コラム

【ドイツ大学ランキング2023】人気大学と就職事情を紹介

ドイツは職業教育に力を入れている国です。多くの優れた大学があり、その中には世界的に評価されている大学もあります。今回は、ドイツの大学ランキングと就職の可能性について詳しく見ていきましょう。

目次

ドイツの基本情報

ドイツの大学ランキングや就職事情の前に、まずは、ドイツという国の基本情報を紹介します。

正式名称
ドイツ連邦共和国(Bundesrepublik Deutschland)

首都
ベルリン(Berlin)

公用語
ドイツ語(Deutsch)

人口
2022年時点で約8,440万人

通貨
ユーロ(EUR)

地理
ドイツはヨーロッパ中央に位置し、北は北海とバルト海に面し、南はアルプス山脈に接しています。国内には多くの川が流れ、ライン川、エルベ川、ダンユーベ川などが重要な水路です。

歴史
ドイツは歴史的には神聖ローマ帝国やプロイセン王国などの多くの国家から成り立ってきました。第一次世界大戦後、ヴァイマル共和国として成立しましたが、第二次世界大戦後に分割占領され、東西ドイツとして分かれました。冷戦終結後、1990年に東西ドイツが統一され、現在のドイツが成立しました。

経済
ドイツは世界有数の経済大国であり、輸出に強く、自動車産業、機械工業、化学産業などが重要な産業です。また、高度な技術や研究開発分野でも国際的に評価されています。

文化
ドイツは音楽、文学、哲学、科学など多くの分野で重要な文化的貢献をしてきました。ベートーヴェン、バッハ、モーツァルト、シラー、ゲーテ、ニーチェなど多くの有名な芸術家や哲学者を輩出しています。また、ドイツはビール文化やクリスマス市などの伝統的な文化も持っています。

ドイツの教育制度の特徴

次に、ドイツの教育制度の特徴について見ていきましょう。
ドイツの教育制度は連邦制に基づいており、各州(ビュンデスラント、Bundesland)が教育政策を独自に管理していますが、基本的な枠組みは全国的に統一されています。

また、ドイツの教育制度は高い品質を持ち、国際的にも高く評価されており、基本的に公立学校での教育は無償で提供されています。ただし、一部の私立学校や大学には学費がかかる場合もあります。

1. 幼稚園(Kindergarten)
幼稚園は3歳から6歳までの子供たちを対象としており、基本的な社会化や基本的なスキルの獲得を促進します。幼稚園は公立と私立の両方が存在しますが、公立の幼稚園は比較的低料金または無償です。

2. 基礎教育(Grundschule)
基礎教育は通常、6歳から10歳までの子供たちを対象とし、全てのドイツの学生に共通の教育プログラムです。この段階では基本的な学習スキルや基本教育科目(言語、数学、理科、社会科学)を習得します。

3. 三段階の学校形態(Sekundarschule)
基礎教育を終えた後、ドイツの教育制度は三段階の学校形態に分かれます。
・Hauptschule:職業訓練に焦点を当てた学校形態。
・Realschule:将来の職業訓練や高等教育への進学を目指す学校形態。
・Gymnasium:大学進学を目指す学校形態。高度な学問を学び、アビトゥーア(Abitur)と呼ばれる大学入学資格試験を受験することが一般的です。

4. 職業教育(Berufsschule)
ドイツは職業教育に力を入れており、多くの職業に対応する専門学校(Berufsschule)が存在します。学生は実務経験と学業を組み合わせて職業教育を受け、資格を取得します。

5. 高等教育
高等教育機関は大学(Universität)、応用科学大学(Fachhochschule)、芸術大学(Kunsthochschule)などがあり、多様な学術プログラムが提供されています。大学に進学するにはAbitur試験に合格する必要があります。また、一部の大学では英語で授業を行うプログラムも提供されています。

ドイツと日本の教育制度の共通点

ここからは、ドイツと日本の教育制度に関する共通点を紹介します。両国の教育制度は、それぞれの文化や社会の要求に合わせて発展してきましたが、高品質な教育を提供することに共通の関心があります。

1. 幼稚園
どちらの国でも幼稚園が広く普及しており、幼少期から社会的なスキルや基本的な学習を提供しています。

2. 高い教育水準
日本とドイツの教育制度は両国ともに高い品質の教育を提供しており、国際的に高く評価されています。

3. 大学進学
両国ともに大学進学が非常に重要視されており、高校卒業後の進路選択には特に注意が払われています。

4. 職業教育
両国ともに職業訓練や専門学校が充実しており、職業教育にも大きな価値が置かれています。

ドイツと日本の教育制度の違い

続いて、ドイツと日本の教育制度の違いを見ていきましょう。

1. 学年制度
まず、学年制度に関して、日本では一般的に、6年間の小学校、3年間の中学校、3年間の高校、そしてその後、大学進学か就職かを選択する4段階の学年制度が採用されています。

一方、ドイツの学校制度は基礎教育を終えた後に三段階の学校形態に分かれます。これには、職業訓練を重視するHauptschule、高校進学を目指すRealschule、そして大学進学を目指すGymnasiumが含まれており、学生は進学する学校形態を選択します。

2. 大学入学試験
大学入学試験についても、日本では大学進学を希望する学生が大学入試センター試験や各大学独自の入試試験を受験し、合格しなければ大学進学が難しい仕組みです。

一方、ドイツの大学進学はAbitur試験に合格することが一般的であり、この試験を受験するためには高校での学業が必要です。

3. 職業教育
職業教育において、日本では職業訓練校や専門学校が提供されていますが、大学進学が主流とされています。

一方、ドイツは職業教育に力を入れており、多くの学生が職業訓練を受け、高度な職業スキルを習得する機会を持っています。

ドイツの大学ランキング(TOP25)

3つの異なるランキングサイトの情報をもとにした独自の「ドイツの大学ランキング」です。なお、ランキングの順位は各サイトの評価に基づいており、他のランキングサイトと異なることにご注意ください。

1位:ミュンヘン工科大学 (Technical University of Munich)
2位:ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン (Ludwig-Maximilians-Universität München)
3位:ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク (Ruprecht-Karls-Universität Heidelberg)
4位:フンボルト大学ベルリン (Humboldt-Universität zu Berlin)
5位:ベルリン自由大学 (Freie Universitaet Berlin)
6位:RWTH アーヘン大学 (RWTH Aachen University)
7位:フライブルク大学 (Universität Freiburg)
8位:ダルムシュタット工科大学 (Technical University of Darmstadt)
9位:ドレスデン工科大学 (Technische Universität Dresden)
10位:エバーハルト・カール大学テュービンゲン (Eberhard Karls Universität Tübingen)
11位:ゲッティンゲン大学 (University of Göttingen)
12位:ハンブルク大学 (Universität Hamburg)
13位:ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボン (Rheinische Friedrich-Wilhelms-Universität Bonn)
14位:カールスルーエ工科大学 (Karlsruhe Institute of Technology)
15位:ミュンスター大学 (University of Münster)
16位:ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク (Julius-Maximilians-Universität Würzburg)
17位:ケルン大学 (University of Cologne)
18位:マンハイム大学 (Universität Mannheim)
19位:ゲッチンゲン大学 (Georg-August-Universität Göttingen)
20位:フリードリヒシラー大学イエナ (Friedrich Schiller Universität Jena)
21位:シュトゥットガルト大学 (Universität Stuttgart)
22位:ウルム大学 (University Ulm)
23位:ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学 (Westfälische Wilhelms-Universität Münster)
24位:ヨハネスグーテンベルク大学マインツ (Johannes Gutenberg Universität Mainz)
25位:ポツダム大学 (Universität Potsdam)

(参考)Germany | Ranking Web of Universities: Webometrics ranks 30000 institutions
(参考)https://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2021
(参考)World University Rankings 2021 | Times Higher Education (THE)

1位:ミュンヘン工科大学 (Technical University of Munich)

ミュンヘン工科大学は、ドイツで最も優れた工学と自然科学の研究・教育を提供する一流の大学です。革新的な技術と科学の発展においてリーダーシップを発揮しています。

2位:ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン (Ludwig-Maximilians-Universität München)

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンは、ドイツで最も古い大学の一つであり、幅広い学問領域で高品質の教育と研究を提供しています。

3位:ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク (Ruprecht-Karls-Universität Heidelberg)

ルプレヒト・カール大学ハイデルベルクは、歴史と伝統に裏打ちされた卓越した研究大学で、国際的な学術コミュニティに多大な貢献をしています。

4位:フンボルト大学ベルリン (Humboldt-Universität zu Berlin)

フンボルト大学ベルリンは、文化、歴史、科学の中心として知られ、多様な学問領域で高水準の教育と研究を行っています。

5位:ベルリン自由大学 (Freie Universitaet Berlin)

ベルリン自由大学は、自由な学問環境を提供し、国際的な研究と教育に焦点を当てています。多くの分野で優れた評価を受けています。

6位:RWTH アーヘン大学 (RWTH Aachen University)

RWTH アーヘン大学は、工学、自然科学、医学の分野で高い評価を受け、産業界との連携にも力を入れています。

7位:フライブルク大学 (Universität Freiburg)

フライブルク大学は、環境科学や人文科学など多様な分野で優れた教育と研究を行う国際的に評価された大学です。

8位:ダルムシュタット工科大学 (Technical University of Darmstadt)

ダルムシュタット工科大学は、工学と自然科学において高度な知識を提供し、産業界との連携を通じて実用的なアプリケーションを開発しています。

9位:ドレスデン工科大学 (Technische Universität Dresden)

ドレスデン工科大学は、工学、情報技術、自然科学などの分野で優れた教育と研究を行い、イノベーションを促進しています。

10位:エバーハルト・カール大学テュービンゲン (Eberhard Karls Universität Tübingen)

エバーハルト・カール大学テュービンゲンは、多くの分野で高品質の教育と研究を提供し、文化と科学に強みを持っています。

11位:ゲッティンゲン大学 (University of Göttingen)

ゲッティンゲン大学は、多くの分野で高度な研究と教育を提供する国際的に評価された大学であり、数々のノーベル賞受賞者を輩出しています。

12位:ハンブルク大学 (Universität Hamburg)

ハンブルク大学は、多様な学問分野で高品質の教育と研究を行う、北ドイツの重要な教育機関の一つです。

13位:ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボン (Rheinische Friedrich-Wilhelms-Universität Bonn)

ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボンは、環境科学や自然科学、人文科学の分野で高い評価を受け、国際的な研究コミュニティに貢献しています。

14位:カールスルーエ工科大学 (Karlsruhe Institute of Technology)

カールスルーエ工科大学は、工学、情報技術、自然科学における研究と教育のリーダーであり、産業界との連携を強化しています。

15位:ミュンスター大学 (University of Münster)

ミュンスター大学は、多様な分野で高水準の教育と研究を提供し、国際的な学術コミュニティとの協力を重視しています。

16位:ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク (Julius-Maximilians-Universität Würzburg)

ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルクは、医学、自然科学、文化研究などの分野で卓越した教育と研究を行い、地域社会に貢献しています。

17位:ケルン大学 (University of Cologne)

ケルン大学は、多くの学問分野で国際的に評価され、高品質の研究と教育を提供しています。

18位:マンハイム大学 (Universität Mannheim)

マンハイム大学は、経済学、社会科学、ビジネス分野において優れた教育と研究を行い、経済界との連携を強化しています。

19位:ゲッチンゲン大学 (Georg-August-Universität Göttingen)

ゲッチンゲン大学は、多くの分野で高度な知識を提供し、国際的な学術環境で優れた研究と教育を展開しています。

20位:フリードリヒシラー大学イエナ (Friedrich Schiller Universität Jena)

フリードリヒシラー大学イエナは、文化、歴史、自然科学の分野で高品質の教育と研究を提供し、学術コミュニティに貢献しています。

21位:シュトゥットガルト大学 (Universität Stuttgart)

シュトゥットガルト大学は、工学、自然科学、テクノロジーにおける卓越した研究と教育を提供し、産業界との連携を重視しています。

22位:ウルム大学 (University Ulm)

ウルム大学は、医学、自然科学、工学の分野で高い評価を受け、研究と教育において先駆的な役割を果たしています。

23位:ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学 (Westfälische Wilhelms-Universität Münster)

ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学は、多様な学問分野で高品質の教育と研究を行い、国際的な学術コミュニティと連携を図っています。

24位:ヨハネスグーテンベルク大学マインツ (Johannes Gutenberg Universität Mainz)

ヨハネスグーテンベルク大学マインツは、人文科学、社会科学、自然科学の分野で高度な知識を提供し、学際的な研究に貢献しています。

25位:ポツダム大学 (Universität Potsdam)

ポツダム大学は、文化研究、社会科学、自然科学などの分野で高水準の教育と研究を行い、学問の多様性を尊重しています。

ドイツ人の就職事情

前述のとおり、ドイツでは職業訓練に力を入れていることもあり、ドイツの就職事情は一般的に安定しています。また、高度な教育と技術を持つ労働者にとって多くの機会が提供されています。

低い失業率(3%~5%)

ドイツは欧州連合内で低い失業率を維持しており、経済的に安定しています。これは、労働市場が比較的健全で、多くの機会が提供されていることを示しています。特に高度な技術と職業訓練を受けた労働力は高く評価されています。

直近10年間の数値を見ても一番高かった2013年で5%から徐々に下がり続け、コロナによって、4%程度まで上昇しましたが、2023年現在では、また3%程度となっています。

(引用)ドイツ | 失業率 | 1991 – 2023 | 経済指標 | CEIC

多国籍企業の進出

ドイツには多国籍企業が多く進出しており、多様な職種や分野で雇用機会が提供されています。特に自動車産業、工学、医療、情報技術、金融などの分野で多くの仕事があります。

いくつか代表的な多国籍企業を紹介します。

1. フォルクスワーゲン(Volkswagen)
ドイツの自動車メーカーで、世界的に有名です。フォルクスワーゲン・グループは、フォルクスワーゲンブランドのほかに、アウディ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、シュコダ、セアトなどのブランドを所有しています。

2. ダイムラー(Daimler)
ダイムラーは自動車メーカーで、メルセデス・ベンツブランドで知られています。また、トラックブランドであるマニト、バスブランドであるメルセデス・ベンツバスも所有しています。

3. ビーエーエスエフ(BASF)
ビーエーエスエフは世界最大の化学メーカーで、化学製品、プラスチック、農薬、機械など幅広い分野で事業展開しています。

4. シーメンス(Siemens)
シーメンスは電子・電気工学、エネルギー、ヘルスケア、産業自動化など幅広い分野で活動する国際的な企業です。

5. アディダス(Adidas)
アディダスはスポーツ用品メーカーで、スポーツウェア、シューズ、アクセサリーなどを提供しています。

6. ビーレンドルフ(Beiersdorf)
ビーレンドルフはスキンケア製品の製造販売を行っており、ナイヴェア、エウセリン、ラベロ、ハンバーグなどのブランドを所有しています。

7. ボッシュ(Robert Bosch)
ボッシュは自動車部品、家電製品、産業技術など幅広い分野で事業を展開する企業です。

まとめ

この記事では、2023年のドイツの大学ランキングと就職事情について詳しく紹介しました。ドイツの基本情報から教育制度、大学ランキング、そして就職事情まで、ドイツにおける教育とキャリアに関する重要な情報が網羅されています。

ドイツは高品質な教育を提供し、多くの国際的な大学が存在します。また、職業訓練に力を入れ、低い失業率を維持するなど、安定した就職環境も魅力です。多国籍企業の進出により、多様な職種や分野での雇用機会も豊富です。

加地 志帆 /外国人実習雇用士

この記事を書いた人

加地 志帆 /外国人実習雇用士

2019年にYOLO JAPANに入社し、外国人ユーザーの満足度向上を目指し、特にSNSを通じたプロモーション活動を担当。その経験を通じ現在は、企業が外国人採用をスムーズに進められるようヨロワークのウェブサイトにて情報発信。具体的には、外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進するコンテンツの提供。 2023年11月には外国人実習雇用士の資格を取得。企業と外国人が共存できる社会を目指すため外国人採用の知識を深めている。

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