就労ビザを持つ外国人労働者が日本で別で副業やアルバイトをすることは、可能なのか疑問に思ったことはないでしょうか？この記事では、就労ビザを持つ外国人が副業・アルバイトをする際の条件や申請方法について詳しく解説します。就労ビザを持つ外国人労働者の副業・アルバイトに関心がある方は、ぜひご一読ください。

就労ビザを持つ外国人は副業・アルバイトができるのか

外国人労働者が副業やアルバイトをするためには、所持する「在留資格」によって制約があります。在留資格で認められている活動範囲内であれば、特別な申請や条件なく副業やアルバイトが可能です。

しかし、在留資格で認められていない活動（在留資格の範囲外）を行う場合には、「資格外活動許可」が必要となり、審査が厳しいため許可が下りることはまれです。留学生や家族滞在の外国人も、資格外活動の「包括許可」を取得すれば、一定の制約内でアルバイトが可能です。

また例外として、ボランティア業務や報酬が発生しない活動については、資格外活動許可は不要です。

副業・アルバイトをするための条件

副業やアルバイトをするための条件は、外国人の在留資格とその活動内容によって異なります。「在留資格の範囲内の場合」と「在留資格の範囲外の場合」に関して詳しく紹介していきます。

在留資格の範囲内の場合

在留資格の範囲内で副業を行う場合、まず適切な在留資格を持つことが必要です。つまり、副業が許可されている在留資格を取得している外国人である必要があります。また、副業やアルバイトの内容も在留資格に合致している必要があります。たとえば、技術関連の在留資格を持っている場合、技術に関する仕事をしなければなりません。さらに、年間の収入に制限がかけられることもあるため、所得面でも注意が必要です。

在留資格の範囲外の場合

一方、在留資格の範囲外で副業やアルバイトを行う場合、資格外活動許可が必要です。この許可は厳格な審査が行われ、収入制限が設けられることがあります。また、副業の内容や場合によっては、個別の許可が必要とされることもあります。副業やアルバイトを検討する際には、自身の在留資格と活動内容を確認し、適切な許可や制約を遵守することが大切です。法律や規制は変更される可能性があるため、最新の情報を確認することも重要です。

「資格外活動許可」の申請方法については後述します。

副業・アルバイトをする外国人側の注意点

ここからは、副業・アルバイトをする外国人側の注意点を紹介します。

在留資格の確認

自身の在留資格が副業・アルバイトを許可しているか確認しましょう。就労が認められている在留資格であるかを確認し、資格外活動許可が必要な場合は取得しましょう。

企業の就業規則の確認

自身が働く雇用企業の就業規則を確認し、副業が認められているかどうかを理解しましょう。企業の就業規則に副業に関する規定がある場合、それに従う必要があります。

確定申告の必要性

副業で得た収入が年間20万円以上の場合、確定申告が必要です。外国人でも確定申告が義務化されています。副業収入がある場合、確定申告手続きを理解し、適切に行いましょう。

不法就労への注意

不法就労は避けましょう。外国人労働者が在留資格に違反する形で副業・アルバイトを行うと、不法就労と見なされ、法的な問題が生じます。不法就労は外国人本人だけでなく、雇用企業にも重大な罰則が課せられる可能性があります。

企業側の注意点

ここからは、企業側の注意点を紹介します。

副業・アルバイトの可否を確認

雇用する外国人労働者が副業・アルバイトを希望する場合、企業は自社の就業規則を確認し、副業が許可されているかどうかを明確に把握する必要があります。就業規則で副業を禁止している場合、外国人も含めて副業を行うことはできません。副業が認められている場合でも、制限があるかどうかを確認しましょう。

在留資格の確認

雇用する外国人の在留資格を確認しましょう。副業やアルバイトを行うためには、在留資格がそれを許可している必要があります。就労ビザなどで就労が許可されている在留資格であるかを確認し、資格外活動許可が必要な場合は取得しているか確認しましょう。

業務内容の確認

雇用する外国人労働者が副業・アルバイトで従事する業務内容が、彼らの在留資格で認められた業務に合致しているかを確認しましょう。在留資格ごとに許可されている業務内容が異なるため、業務が在留資格の制約に違反しないかを確認することが重要です。

在留カードの確認

雇用する外国人労働者の在留カードを確認し、正規のものであることを確認しましょう。偽造や虚偽の情報を提供することは違法です。在留カードには偽変造防止の加工がされているため、偽造の有無を確認しましょう。

報酬の支払いと記録

副業・アルバイトの外国人労働者に対して支払う報酬を正確に計算し、支払いを行いましょう。また、報酬支払いの記録を適切に管理し、必要に応じて会計処理を行います。報酬が20万円以上の場合、外国人も含めて確定申告が必要です。

就労ビザを持つ外国人が副業・アルバイトをするための「資格外活動許可」の申請方法

最後は、就労ビザを持つ外国人が副業・アルバイトをするための「資格外活動許可」の申請方法について詳しく紹介します。

資格外活動許可の申請条件

外国人労働者が副業やアルバイトをするためには、「資格外活動許可」の申請が必要です。条件は元の在留資格に支障をきたさず、一定の活動に従事し、特定の禁止行為を行っていないことです。必要書類を提出し、手数料は不要ですが、注意深く手続きを行う必要があります。

・在留資格本来の活動への影響がないこと
資格外活動に従事しても、元々の在留資格で許可された主たる活動に支障が出ないことが条件です。

・在留資格に基づく活動を行っていること
資格外活動許可を申請する前に、現在の在留資格に基づく活動を行っている必要があります。

・入管法別表第一または第二に該当しないこと
申請する資格外活動が、出入国管理法の別表第一または別表第二に該当しないことが求められます。ただし、特定技能と技能実習は除外されます。

・特定の禁止行為に該当しないこと
法令に違反する活動や風俗営業、性風俗特殊営業、電話異性紹介事業、収容令書の発行などに従事していないことが条件です。

・日本の公私の機関から同意を得ていること
在留資格に該当する活動を行っている場合、その活動について日本の公私の機関が資格外活動を行うことに同意している必要があります。

資格外活動許可を申請する手順

外国人労働者が副業やアルバイトを行うためには、まずは「資格外活動許可」の申請が必要です。この申請に際しては、元の在留資格に支障をきたさず、特定の禁止行為を行わず、一定の活動に従事する条件を満たす必要があります。

具体的な手続きや必要書類については、事前に出入国在留管理庁に申請前に確認が必要です。通常、許可通知が受け取られるまでの所要時間は2週間から2か月程度であり、計画的な手続きが肝要です。また、この申請には手数料は一切かかりません。

ステップ 1：必要書類の準備
・資格外活動許可申請書
・資格外活動内容を明らかにする書類
・在留カード
・パスポートまたは在留資格証明書
・パスポートまたは在留資格証明書が提供できない場合、理由を記載した理由書
・申請取次人が申請を提出する場合、身分を証明する文書

ステップ 2：申請
必要書類の準備ができたら、管轄の出入国在留管理庁にて資格外活動許可の申請を行います。

ステップ 3：許可の通知
申請が許可された場合、許可された旨が記載された通知書が郵送されてきます。申請から許可の通知が来るまで、通常は2週間から2か月程度かかることがあります。

ステップ 4：資格外活動許可証の交付
許可通知を受けた後、資格外活動許可証が交付されます。