コラム

インドネシア人採用で知っておきたいこと!文化的特徴や仕事観の違いとは

人手不足を解消するため、一部の企業や団体は外国人労働者の採用を検討しています。外国人労働者を雇用する際に留意すべきなのは、日本人とは仕事に対するアプローチや価値観が異なるという点です。この理解が欠けると、外国人労働者が働きやすい職場環境を整えることが難しくなるかもしれません。この記事では、特にインドネシアと日本の労働観の違いに焦点を当て、詳しく説明していきます。

インドネシアの国としての特徴

インドネシアは東南アジアに位置し、多くの島で構成された国です。世界で最も人口の多い国の一つであり、多様な民族、文化、宗教が共存しています。以下にインドネシアの主な特徴を挙げていきます。

人口

インドネシアは、世界で人口の多い国の一つとして知られています。2020年時点で、インドネシアの人口は約2.7億人です。

面積・地理

インドネシアは、1万以上の島でできた大きな国で、国土面積は約192万平方キロメートルです。そのため、広大な領土を持ち、熱帯雨林や山脈、海岸線などさまざまな地形が広がっています。日本と比べると、日本の約5倍の国土をもっています。

首都

インドネシアの首都はジャカルタ(Jakarta)です。ジャカルタは政治、経済、文化の中心地であり、人口の多い大都市として知られています。2020年時点で、ジャカルタの人口は、1,056万人です。

言語

インドネシアの公用語は「インドネシア語」(Bahasa Indonesia)です。 インドネシア語は、植民地時代にオランダ領東インド(現在のインドネシア)で使用されていた商業言語や対話言語から発展しました。独立運動の中で国民統合のための共通言語として選ばれ、1945年にインドネシアが独立を宣言した際に公用語とされました。インドネシアの学校教育では、インドネシア語が主要な教育言語として教えられます。学校で基本的なコミュニケーションスキルや読み書きが教えられます。

民族・宗教

インドネシアの民族は多様で、約300の異なるグループが存在します。ジャワ人、スンダ人、マドゥーラ人などのマレー系や、パプア人などのメラネシア系、さらに中華系、アラブ系、インド系などが含まれます。宗教構成は、イスラム教が全体の86.69%を占め、キリスト教が10.72%です(プロテスタントが7.60%、カトリックが3.12%)。また、ヒンズー教が1.74%、仏教が0.77%、儒教が0.03%、その他が0.04%となっています。

(参考)インドネシア基礎データ|外務省

インドネシア人の文化的な特徴や性格について

インドネシア人の文化的な特徴や性格についていくつか紹介します。

寛容と友好

インドネシア人は寛容で友好的な性格が一般的です。他人との調和を大切にし、穏やかな態度で接します。

共同体意識

家族やコミュニティの絆が強く、共同体での協力やサポートを重要視します。共同体の利益を尊重し、問題解決に協力する姿勢が特徴です。

遠回しなコミュニケーション

直接的な表現よりも遠回しにコミュニケーションすることが多いです。他人の気持ちを尊重し、感情を害することなく意見を伝える傾向があります。

笑顔と明るさ

インドネシア人は笑顔で明るく、ポジティブな姿勢を持つことが多いです。日常生活での喜びや楽しみを大切にし、周囲に明るい雰囲気をもたらします。

インドネシアと日本では仕事観にどのような違いがある?

採用ポイント①インドネシアはジョブホッパー文化が根付いている

インドネシアには、「Kutu Loncat(クトゥ・ロンチャット)」という言葉があります。これはインドネシア語で「ノミ」を表す言葉ですが、「職場を転々とする者」という意味もあり、インドネシアの労働文化を表現する時に使われます。インドネシアは、ジョブホッパー文化が根付いている国です。なぜ転職する人が多いのかというと、会社に対する帰属意識がそれほど高くないためです。

日本では一般的に会社に対して高い忠誠心を持つ傾向がありますが、インドネシアでは会社ではなく上司に対しての忠誠心が高い傾向があります。会社に帰属するという概念があまりなく、1つの会社に固執する必要はないと考える人が多いため、転職文化が根付いているというわけです。また、何か会社に不満があるのであれば、我慢して働き続けるよりも、転職してキャリアアップしたほうが得策だと考える人が多いというのも、転職率が高い理由の1つです。

日本も昔に比べれば転職することに抵抗がない人が増えていますが、世界的に見ればまだまだ転職率はそれほど高くありません。すべてのインドネシア人が転職するのが当たり前と考えているわけではありませんが、日本とは転職に対する考え方が違うという点は理解しておいたほうがよいでしょう。

採用ポイント②残業に対する日本の考え方との違い

日本では、残業するのが当たり前という考え方が珍しくありませんでした。ブラック企業やサービス残業が問題になったこともあり、残業に対してマイナスイメージを持つ人も多くなっていますが、他の国に比べればまだまだ労働意欲が高い国民性であると言えるでしょう。一方、インドネシアは残業しないのが基本という考えの国です。

雇用契約書に書かれた範囲内で仕事をするという意識が強く、労働時間外に積極的に働こうと考える人はあまりいません。特に無給で働くという意識がないため、サービス残業をする人はほぼいないと思っておいたほうがよいでしょう。日本人は「他の人が働いているのに自分だけ帰るのは申し訳ない」、「会社のためならサービス残業することも仕方ない」と考える人もいますが、インドネシア人にそういう考えは通用しません。

採用ポイント③インドネシア人は仕事で怒られることに慣れていない

仕事で何か失敗をした時、上司や先輩、取引先から怒られたことがある人もいるでしょう。しかし、インドネシアには仕事で怒られる文化がありません。インドネシアでは、人前で誰かを怒鳴ったり注意したりすることはご法度とされています。仕事上で何か問題があった時は、個別で指導するのが基本です。インドネシア人の社員に対しては、感情を出さず何が悪かったのかを冷静に説明する必要があります。

採用ポイント④インドネシア人は仕事とプライベートを分ける意識があまりない

日本人とインドネシア人の仕事観の違いの1つが、仕事とプライベートの分け方です。日本人は時間をしっかり守ることでも知られています。出社時間を守るのは当たり前ですし、仕事中と休憩時間をきっちり分けて働く人が多いです。しかし、インドネシア人は仕事とプライベートの時間をあまり分けません。勤務中であっても周りの人とおしゃべりをしたり、私用で出かけたり、仕事とプライベートを切り分けられない人もいます。

日本人ばかりの職場に慣れていると驚くかもしれませんが、インドネシアの国民性としてある程度は受け入れる必要があるでしょう。日本人の働き方に合わせようとすると、仕事に対するモチベーションが下がってしまう恐れがあるため、無理に矯正するのはよくありません。日本人とインドネシア人が持つ仕事観の違いを理解して、ストレスなく働いてもらえるような職場環境を作ることが大切です。

採用ポイント⑤仕事とプライベートの優先度の違い

ワークライフバランスという言葉がよく使われるようになり、日本でも仕事とプライベートのバランスを考えることが大切という意識が強まっています。しかし、まだまだプライベートより仕事を優先させるのが当たり前という考え方の人は多いです。インドネシア人は仕事よりも家族やプライベートのほうが大切という考え方が一般的です。家族が病気になったら仕事を休んで看病する、プライベートで何かイベント事がある時はそちらを優先する、こういった考えを持つ人が多くいます。

まとめ

インドネシア人採用

インドネシアは、日本とは文化や仕事観が大きく違います。初めてインドネシア人を採用した時、仕事に対する考え方や取り組み方の違いに戸惑うかもしれません。しかし、無理に日本人の考え方や働き方を押し付けるのはよくありません。まずは、相手の国の文化や仕事観を理解して、お互いに寄り添う気持ちを持つことが大切です。

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