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DV被害外国人女性、外国人ホームレスになった女性などを支援する要請書を移住連が送付

全国ネットワークの女性プロジェクトが、外国人女性への支援を訴える要請書を発表。これは移住者と連帯する組織であり、移民や外国ルーツを持つ人々の権利保護と自立支援を目指すもの。現在、日本には約307万5千人の外国人在留者がおり、その半数以上が女性であり、永住者や家族滞在者、技能実習生など多様な背景を持つ。しかし、彼女たちは不適切な支援に直面し、法律や基本方針の不足が指摘される。要請書は政府に、在留資格にかかわらず外国人女性への適切な支援を求め、基本方針見直しや支援環境整備を訴えている。DV被害から生活保護制度への排除、医療アクセス制約、言語障壁、住居難、在留資格の制約など、具体的な問題が浮き彫りに。支援の重要性を強調し、民間団体との連携や資金提供、情報多言語化、研修の実施が提案され、外国人女性とその子どもたちの生活を改善する取り組みが期待される。

移住者と連帯する全国ネットワークの女性プロジェクトは、外国人女性への支援に関する要請書を発表しました。この要請書は、困難な問題を抱える外国人女性への適切な支援を求めるもので、全国の都道府県に向けて送付されました。

この女性プロジェクトは、日本社会で生活し働く移民や外国ルーツを持つ人々の権利保護と自立支援を目指す組織です。その中でも、移住連女性プロジェクトは移住連の一部として、移民女性の権利と尊厳の保護を推進しています。

現在、日本には約307万5千人の外国人が在留しており、そのうち約半数が女性です。これには永住者、家族滞在者、技能実習生などが含まれ、多様なバックグラウンドを持つ人々が含まれています。また、外国人女性の中には日本国籍を持ちながら外国ルーツを持つ人々もいます。

しかし、これら外国人女性はさまざまな困難に直面しており、適切な支援が必要とされています。現行の法律や基本方針には、外国人女性のニーズに十分な対応がないとの指摘があります。

このため、女性プロジェクトは要請書を通じて、外国人女性の困難な状況を認識し、適切な支援を提供するための具体的な措置を政府に求めています。要請書では、基本方針の見直しや、在留資格の有無に関わらず支援を受けられる環境の整備を訴えています。

女性プロジェクトは、外国人女性の抱える困難を深く理解し、多様なバックグラウンドを持つ彼女たちに対して適切な支援を提供するため、政府の関心を喚起しました。今後、これに対する政府や関係機関の対応が注目されます。

外国人女性の特殊な困難を取り上げたいくつかの事例とその背後にある問題が明らかになりました。日本における外国人女性の在留資格や生活保護制度に関する不均衡な現状が、彼女たちが抱える脆弱な立場をさらに難しくしています。

困難な問題を抱える外国人女性の具体的な事例

外国人女性の不安定な立場とDV問題

日本に住む外国人女性の多くは、さまざまな在留資格を持ちながら、DV(家庭内暴力)などの問題に直面しています。彼女たちの中には、国際結婚や技能実習、留学などを通じて来日した者が含まれています。特に、在留資格によって生活保護制度から排除されている場合、DVから逃れるための一時的な保護を受けられない状況が深刻です。

一例として、ネパール出身のAさんは家族滞在の在留資格を持っていましたが、夫からの暴力に苦しみました。関係機関に相談しても、DV被害者としての保護が難しいとされ、その後も暴力から逃れることができませんでした。同様の問題が中国人女性Bさんにも生じ、DVに耐え忍ぶ苦境に立たされています。

また、DV以外にも、技能実習生などの在留資格を持つ外国人女性が妊娠すると、適切な保護が受けられず帰国を迫られるケースも存在します。こうした事例から、在留資格の不安定さが、外国人女性の困難を一層深刻化させていることが明らかになっています。

生活保護制度からの排除

日本の生活保護制度は、「日本国民」に対して保障されており、一定範囲の外国人には準用されていますが、全ての在留資格の外国人に適用されているわけではありません。その結果、在留資格によって生活保護から排除される外国人女性が多数存在しています。たとえば、家族滞在や留学の在留資格を持つ女性は、最低限の生活保障がされていない現状です。

このような状況下で、例えば中国出身のEさんは、技能実習で来日後に結婚し、家族滞在の在留資格を得ましたが、夫からのDVに苦しむこととなりました。保護のために努力するものの、在留資格による制約から、生活保護の対象外とされ、自ら収入を得なければならない苦しい状況に立たされました。

留学生の困難とコロナ禍

留学生も外国人女性の一部であり、彼女たちも特に困難な状況に置かれています。Fさんのケースは、留学のために借金をして来日し、コロナ禍によるアルバイト収入の減少によって生活が困窮してしまった事例です。彼女のように生活保護が在留資格上の対象外であるため、公的な支援が受けられず、孤立と絶望感が広がっています。

こうした事例を通じて、外国人女性たちが持つ様々な在留資格に関する問題や、生活保護制度からの排除が、彼女たちの生活に与える影響が浮き彫りにされました。将来的には、政府や関係機関がより包括的なサポートを提供し、外国人女性の権利と尊厳を保護するための対策を検討する必要があるでしょう。

医療アクセスの制約

日本在住の外国人女性は、健康保険の加入制約により高額な医療費を負担することがあります。例として、医療費に苦しむ子供たちを抱える女性や、障害を持つ子供との苦闘する母親が挙げられます。

言語の障壁とアクセスの難しさ

言語の問題から、外国人女性は公的支援や福祉サービスの利用が難しくなることがあります。また、第一言語で相談できるサポートの不足も問題です。子供の教育にも影響を及ぼすことがあり、親子双方への支援が必要です。

住居確保の難しさ

外国人女性は身元保証人の問題により、安定した住居の確保が難しい状況にあります。例として、住む場所のない状況で苦しむ女性や、ホームレスになった女性が挙げられます。

無国籍や在留資格なしの子供たちの課題

無国籍や在留資格のない子供たちが虐待やネグレクトを受ける場合があります。国籍の証明が難しく、法的地位やサービス提供の問題が生じます。

妊娠・出産に対する差別と制約

活動に基づく在留資格を持つ外国人女性に対して、所属機関や関係者から妊娠や出産を禁じる、退職や帰国を迫るケースが多発しています。技能実習生の場合でも、男女共同参画基本法に基づく通知があるにもかかわらず、妊娠したら仕事を辞めるよう求める声が少なくありません。さらには、強制帰国を恐れる外国人女性が孤立出産や子供の遺棄に追い込まれるケースも増えています。このような状況下で、在留資格によって活動が制約される外国人女性は、自身や家族の未来を懸念し、不利益を受けざるを得ない状況に置かれています。

在留資格のない外国人女性の制約

在留資格のない外国人女性、特に仮放免者を含む人々は、住民登録がないため国民健康保険に加入できず、出産時の支援制度が限られています。不適切な情報提供や制度不明確さにより、受診が遅れたり飛び込み出産となるリスクもあります。その結果、健康リスクや経済的な負担が高まる可能性があります。

外国人女性に必要な支援

この計画は、外国人女性への適切な支援を確保するための重要な手段となります。

まず第一に、外国人女性を支援する民間団体と外国人コミュニティとの連携が強調されています。さらに、必要な場合には支援活動に必要な資金を提供することも検討されています。これによって、外国人女性への支援体制がより強化され、適切な支援が実現されることが期待されます。

第二に、国籍や在留資格の有無・種別に関わらず、困難な問題を抱えるすべての外国人女性が支援の対象となることが明確に示されています。この点が強調されることで、幅広い背景を持つ女性たちに対して適切な支援が提供されることが保証されます。また、情報の多言語化も重要視されており、通訳人を配置して情報の障壁を取り除く取り組みが計画されています。

第三に、在留資格の取得や公的支援・福祉サービスの利用、子どもの就学などに関する相談を実施し、必要な支援を行うことが提案されています。特に無国籍・未登録児童や不就学・不登校の子どもたちに対する適切な対応が求められています。これによって、外国人女性やその子どもたちの生活基盤が安定し、将来への展望が明るくなることが期待されます。

最後に、関係機関の職員に向けた実効性のある研修が行われることが強調されています。これによって、外国人女性が抱える問題に対する理解が深まり、適切なサポートが提供されることが確保されます。

以上のポイントを基に、外国人女性支援の基本計画がより具体的かつ効果的なものとして実行されることが期待されます。

(参考)困難な問題を抱える外国人女性への支援に関する要請書|移住連

YOLO総研 編集部 リコピン

この記事を書いた人

YOLO総研 編集部 リコピン

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