コラム

【ブラジルの大学ランキング2023】人気大学と就職事情を解説

ブラジル出身者の採用および選考プロセスにおいて、「ブラジルの学歴は!?」「この大学の評判は!?」「この教育機関の学位は大学と同等!?」など、疑問を抱えることはありませんか?

この記事では、このような疑問を抱える人事および採用担当者の方々に向けて、ブラジルの大学ランキング、教育制度、ブラジル人の就職事情に関する情報を紹介しています。

目次

ブラジルの基本情報

ブラジルの大学ランキングや就職事情の前に、まずは、ブラジルという国の基本情報を見ていきましょう。

ブラジルは南アメリカ大陸の東部に位置し、大西洋に面しています。国土面積は約8,515,767平方キロメートルに及び、世界で5番目に広い国です。首都はブラジリアで、1956年に建設された現代的な都市です。ブラジルの人口は約2億人以上で、多様な民族が共存しており、ポルトガル語が公用語として話されています。

政治と経済

政治面では、ブラジルは連邦共和制を採用しており、大統領制が運用されています。国会は上院と下院から成り立っており、各州には州知事がいます。

経済は新興市場国として位置づけられ、農業、鉱業、製造業、サービス業が主要なセクターです。大豆、サトウキビ、コーヒー、鉄鉱石などが主要な輸出品です。

環境と文化

自然環境において、ブラジルは世界的に重要なアマゾン熱帯雨林を保有しており、多くの固有種を守っていますが、森林伐採や環境問題が存在します。美しい自然環境にはイグアスの滝やパンタナール湿地などがあります。

文化面では、ブラジルは多様な文化が融合した国で、音楽、ダンス、料理が豊かです。サンバ、ボサノヴァ、フォロ、アクセスなどの音楽ジャンルが国際的に有名で、カーニバルは大規模な祭りとして知られています。

観光

観光名所も豊富で、クリスタル山、イグアスの滝、アマゾン川クルーズなどがあり、世界中から観光客が訪れます。しかし、社会的課題も存在し、貧困層と富裕層の格差が大きく、犯罪や治安の問題、教育や医療への課題があります。環境問題も重要で、アマゾン熱帯雨林の保護や持続可能な開発が取り組まれています。ブラジルはその多様性と魅力的な文化、自然環境を持つ国であり、経済や社会の発展に向けた取り組みが続けられています。

ブラジルの教育制度の特徴

ここからは、一般的なブラジルの教育制度の特徴についてみていきましょう。

学校年度と入学年度

ブラジルの学年暦は通常、2月から12月までの10か月間です。このため、ブラジルの学生は通常、2月に新学年に進学します。この学年暦は南半球に位置するブラジルの気候に合わせたもので、夏休みが12月から1月にかけてあります。

就学前教育(3歳から6歳)

就学前教育は、3歳未満の幼児を対象にする保育センター(Creche)と、4歳から6歳までの幼児を受け入れる幼稚園(Educação Infantil)が提供されています。2008年時点で、就学前教育の在籍率は65%で、幼児の教育と両親の就業を両立させるために重要なサービスです。

義務教育(6歳から15歳)

ブラジルの義務教育は、6歳から15歳までの児童・生徒が対象で、9年間の教育を受けることが義務化されています。これに基づき、小学校から中学校に相当する「基礎教育」(Ensino Fundamental)が提供されます。

初等教育・前期中等教育(9年間)

初等教育は6歳から始まり、前期5年間(第1〜5学年)と後期4年間(第6〜9学年)の2つの段階から成り立っています。これらの段階は通常、異なる学校で提供されますが、同じ学校で提供される場合もあります。この段階で基本的な学習スキルを習得し、リーディング、ライティング、算数などが重要なカリキュラムです。

中等教育(3年間または4年間)

中等教育は高校に相当し、後期中等教育は普通科(3年間)と職業科(3または4年間)のコースで提供されます。中等教育修了証または中等技術・職業教育修了証を取得することができ、学生は将来の進路に合わせて選択肢を持っています。

高等教育

高等教育は大学で提供され、大学進学には中等教育全国試験や個別入試が実施されます。大学では、学士課程(4〜6年)、修士課程(通常2年)、博士課程(4年)などが提供され、学問の専門性を高めるためのプログラムも充実しています。高等教育へのアクセスは一部制約があり、進学率は相対的に低いですが、政府はアクセス向上を目指してさまざまな支援策を講じています。

教育行政

ブラジルの教育制度は、教育省が中心となり、全国教育審議会と連携して国の教育政策を策定し、各レベルの学校制度に関する支援を提供しています。州は初等・中等教育の実施に責任を負い、市は主に就学前及び初等教育の実施に関与しています。教育省はさまざまな教育プログラムや政策を実施し、教育の質とアクセスを向上させるために取り組んでいます。

ブラジルと日本の教育制度の共通点

ブラジルと日本の教育制度にはいくつかの共通点があります。ここからは、その共通点について詳しく紹介していきます。

義務教育制

ブラジルと日本の両国は、義務教育制度を採用しています。これは、一定の年齢層の児童・生徒が学校に通うことが法律で義務付けられている制度です。しかし、詳細な年齢要件や義務教育の期間には差異があります。

高等教育機関

ブラジルと日本の両国には、高等教育機関が存在し、大学や専門学校などが学士課程、修士課程、博士課程を提供しています。高等教育は専門知識を深めるための機会を提供しており、学術研究や職業教育に役立ちます。

ブラジルと日本の教育制度の違い

ブラジルと日本の教育制度は、共通点もありますが、文化や社会的背景に応じて異なる特徴を持っています。ここからは、その違いを紹介していきます。

学年暦

ブラジルの学年暦は2月から12月までの10か月間であり、日本の学年暦は4月から3月までの1年間です。この違いにより、入学年度や休暇期間が異なります。

義務教育の年齢層

ブラジルの義務教育は6歳から15歳までの9年間です。
日本の義務教育は小学校(6歳から12歳までの6年間)と中学校(13歳から15歳までの3年間)から成ります。年齢層と教育期間が異なります。

中等教育の制度

ブラジルの中等教育は高校に相当し、普通科(3年間)と職業科(3または4年間)のコースが提供されます。
対照的に、日本の中等教育は高校のみであり、3年間のカリキュラムが一般的です。

大学進学率

ブラジルの大学進学率は比較的低く、2009年時点で36%であるのに対し、日本の大学進学率は高く、2019年時点で58.1%です。
日本では大学進学が一般的であり、多くの学生が大学に進学します。

教育制度の組織

日本の教育制度は中央省庁である文部科学省が統括しており、学校教育のカリキュラムや評価基準を統一的に指導しています。ブラジルの教育制度は州と連邦区が教育を管理し、教育政策において州ごとに差異があることがあります。

ブラジルの大学ランキング(TOP20)

異なるランキングソースのデータを参考にして、ブラジルの大学を総合的に評価した「YOLO WORK」独自のブラジル大学ランキングを紹介していきます。

1位:サンパウロ大学 (University of São Paulo)
2位:カンピーナス州立大学 (Universidade Estadual de Campinas – Unicamp)
3位:リオデジャネイロ連邦大学 (Universidade Federal do Rio de Janeiro)
4位:サンパウロ連邦大学 (Universidade Federal de São Paulo)
5位:ミナスジェライス連邦大学 (Universidade Federal de Minas Gerais)
6位:サンタカタリーナ大学 (Universidade Federal de Santa Catarina)
7位:パラナ連邦大学 (Universidade Federal do Paraná)
8位:サンパウロ州立大学(ユネスプ) (Universidade Estadual Paulista Júlio de Mesquita Filho)
9位:サンカルロス連邦大学 (Universidade Federal de São Carlos – UFSCar)
10位:パラナ連邦工業大学 (Universidade Tecnológica Federal do Paraná – UTFPR)
11位:リオグランデドスル大学連邦大学 (Universidade Federal do Rio Grande do Sul – UFRGS)
12位:ペルナンブコ国立大学 (Universidade Federal de Pernambuco – UFPE)
13位:ポンティフィシア大学カトリカドリオデジャネイロ (Pontifícia Universidade Católica do Rio de Janeiro – PUC-Rio)
14位:ブラジリア大学 (University of Brasília – UnB)
15位:ヴィソーザ連邦大学 (Universidade Federal de Viçosa – UFV)
16位:リオグランデドノルテ大学 (Universidade Federal do Rio Grande do Norte – UFRN)
17位:パラナ連邦大学-UFPR (Universidade Federal do Paraná – UFPR)
18位:イタジュバ連邦大学 (Universidade Federal de Itajubá – UNIFEI)
19位:エスピリトサント大学 (Universidade Federal do Espírito Santo)
20位:リオデジャネイロ州立大学 (Universidade do Estado do Rio de Janeiro – UERJ)

それでは、ここからは各大学の特徴を簡単に紹介していきます。

1位:サンパウロ大学 (University of São Paulo)

サンパウロ大学はブラジル最大の大学で、1950年に設立されました。そのキャンパスはサンパウロ州内に複数あり、非常に広大な面積を持つことが特徴です。サンパウロ大学は、幅広い専攻分野と高品質な教育プログラムを提供しており、特に医学、工学、人文科学、社会科学、自然科学などがその評価の高い分野です。国際的な評判が高く、多くの国際的な研究プロジェクトに参加しています。

2位:カンピーナス州立大学 (Universidade Estadual de Campinas – Unicamp)

カンピーナス州立大学は、ブラジルで最も優れた公立大学の1つとされ、1966年に設立されました。この大学は、サンパウロ州カンピーナスに位置し、科学技術分野において特に優れた評価を受けています。高度な研究プログラムや国際的な交流プログラムが充実しており、卓越した研究者を多く輩出しています。

3位:リオデジャネイロ連邦大学 (Universidade Federal do Rio de Janeiro)

リオデジャネイロ連邦大学は、ブラジルのリオデジャネイロに位置し、1920年に設立されました。この大学は、多くの専攻分野で高品質な教育と研究を提供しており、自然科学、芸術、文化、環境に関連する研究が盛んです。リオデジャネイロ連邦大学は、国内外で高い評価を受け、学際的なアプローチを重視しています。

4位:サンパウロ連邦大学 (Universidade Federal de São Paulo)

サンパウロ連邦大学は、医学分野で非常に評価が高い大学で、1933年に設立されました。この大学は医学以外にも心理学、看護学、健康科学などの医療関連分野で優れた教育を提供しています。また、研究の分野でも高い成果を上げており、国内外で尊敬されています。

5位:ミナスジェライス連邦大学 (Universidade Federal de Minas Gerais)

ミナスジェライス連邦大学は、1927年に設立され、幅広い専攻分野と高品質な教育を提供しています。特に人文科学、工学、生命科学分野で優れた評価を受けており、多くの卓越した研究プログラムが展開されています。

6位:サンタカタリーナ大学 (Universidade Federal de Santa Catarina)

サンタカタリーナ大学は、ブラジルの南部に位置し、海洋科学、農業科学、環境科学などを含む多くの分野で優れた教育と研究を提供しています。特に海洋環境に焦点を当てた研究が盛んです。

7位:パラナ連邦大学 (Universidade Federal do Paraná)

パラナ連邦大学は、ブラジルで最も古い大学の1つで、1912年に設立されました。多くの分野で高品質なプログラムを提供しており、工学や自然科学が強みです。また、豊かな文化的背景も持っています。

8位:サンパウロ州立大学(ユネスプ) (Universidade Estadual Paulista Júlio de Mesquita Filho)

サンパウロ州立大学(ユネスプ)は、幅広い専攻分野と多くのキャンパスを有しています。高品質な教育と研究プログラムが展開されており、多くの学生と研究者が活躍しています。

9位:サンカルロス連邦大学 (Universidade Federal de São Carlos – UFSCar)

サンカルロス連邦大学は、工学、自然科学、人文科学、社会科学、健康科学などの分野で高い評価を受けています。研究と教育において高い水準を維持し、学際的なアプローチを奨励しています。

10位:パラナ連邦工業大学 (Universidade Tecnológica Federal do Paraná – UTFPR)

パラナ連邦工業大学は工学、技術、科学分野に特化しており、産業界との連携が強化されています。高度な技術とイノベーションを重視し、学生に実践的なスキルを提供しています。

11位:リオグランデドスル大学連邦大学 (Universidade Federal do Rio Grande do Sul – UFRGS)

リオグランデドスル大学連邦大学(UFRGS)は、ブラジルの南部、リオグランデドスル州に位置する、1900年に設立された大学です。この大学は、幅広い分野で高品質な教育プログラムを提供しており、特に工学分野において評価が高いです。UFRGSは、その研究活動においても卓越性を持ち、多くの国際的な研究プロジェクトに積極的に参加しています。

12位:ペルナンブコ国立大学 (Universidade Federal de Pernambuco – UFPE)

ペルナンブコ国立大学(UFPE)は、ブラジルの北東部、ペルナンブコ州に位置する大学で、1946年に設立されました。この大学は医学、工学、社会科学分野で高い評価を受け、ブラジル北東部で最も重要な研究機関の一つとされています。UFPEは多くの研究センターや国際的な協力プログラムを運営し、学際的な研究を奨励しています。

13位:ポンティフィシア大学カトリカドリオデジャネイロ (Pontifícia Universidade Católica do Rio de Janeiro – PUC-Rio)

ポンティフィシア大学カトリカドリオデジャネイロ(PUC-Rio)は、リオデジャネイロに位置し、1940年に設立されました。このカトリック系の私立大学は、高品質な教育を提供することで知られています。PUC-Rioは、社会科学、芸術、コミュニケーション、法律などの分野で優れたプログラムを提供し、国際的な交流が盛んです。

14位:ブラジリア大学 (University of Brasília – UnB)

ブラジリア大学(UnB)は、首都ブラジリアに位置し、1962年に設立されました。政治学、環境科学、社会科学などの分野で高い評価を受けており、ブラジル政府や国際機関と連携したプロジェクトが多数展開されています。

15位:ヴィソーザ連邦大学 (Universidade Federal de Viçosa – UFV)

ヴィソーザ連邦大学(UFV)はミナスジェライス州に位置し、1926年に設立されました。農業科学、生命科学、環境保護などの分野で高い評価を受けており、ブラジル内外から多くの学生が集まります。

16位:リオグランデドノルテ大学 (Universidade Federal do Rio Grande do Norte – UFRN)

リオグランデドノルテ大学(UFRN)は、北東部のリオグランデドノルテ州に位置し、1958年に設立されました。自然科学、工学、教育学などの分野で高品質なプログラムを提供しており、環境保護にも力を入れています。

17位:パラナ連邦大学-UFPR (Universidade Federal do Paraná – UFPR)

パラナ連邦大学(UFPR)は、1912年に設立され、パラナ州に位置しています。工学、自然科学、社会科学分野で高品質な教育を提供し、多くの研究機関と連携しています。

18位:イタジュバ連邦大学 (Universidade Federal de Itajubá – UNIFEI)

イタジュバ連邦大学(UNIFEI)は、ミナスジェライス州に位置し、1913年に設立されました。工学と技術分野に焦点を当て、イノベーションと産業界との連携が強調されています。

19位:エスピリトサント大学 (Universidade Federal do Espírito Santo)

エスピリトサント大学(UFES)は東部のエスピリトサント州に位置し、1954年に設立されました。環境科学、人文科学、生命科学などの分野で高品質な教育を提供し、地域社会に貢献しています。

20位:リオデジャネイロ州立大学 (Universidade do Estado do Rio de Janeiro – UERJ)

リオデジャネイロ州立大学(UERJ)はリオデジャネイロに位置し、1950年に設立されました。社会科学、文化研究、芸術などの分野で高い評価を受けており、文化的多様性を尊重したプログラムが提供されています。

ブラジルの就職事情

最後は、ブラジルの就職事情について、紹介していきます。

雇用市場の特徴

ブラジルは人口の多い国であり、多様な産業が存在します。主要な産業には農業、鉱業、製造業、サービス業、情報技術、エネルギー、観光業などが含まれます。雇用市場はこれらの産業に依存しており、各分野で異なる雇用機会が提供されています。

雇用機会の地域差

ブラジルの地域によって雇用機会に差があります。大都市圏、特にサンパウロ、リオデジャネイロ、ブラジリアなどの都市では多くの雇用機会があり、多国籍企業や国内企業の本社や支社が存在します。一方、内陸部や地方地域では需要が限られていることがあり、雇用機会が制約されることがあります。

教育と資格

ブラジルでは教育と資格が雇用において重要な役割を果たします。高等教育機関や専門学校での学位や認定資格は、就職競争において優位性を提供します。特に工学、医療、IT分野では専門的な資格が求められることが多いです。

給与

給与は職種や経験によって大きく異なります。高度な技術職や専門職の給与は一般的に高い水準にあり、大都市圏での給与水準は他地域に比べて高い傾向があります。ただし、最低賃金も設定されており、最低賃金未満の賃金は違法です。

労働時間と休暇

ブラジルでは週40時間が一般的な労働時間ですが、残業が必要な場合は追加賃金が支給されます。労働法に基づき、従業員には有給休暇が与えられます。

雇用の安定性

ブラジルの経済は時折不安定であり、失業率やインフレーションが変動することがあります。雇用の安定性は経済の変動に左右されやすいため、キャリアプランニングと貯蓄の重要性が高まります。

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