく作業手順の作成 | 日常清掃作業(1/D) 中間清掃作業(汚れ具合) 定期清掃作業(1/M、1/Y) ●作業手順に基づく作業の実施 | 器具の使い方及びそれを修得するための各種清掃作業の補助 ●具体的な指示に基づく作業手順の実施 |
資機材整備 | 専門的な点検・補修はメーカー等に依頼 ●仕様(契約)に基づく作業計画の作成 | 専門的な点検・補修はメーカー等に依頼 ●作業計画に基づく作業手順の作成 | 機械・器具の正しい手入れと後始末 ●作業手順に基づく作業の実施 | 器具の正しい手入れと後始末 ●具体的な指示に基づく作業手順の実施 |
最新の等級情報は、公益社団法人ハウスクリーニング協会のホームページでご確認ください。
ビルクリーニング技能士の試験
ビルクリーニング技能士の試験は、学科試験と実技試験があり、それぞれ勉強方法は異なります。学科は過去問を中心に勉強するとよいでしょう。ハウスクリーニング技能士の学科試験は、全50問がマークシート方式で出題されます。一方、実技試験では、弾性床表面洗浄作業、繊維系床部分洗浄作業、ガラス面洗浄作業、トイレ定期清掃作業などの実技問題を決められた時間内で終わらせます。
1級 | 2級 | 3級 | 基礎級 | |
受検資格 | 実務経験5年以上 | 実務経験2年以上 | 実務経験なし(BM業に従事しようとする者含む) | 技能実習1号の期間の4分の3程度を経過した者 ※外国人技能実習生のみ |
取得後 | 2級合格後(1年)3級合格後(3年) | 3級合格後(0年) | ||
試験範囲 | 日常清掃作業 中間清掃作業 定期清掃作業 臨時清掃作業 建物用途別清掃作業 *仕様(契約)に基づく作業計画の作成 | 日常清掃作業 中間清掃作業 定期清掃作業 臨時清掃作業 建物用途別清掃作業 *作業計画に基づく作業手順の作成 | 日常清掃作業 定期清掃作業 *作業手順に基づく作業の実施 *トイレ定期清掃は除く | 基本作業: 器具の使い方及びそれを取得するための各種清掃作業の補助 *具体的な指示に基づく作業手順の実施 |
合格証書 | 厚生労働大臣 | (公社)全国ビルメンテンス協会 | ||
学科試験 | 真偽法25問+択一法25問 | 真偽法25問+択一法25問 | 真偽法25問 | 真偽法25問 |
実技試験 | 1.弾性床表面清掃作業 2.繊維系床部分清掃作業 3.壁面洗浄作業 4.実技ペーパーテスト | 1.弾性床スプレーバフ作業 2.トイレ定期清掃作業 3.繊維系床汚れ取り作業 4.実技ペーパーテスト | 1.弾性床ドライバフ作業 2.ガラス面洗浄作業 3.トイレ日常清掃作業 | 1.器具の使い方 2.シーツの扱い方 |
受検手数料 | 実技 20,000円 学科 3,700円 | 実技 18,000円 学科 3,500円 | 実技 15,000円 学科 3,000円 | 実技 15,000円 学科 3,000円 |
最新の試験情報は、公益社団法人ハウスクリーニング協会のホームページでご確認ください。