ミャンマー人の特徴や国民性を知ることで、効果的なコミュニケーションと円滑な人間関係の構築に役立ちます。そこで、この記事では、ミャンマーの基本情報や特徴から、日本に在留するミャンマー人の状況、そして彼らと一緒に働く際の注意点まで、幅広く解説していきます。

ミャンマー人の特徴は？採用前に知っておきたい性格や国民性、宗教、教育について

ミャンマーの国としての基本情報

ミャンマー人の特徴を見ていく前に、ミャンマーの国としての基本情報や特徴を見ていきましょう。
【正式名称】 ミャンマー連邦共和国 (Republic of the Union of Myanmar)
【首都】 ネーピードー (Naypyidaw)
【人口】 2022年時点で約5300万人。ミャンマーは東南アジアにおける人口の多い国の一つです。
【公用語】 ビルマ（ミャンマー）語が公用語として使用されていますが、地域によっては様々な民族言語や方言が話されています。

地理

ミャンマーは、東南アジアのインドシナ半島に位置し、北で中国、東でラオスとタイ、西でバングラデシュとインド、南でアンダマン海とベンガル湾に接しています。国土は山脈、高原、広大な平野、河川が特徴であり、イラワジ川やサルウィン川などが農業や交通の要として重要な役割を果たしています。気候は地域によって異なり、北部は乾季と雨季がはっきりしており、南部は一年を通じて多雨で湿度が高い傾向があります。特にイラワジ川流域やデルタ地帯は、季節風の影響を受けて年間を通じて湿潤な気候が続きます。

人口・民族・宗教

ミャンマーの人口は約5,300万人であり、多様な民族が暮らしています。主な民族にはビルマ族、シャン族、カレン族、カチン族、ロヒンギャ族などがあり、それぞれが独自の文化や言語、伝統を持っています。宗教は仏教が主要であり、仏教寺院や仏塔が国内に広く建立されていますが、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教なども信仰されています。

経済

経済面では、ミャンマーの経済は農業が主要な柱であり、米、綿、ゴム、穀物などが主要な農産物です。また、天然資源の豊富さから、石油・ガスや鉱物資源の採掘も重要な産業です。近年は観光業や製造業も成長しており、外国からの投資や国際貿易も拡大しています。

日本にいるミャンマー人の特徴

日本に在留するミャンマー人は、法務省の在留外国人統計によれば、2023年6月末時点で69,613人でした。この人々の在留資格の分布を見ると、最も多いのは「技能実習（1号2号3号）」であり、20,940人がこの資格で日本に滞在しています。その次に多いのが「特定活動」で、13,197人がこの資格を持っています。また、「留学」による在留者が8,876人、「特定技能」が8,016人と続いています。
(参考）法務省｜令和５年６月末現在における在留外国人数について

近年、日本政府の外国人労働者受け入れ政策の影響で、特に技能実習生や特定技能者としてのミャンマー人の数が増加しています。この傾向により、ミャンマー人コミュニティや関連する活動が日本国内で活発化しています。

在日ミャンマー人は、日本の様々な職種や業界で活躍しており、日本社会における多様性と労働力の一翼を担っています。しかし、言語や文化の違い、労働環境の適応など、さまざまな課題に直面しています。日本社会との円滑なコミュニケーションや労働条件の改善など、支援や取り組みが必要とされています。

ミャンマー人の性格的な特徴

ここからは、一般的なミャンマー人の性格的な特徴を詳しく紹介していきます。ただし、ミャンマー人の文化や性格は多様であり、個人差があることをご理解ください。

親日国である

過去の歴史から親日派であるとされ、日本との交流が多いです。日本の文化や技術に興味を持っている人が多く、日本に対する偏見が少ないとされています。このため、日本とのビジネスや人間関係が円滑に進む傾向があります。

温和で自己主張が少なく控えめな国民性

ミャンマー人は一般的に温和であり、人前で怒ることは稀です。この性格は仏教の影響を受けており、徳を積むことが尊ばれる文化に根ざしています。また、素直でまじめな性格の人が多く、言われたことを忠実に実行する傾向があります。このため、同じくまじめで自己主張が少ない日本人との相性が良いとされています。

家族を大切にする

家族を大切にする文化が根付いており、親を敬う心が強く、家族内での両親の意向が重要視されます。特に重要な決定においては、両親の意見が尊重されることもあります。このように、家族関係が密接であり、家族の幸福や安定が重視されます。

慈悲深く、目上の人を敬う傾向

仏教の教えが広く浸透しており、慈悲深さや敬意を持つことが重んじられています。ミャンマー人は目上の人や年長者に対して敬意を払うことが一般的です。また、慈善活動や社会奉仕に積極的に取り組む姿勢も見られます。

ミャンマー人と一緒に働く際の注意点

ミャンマー人との効果的なチームワークや共同作業を実現するためには、異なる文化や価値観を尊重し、相手の立場や感情に配慮したコミュニケーションを心がけることが不可欠です。ここからは、ミャンマー人と一緒に働く際の注意点を紹介していきます。

怒りや叱責を避ける

ミャンマー人は叱責されることに慣れておらず、怒りや叱責を受けるとショックを受ける可能性があります。業務上のミスや問題があっても、公然と怒ったり叱責したりすることは避けるべきです。問題があった場合は、個別に冷静に話し合い、解決策を探るように心がけましょう。

一方的な指示や命令を避ける

ミャンマー人は叱責を受けることに慣れていないだけでなく、一方的な指示や命令にも慣れていません。そのため、共同作業やプロジェクトで協力する際には、彼らの意見や提案に耳を傾け、協力関係を築くことが重要です。彼らの意見やアイデアを尊重し、チームとしての協力を促進しましょう。

直接的な批判を避ける

ミャンマー人は直接的な批判を受けることに敏感です。直接的な言葉遣いや厳しい口調で問題点を指摘することは避け、優しい口調で問題点を伝えるように心がけましょう。さらに、批判的なフィードバックを行う際には、ポジティブな要素も含めてバランスよく伝えることが重要です。

文化的な背景を理解する

ミャンマー人の多くは仏教徒であり、家族や社会での地位を尊重する文化的背景があります。これを踏まえて、指導やコミュニケーションの方法を適切に選択しましょう。また、ミャンマー人の考え方や価値観を理解し、それに沿った環境を提供することが重要です。

指導方法の工夫

ミャンマー人は叱責されることに慣れていないため、怒りや厳しい言葉で指導するのではなく、優しく指導することが求められます。また、肯定的なフィードバックやサポートを積極的に提供し、モチベーションを維持することも重要です。