この記事では、日本政府が外国人労働者の特定技能受け入れ枠を大幅に拡大する閣議決定について詳しく紹介していきます。
政府が閣議で、外国人労働者の特定技能受け入れの枠組みを拡大することを決定しました。2024年度からの5年間での受け入れ上限は、これまでの2倍超となる82万人に設定され、新たに自動車運送業や鉄道など4つの分野が追加されます。特定技能の需要が高まり、人手不足が深刻化している多くの分野で、外国人労働者が不可欠な存在となっています。
この閣議決定に伴い、特定技能制度の基本方針などが改定され、受け入れ企業の責務が明確化されました。外国人の安定した在留活動と地域社会での共生を促進することが重視されています。
政府は閣議前に外国人受け入れに関する関係閣僚会議を開き、地域住民の不安を考慮した企業の責務について議論しました。
特定技能制度は、人手不足が深刻な分野に限り、一定の専門性を持つ外国人労働者を受け入れる制度です。この制度は2019年に始まり、現在約20万人が活動しています。受け入れ枠の上限は業界ごとに計算され、人材確保と生産性向上の努力で解決できる分が除外されます。
介護や飲食料品製造業などの既存分野も大幅に受け入れ数が増えており、2019年当初に設定した人数と比べ、介護は6万人から13万5,000人に、飲食料品製造業は3万4,000人から13万9,000人に受け入れ枠をそれぞれ拡大します。
新たに追加される分野では、受け入れ体制の整備が必要です。たとえば、運転手や車掌業務では安全管理やコミュニケーション能力が求められます。また、バスやタクシーの運転士は事故対応や高齢者、車椅子の乗客への対応も含めた試験を受ける必要があります。
求める日本語能力も他の分野より厳しい日本語能力試験N3以上を求めることとしており、試験に合格して入国後、必要になる免許の取得などのために最長1年間の研修期間を設けるなどの要件があります。
今後は、各省庁で法令や試験の作成などの作業が進められ、技能実習からの移行や海外での試験受験などの方法で、外国人労働者の受け入れが始まる見通しです。
(参考)特定技能の外国人、5年で82万人に拡大 政府が閣議決定 – 日本経済新聞
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