慢性的な人手不足が続く日本。対策を迫られる企業が注目するのは「外国人材」を活用した人材計画です。2020年以降、ペルー出身の人の在留外国人が増えつつある日本。法務省の在留外国人統計によると、2022年6月末時点で日本にいる中長期在留者のペルー人は4万8,000人を超えると報告されています。
ペルーの基本データ
ペルーの人口は約3,199万人でスペイン語やケチュア語など多言語が使われている国です。
太平洋に面して南北2,500キロに及ぶ長い海岸線を持つ地域としても有名です。
主要産業は製造業、石油・鉱業、商業、農業、建設業です。
日本では製造業や建設業をはじめ、さまざまな業種において人手不足が加速しており、今後日本において即戦力や経験者採用を推進するうえで、ペルー出身者のポイントは高くなると言えるでしょう。
ペルー人の特徴
ペルー人の性格は、生まれた地域によって少し違うと言われています。ペルー北部出身者は、明るくオープンな性格の人が多いそうです。明るく、朗らかなペルー人社員の採用は、職場にポジティブな変化をもたらしてくれる可能性があり期待値が高まります。開放的なペルー人の性格も相まって、企業の生産性が引き上げられるという効果もあるでしょう。
ペルー南部の出身者は、北部の人と比べると人見知りで閉鎖的と言われています。南部出身のペルー人は、日本人の性格に近いと表現する人もいます。営業職や社外コミュニケーションが特に重要となるポストには向かない可能性がありますが、制作や製造、コツコツと積み上げる業務などで力を発揮できるでしょう。
とくに家族や友人を大切にする文化が顕著で、職場に家族の写真を置いたり、ペンダントや写真を肌身離さず身に付けていることも珍しくありません。家族や友人と良好な関係を築きやすいペルー人は、組織の中でもうまくコミュニケーションをとり周囲とうまくやっていける資質を持っています。
在日ペルー人の99%が就労可能
2021年6月末時点、就労制限のない在留資格である「永住者(特別永住者を含む)」が3万3,316人、同じく日本人と同様に就労制限のない「定住者」が1万697人、「配偶者(日本人または永住者の)」が3,649人が在留しています。今後は一部制限はあるものの、週/28時間以内などの条件付きで就労可能な「留学」ビザを持つペルー人の入国も上昇すると予想されています。
2023.03.06
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2022.12.19
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ルーズなところもあるけど好感度の高い明るさ
日本と比較して、厳格に時間やルールを守ろうとする文化が希薄です。
どちらかと言うとマイペースといえます。
日本企業のスピード感が早く、馴染むまでは辛抱強くOJTやマニュアルを通じて仕事に慣れさせることが大切です。
業務移管やマネージメントを行う際には日本滞在歴の長い先輩ペルー人と組ませると良いでしょう。
ポジティブで、優しい性格の人が多いペルー人を採用したことで、職場が明るくなった、笑顔が増えたなどの成功例を耳にします。仕事でミスがあったとしても、ペルー人のポジティブさが、チャレンジをする文化を損なうことなく、積極的に仕事に取り組む環境づくりに貢献します。
ペルー出身者を採用する時の注意点
ペルー出身者を採用するときの注意点としてまず挙げられるのは、生まれた地域の見極めです。日本の3倍の面積を誇るペルーでは、複数の語学が使用されています。
また、宗教にもたくさんの宗派があるため、ペルー人の採用前に相互理解と尊重が必要です。とくに宗教については、日本で外国人を採用するときに割と見落としがちなポイントなので注意が必要です。ペルー人の文化や性格を理解し、日本の企業向けに矯正をおし進めるのではなく、母国で培われた文化や価値観に配慮しつつ、ポテンシャルや意欲を汲み取り、適切な配置配属ができるよう心がけましょう。
これまでの環境を考えると、時間や管理面では不慣れな部分もあります。顧客や関係各社との関わりもあるため、時間や約束については改めて正しく伝えることを社内でも意識し、慣れるまではメンターやサポート役を付けるなど、企業としてのリスクヘッジ策を講じておくことも忘れないようにしましょう。
2022.12.15
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ペルー出身者の採用に関するまとめ
日本とペルーでは文化や仕事観の違いはあるものの、明るい性格やコツコツ実直な性格は企業にとってプラスに働く面が多いと言えます。マイペースなところも愛嬌として受け取る一方、きちんと仕事や約束(ルール)を守ることも、日本の企業文化や社会活動を行う上で重要であることをしっかり伝えましょう。言語や宗教等に配慮することでペルー人の採用活動がぐっと締まります。