日本では、途上国からの外国人労働者を支援するために「技能実習制度」が設けられています。この制度は、日本の技術や知識を途上国に伝える国際貢献を目的とし、外国人労働者が最長5年間、日本の職場で技術を学ぶことができます。今回は能登地震の影響により職場で戻ることができなくなった技能実習生や特定技能を持つ外国人に対して政府がおこなっている緊急処置について解説しています。
技能実習に関する内容は、こちらの記事をご覧ください。
2024.01.30
【技能実習生とは?】種類の違いや受け入れ方法について徹底解説!
「外国人材の採用を考えているが、技能実習生を受け入れる方法がわからない」など技能実習生の制度が複雑で悩んでいる方は多いでしょう。 この記事では技能実習生の制度や受け入れ方法、注意点について解説しています。 簡単にいうと技能実習生とは、母国の経済発展のために一定期間日本で就労しながら技術...
能登半島地震によって、石川県内で技能実習を行っていた外国人労働者の中には、就労が困難になった人々がいます。この状況に対応するため、出入国在留管理庁は特別措置を講じ、外国人労働者が別の職場で働けるようにする「資格外活動許可」を付与しました。
対象は、以下の内容に当てはまる外国人です。
・災害救助法が適用される新潟、富山、石川、福井4県の47市町村に住んでいる
・技能実習や特定技能などの資格を持っている
石川県内には昨年6月末の時点で4,637人の技能実習生と2,019人の特定技能外国人が登録されており、彼らは地元の漁業や縫製工場などで働いています。新措置により、これらの労働者は1日8時間以内の勤務を条件に「資格外活動許可」を与えられ、新たな職場での就労が可能となり、3ヶ月間の就労許可が与えられることになりました。また、更なる必要があれば、許可の延長も検討されるとのことです。
政府は技能実習制度を発展させ、「人材確保・育成」を目的とする新制度「育成就労」の創設を昨年11月に提案しており、技能実習制度の改善に取り組んでいます。
2023.10.18
「技能実習制度」見直し!「育成技能」で制度改革
新たな「育成技能」制度に向けて、外国人労働者と日本企業にとって待望の変革が動き出します。これまでの「技能実習制度」は「現代の奴隷制度」とまで言われ、批判が絶えませんでしたが、政府の有識者会議が最終報告書案をまとめ、新しい制度への移行を提案しています。 この記事では、「技能実習制度」の廃止から...
(参考)能登地震被災の外国人実習生、特例で別の職場で就労可能に 石川県内に4600人登録‐産経新聞
能登半島地震により就労が難しくなった外国人労働者にとって、今回の救済措置は大変心強い支援となるでしょう。こうした緊急時における日本の迅速かつ適切な対応は、外国人労働者にとって日本を移住地に選ぶ上で、重要な理由の一つとなることでしょう。