コラム

難民とは?迫害や紛争から逃れる人々の現実と国際社会の取り組み

難民問題は、現代の世界における重要な人道問題の一つです。迫害や紛争などの原因によって故郷を離れ、新たな生活を求めて移動する人々が増え続けています。国際社会では、彼らを保護するためにさまざまな取り組みがなされています。本稿では、難民とは何か、難民になる人々の実態、国際社会における難民保護の歴史と現状、そして日本における難民の状況について、概観していきます。

難民とはどういった人なのかと、その実態

そもそも難民とは何か

難民とは、迫害や紛争などの理由で故郷を離れ、国外に避難し、そこで保護を求める人々のことを指します。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、難民を以下のように定義しています。「自国で迫害や紛争、暴力などの脅威にさらされ、生命、自由、人権を守ることができない者が、国外に逃れ、自分たちの安全を確保することを余儀なくされた者」です。

難民になる人々の実態について

難民になる人々は、さまざまな背景を持っています。戦争や内戦、民族間の紛争、政治的迫害、人種差別、宗教的な迫害などによって、彼らは自分たちの生命や自由を守ることができず、故郷を離れることを余儀なくされます。さらに、自然災害や環境変動によっても、移動を余儀なくされる人々がいます。

国際社会における難民保護の歴史と現状について

国際社会では、難民の保護や支援に向けた取り組みが進められています。1949年に採択されたジュネーブ難民条約をはじめとする国際法に基づき、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が設置され、難民の保護・支援活動が行われるようになりました。また、国際社会においては、難民に対する教育や医療、食糧・水などの物資支援、再定住の支援など、多角的な支援が必要であることが認識され、多数の支援団体やNGOが活動しています。

しかし、現在の国際社会における難民保護の状況は決して良好とは言えません。世界中で難民の数は年々増加しており、2021年末時点で故郷を追われた人の数は約8930万人(89,312,000人)。これだけ多くの人々が難民として避難生活を余儀なくされています。紛争が長期化する中東やアフリカをはじめ、アジアや中南米など世界各地で、多数の人々が難民として避難する状況が続いているのです。

そんな中、紛争や迫害等により故郷を追われた人々を国際的に保護・支援し、難民問題の解決へ向けた活動を行うUNHCRの支援対象者は約9470万人(94,666,000人)*となり、過去最高だった前年をさらに更新。

参照元:UNHCRの難民支援 出展:Global Report 2021

シリアや南スーダン、ベネズエラ、そしてロヒンギャ難民危機、長期化する紛争や迫害により多くの難民・国内避難民等が長期に渡り故郷を追われている中、2021年8月以降のアフガニスタンでの情勢悪化、ミャンマーでの混乱等、新たな危機がぼっ発し、さらに多くの人々が避難を強いられました。

迫害や紛争のため世界で増え続ける難民の保護の歴史を知る

日本に来ている難民の数について

世界的に見ると、難民の数は過去最高を記録しており、国際社会はその受け入れに取り組んでいます。国連難民高等弁務官事務所によると、2021年には世界中で約8200万人が強制的に避難を余儀なくされています。このうち、難民として認定された人々は2520万人であり、残りは国内避難民や帰還難民などです。

参照元:日本難民支援機構(日本の難民認定はなぜ少ないか?-制度面の課題から) 出展:UNHCR Refugee Data Finder, 法務省発表資料

一方、日本は難民受け入れにおいて、世界的に見て低い水準を維持しています。2021年には、日本における難民申請数は2,430件であり、そのうち認定された難民は47人にとどまっています。日本の難民認定率は、国際的に見ても低く、改善が求められています。

なぜこんなにも難民が少ないのか

日本の難民認定率が低い背景には、さまざまな問題があります。一つには、難民申請の手続きが煩雑であることが挙げられます。また、日本国内には多くの難民申請者が滞在するための施設が不足していることも問題となっています。さらに、難民申請者の受け入れに対する国民意識の低さや、多文化共生に対する理解の不足なども、問題となっています。日本の難民認定率が低い要因などについてはこちらの記事をご覧ください。

難民支援団体やNGOの活動について

現在、難民支援に取り組んでいる団体やNGOは数多く存在します。これらの団体は、難民の受け入れ支援や保護、教育や医療などのサポート、政府や国際機関に対する提言など、多岐にわたる活動を行っています。

たとえば、国際的に活躍する難民支援団体には、国境なき医師団や国際赤十字、国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)などがあります。これらの団体は、難民キャンプでの医療支援や、物資の提供、教育支援などを行っています。また、地域に根ざしたNGOも多数存在し、現地の難民支援や、政策提言などを行っています。

活動内容などは団体によって異なりますが、難民支援団体やNGOは、難民が抱える様々な問題に対して、適切なサポートを行っています。これらの団体が行う活動は、難民の人権保護や生活支援、政策提言などに向けられており、難民の生活を改善するために欠かせないものとなっています。

難民を支援する団体やNGOの活動について

難民支援のために個人ができることについて

一方で、難民支援には個人の支援も欠かせません。具体的な支援方法としては、以下のようなものが挙げられます。

寄付

寄付は、難民支援に最も身近な方法の一つです。団体やNGOに直接寄付をすることで、難民支援のための活動資金となります。また、物資の寄付も行われており、古着や毛布、食料などが必要とされています。以下に寄付ができる主な団体の名前とリンクを添付しておきます。

ボランティア活動

ボランティア活動は、個人でもできる難民支援の一つです。NGOなどが主催する活動に参加することで、難民の生活改善に寄与することができます。具体的には、衣料や食料の配布、教育支援、生活環境の整備などが行われています。

以下に難民への募金やボランティアができる機関とウェブサイトを添付します。

国際協力NGOアムネスティ・インターナショナル

  • ウェブサイト
  • アムネスティ・インターナショナルは、世界中の人々の人権を守るために活動するNGOです。難民支援の活動も行っており、寄付を通じて支援ができます。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

  • ウェブサイト
  • UNHCRは、世界中で紛争や迫害によって追われた人々を保護するために活動している団体です。難民の生活や支援のために寄付を募っています。

国境なき医師団(MSF)

  • ウェブサイト
  • 国境なき医師団は、戦争や紛争、災害によって苦しむ人々に医療支援を提供している団体です。難民支援にも取り組んでおり、寄付を通じて支援ができます。

上記の団体は、難民支援に取り組んでいる有名な団体の一部です。他にも多くの団体がありますので、お好みの団体を選んで寄付していただければと思います。

政治的な関心・声援

難民問題は国際的な問題であり、個人でも意識を高め、関心を持つことができます。また、政治的な意思決定にも関わることができます。議員への直接の要望や署名、請願活動などが、個人の声援として有効な手段となります。

問題意識の啓発

難民支援には、広く人々の関心を集める必要があります。そのためにも、個人で情報を収集し、問題意識を高めることが大切です。自分自身で情報を得ることができるメディアが多様化しているため、情報発信による問題意識の啓発も重要です。

以上のように、難民支援には様々な方法があります。個人ができることについても、多様な方法がありますので、自分に合った支援方法を見つけ、できる範囲で積極的に支援していくことが求められます。

まとめ

迫害や紛争によって故郷を離れ、新たな生活を求める難民問題は、国際社会における重要な人道問題の一つです。世界中で難民の数は年々増加しており、多数の支援団体やNGOが活動していますが、現在の状況は決して良好とは言えません。日本においても、難民問題は深刻な課題となっており、難民申請の手続きの煩雑さや施設不足、国民意識の低さや多文化共生に対する理解の不足などが挙げられます。しかし、難民支援団体やNGOが活動する中で、多くの人々の命を救うことができています。個人でもできることはあります。少しでも関心を持って、情報を得て、自分なりの支援活動を行うことが大切です。私たちは、共に難民支援に取り組み、世界中の人々が安心して生活できる社会を目指すべきです。

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