コラム

外国人技能実習生の保険!加入義務や任意保険、注意点についてわかりやすく解説

外国人技能実習生が日本で働く際には、保険加入が重要です。技能実習生は、日本の労働者と同様に労働基準法上の「労働者」とみなされ、保険に加入する義務があります。さらに、公的保険だけでなく任意加入が推奨される保険も存在します。

この記事では、外国人技能実習生が加入しなければならない4つの保険(国民健康保険・健康保険、雇用保険、労災保険、厚生年金保険・国民年金)について詳しく説明します。また、任意保険の注意点にも触れます。

外国人技能実習生も日本人同様の保険が必要

外国人技能実習制度は、1993年に創設され、日本の技能、技術、知識を開発途上地域に移転し、その地域の経済発展に貢献することを目的とした制度ですが、外国人技能実習生は、日本人と同様に労働者としての法律が適用されます。

2017年11月に、「外国人の技能実習の適正な実務及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が施行され、新たな技能実習制度がスタートしました。この法律の施行により、外国人技能実習生の法的保護が強化されました。具体的には、入国管理及び難民認定法が改正され、技能実習生が入国1年目から労働基準法上の労働者として、労働基準関係法令の適用を受けることになりました。

これにより、技能実習生を受け入れる事業主は、労働基準関係法令を遵守し、技能実習生の労働条件の確保・改善に取り組む必要があります。具体的には、技能実習生の労働時間、賃金、休暇、労働災害保険などの労働条件を日本の法律に従って提供する必要があります。

このように、外国人技能実習生も日本の労働基準法に基づく保護の対象となります。彼らの安全と健康を確保し、公正な労働環境を提供するために、事業主は適切な保険を提供し、労働条件を守らなければなりません。

(参考)技能実習生の労働条件パンフ|厚生労働省

外国人技能実習生が加入する義務がある保険

技能実習生は、日本の企業で3か月以上の実習を受ける場合、日本人の社員と同じように社会保険に加入する義務があります。企業がこの義務を怠ると、「法律を守らないブラック企業」と認定され、技能実習生の受け入れができなくなる場合もあります。

雇用保険

外国人技能実習生を受け入れる企業は、雇用保険に加入する義務があります。 「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」に基づき、受け入れ企業は技能実習生の労働条件の確保や改善に取り組む必要があります。雇用保険に加入することで、技能実習が継続できなかった場合にも給付手当や求職の相談を受けることができます。

労災保険

労災保険は、通勤を含む業務中のけがや病気、死亡に適用される保険で、外国人技能実習生も必ず加入しなければなりません。保険料は全額雇用主の負担となります。

労災保険とは日本の労災保険は、労働者が業務中や通勤中に災害や疾病で被った損害に対して医療費や休業手当を提供します。雇用主が労働者一人当たりの賃金に応じて保険料を支払い、労働災害や職業病の場合、労働者は直ちに通報し申請手続きを行います。労災保険は、労働者の安全と健康を保護し、災害の予防活動も支援します。

国民健康保険(国保)および健康保険

団体監理型の場合、入国後の講習期間中に技能実習生を国民健康保険に加入させる義務があります。個人経営で一定の条件を満たす場合は、国民健康保険の加入が継続されます。健康保険の保険料は、受け入れ企業と技能実習生で折半されます。

「国民健康保険(国保)および健康保険」は、日本における医療費の負担を軽減し、国民の健康を保護するための制度です。国民健康保険・健康保険は病気やケガ、出産などに適用される保険で、特定技能外国人は必ず加入しなければなりません。講習期間中は国民健康保険に加入して保険料も特定技能外国人が負担しなければなりませんが、講習期間が終了したら健康保険に切り替え、雇用主と特定技能外国人が折半で支払います。保険料は、給料から天引きして徴収されます。

厚生年金保険・国民年金

入国後の講習期間中に、外国人技能実習生の国民年金への加入が義務付けられています。外国人技能実習生も、厚生年金保険および国民年金に加入する義務があります。厚生年金保険は、日本で働く特定技能外国人が会社員として雇用される場合に加入します。会社員としての雇用に伴い、厚生年金の保険料が給与から天引きされ、雇用主も半分を負担します。

国民年金は、自営業やフリーランスとして働く場合に加入義務があるため、外国人技能実習生が日本で働く場合、厚生年金保険への加入が必要となります。

外国人技能実習生に任意加入を推奨している保険

外国人技能実習生に任意加入を推奨している保険として、ここでは2つ紹介していきます。

外国人技能実習生総合保険(JITCO保険)

外国人技能実習生総合保険(JITCO保険)は、日本の技能実習生や特定技能外国人が万一の事態に備えて保護される仕組みです。JITCOはこの保険の契約者であり、監理団体や受入機関は保険加入者として、技能実習生や特定技能外国人の健康や安全を守るために加入します。

この保険の特徴の1つは、技能実習生や特定技能1号外国人が母国出発から帰国するまで、講習期間を含む在留期間をカバーする点です。つまり、彼らが日本に滞在している間は、健康や安全の面で保護されます。

治療費用については、国民健康保険や健康保険の加入資格を考慮し、治療費用が一定期間100%補償されるという特徴があります。これにより、技能実習生や特定技能外国人が病気やけがに遭った場合でも、負担を最小限に抑えることができます。

また、JITCO保険は団体保険であり、JITCOが保険契約者となり、技能実習生や特定技能1号外国人を被保険者、受入機関を保険加入者とする仕組みです。このため、一般の個別保険よりも保険料が格安に設定されています。

補償対象期間は、技能実習の種類や特定技能外国人の在留期間に応じて設定されます。そして、補償範囲には治療費用、死亡時の補償、後遺障害の補償、第三者への損害賠償、死亡や危篤時の救援者費用などが含まれます。

保険金額と保険料は、保険期間や在留期間によって異なります。異なるタイプの保険が用意されており、それぞれに適した保険金額と保険料が設定されています。保険料は、被保険者数によって変更される場合があります。

JITCO保険は、外国人技能実習生や特定技能外国人が安心して日本での生活や仕事に集中できるよう、健康や安全をサポートする重要な制度です。

(参考)外国人技能実習生保護支援・在留支援 | 外国人技能実習制度支援サービス | JITCO – 公益財団法人 国際人材協力機構

外国人技能実習生総合保険(セントラルインシュアランス)

セントラルインシュアランスの「外国人技能実習生総合保険(技能実習1号・2号)」は、技能実習生の安全と健康を保護するための補償プランです。この保険は、技能実習生が日本での実習期間中に万が一の事故や疾病に見舞われた際に、彼らの医療費やその他の支出をカバーすることを目的としています。

この保険の特徴の1つは、技能実習生が母国を出国してから日本での技能実習を終え、母国に帰国するまでの期間を一貫してカバーする点です。さらに、母国出国から日本での公的保険資格が取得されるまでの一定期間は、治療費用が100%支払われます。これにより、技能実習生が安心して実習に取り組むことができます。

補償範囲は広範囲にわたり、労働者災害補償法や健康保険法で給付されない死亡や後遺障害、ケガや病気の治療費用、第三者への賠償責任、救援者費用などが含まれます。また、治療費用100%補償期間中であっても、公的保険からの給付がある場合には支払額が調整されます。治療費用100%補償期間終了後は、公的医療保険制度から支払われない治療費用について、実際に負担された額の30%を支払います。

保険契約者および被保険者は、技能実習生自身や受入れ機関が直接支払った額(自己負担額)を補償の対象とします。さらに、保険金の支払い対象となる項目には、傷害治療費用保険金、傷害死亡や後遺障害保険金、疾病治療費用保険金、疾病死亡保険金、賠償責任保険金、救援者費用などが含まれます。

保険料は、保険金額や保険期間によって異なります。保険料は、保険金の種類や保険期間に応じて、標準的なタイプに基づいて算出されます。自己負担額は0円となっており、技能実習生が安心して実習に集中できるよう配慮されています。

(参考)外国人技能実習生総合保険(技能実習1号・2号)|外国人技能実習生総合保険|セントラルインシュアランス – ジェイアイ傷害火災保険

外国人技能実習生の任意保険への加入に関する注意点

最後は、外国人技能実習生の任意保険へ加入する際の注意点をいくつか紹介していきます。

保険内容の理解

保険の内容は、補償範囲、免責事項、保険金支払い条件などから構成されます。各保険商品の契約書や重要事項説明書を熟読し、保険内容を十分に理解しましょう。特に、補償範囲の明確化や免責事項の理解が重要です。

適切な補償内容の選択

保険商品にはさまざまな補償内容があります。死亡やケガだけでなく、病気や後遺障害、第三者への賠償責任、救援者費用などの補償が含まれる場合があります。自身の状況やニーズに応じて、最適な補償内容を選択しましょう。

保険料の支払い

保険料は、保険の補償内容や保険期間によって異なります。保険料の支払い方法(年払い、月払いなど)、保険料の増減条件(年齢や保険金額に応じて変動する場合がある)を確認し、自身の経済状況に合った支払いプランを選択しましょう。

保険契約の期間と更新

保険契約の期間や更新条件を理解しましょう。保険期間が満了した際には、保険契約を更新する必要があります。更新手続きや期限を把握し、期限を逃さないように注意しましょう。

これらの注意点を踏まえ、外国人技能実習生が任意保険に加入する際には、慎重な選択と理解を心がけることが重要です。

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