カナダ出身者の採用および選考プロセスにおいて、「カナダの学歴は!?」「この大学の評判は!?」「この教育機関の学位は大学と同等!?」など、疑問を抱えることはありませんか?
この記事では、このような疑問を抱える人事および採用担当者の方々に向けて、カナダの大学ランキング、教育制度、カナダ人の就職事情に関する情報を紹介しています。
カナダの基本情報
まずは、カナダの基本情報と特徴について見てみましょう。
地理的特徴
カナダは世界で2番目に広い国で、陸地の面積は約9,984,670平方キロメートルです。国土は北アメリカ大陸の北部に広がり、アメリカ合衆国との国境を共有しています。カナダの地理は多様で、ロッキー山脈、グレートレイクス、アパラチア山脈、大平原、アークティック地域など、さまざまな地形が存在します。
首都
カナダの首都はオタワ(Ottawa)です。オタワはオンタリオ州とケベック州の州境に位置し、国内政府の中心として機能しています。
人口
カナダの人口は約3,800万人(2021年時点)で、国土の広さを考えると比較的低い人口密度を持っています。カナダは多文化国家で、移民が多く住んでおり、多くの文化的背景を持つ人々が共存しています。
政治体制
カナダは連邦制の立憲君主制です。国家元首はイギリスの君主で、2024年時点では2022年9月8日以来、カナダにおける君主は、イギリス国王でもあるチャールズ3世(第7代)であり、正式な称号はKing of Canada/Roi du Canadaです。国内政府は議会制民主主義に基づいており、首相が政府を指導します。カナダはイギリス連邦の一員として、英国王室と緊密な関係を持っています。
言語
カナダの公用語は英語とフランス語です。英語圏とフランス語圏の2つの主要な言語が存在し、特にケベック州ではフランス語が主要な言語とされています。
経済
カナダの通貨はカナダドル(CAD)です。1カナダドルは100セントで構成されています。カナダ経済は、豊富な自然資源を持ち、鉱物資源(特に石油、天然ガス、鉱石)、林業、漁業が経済の要となっています。また、製造業(自動車、航空機など)やサービス業も成長しており、国際的な貿易が盛んです。
文化・観光
カナダは多文化国家で、多くの文化的背景を持つ人々が共存しています。カナダ文化は多様性を尊重し、芸術、音楽、映画、文学、料理などで多くの影響を受けています。国内外で評価されるアーティストや文化的な出来事が多いです。
カナダは美しい自然景観が豊富で、ロッキー山脈、ナイアガラの滝、バンフ国立公園、トロント、バンクーバーなどが観光名所です。四季折々のアウトドア活動(スキーやハイキングなど)が楽しめます。また、野生動物観察も魅力の一つです。
カナダの教育制度の特徴
ここからは、一般的なカナダの教育制度の特徴についてみていきましょう。
学年暦と入学年度
カナダの学年暦は通常、9月から翌年8月までの一年間です。新学年は9月に始まります。
就学前教育
カナダでは就学前教育が提供されており、主に4〜5歳児が対象です。この教育は初等学校に付設された幼稚園クラスなどで行われており、2011年時点で在籍率は72%でした。
義務教育
カナダの義務教育は州によって異なりますが、一般的には6〜16歳の10年間が義務化されています。一部の州では5歳から始まり、一部の州では18歳まで続きます。
初等教育と中等教育
初等中等教育はほとんどの州で通算12年間です。初等学校は通常、6歳から始まり、修業年限は5年制、6年制、7年制、8年制などがあります。中等学校も初等学校に応じた修業年限を持ち、学年制度は州によって異なります。
高等教育
高等教育は大学やカレッジで提供されています。大学は学士課程、修士課程、博士課程を提供し、通常、学士課程は3〜4年、修士課程は2年、博士課程は3〜5年で論文提出が学位授与の条件です。カレッジでは準学士課程、ディプロマ課程、短期課程なども提供されています。
教育行政
カナダは10の州と3つの準州から成る連邦国家で、教育は州の専管事項です。連邦政府は教育を所管せず、州・準州が教育制度を管理しています。各州には教育を担当する政府機関が設置されており、初等中等教育や高等教育の運営を行っています。
カナダと日本の教育制度の共通点
カナダと日本の教育制度にはいくつかの共通点があります。ここからは、その共通点について詳しく紹介していきます。
義務教育の存在
両国ともに義務教育が存在し、全ての児童・生徒に基本的な教育を提供するための法的な要件があります。義務教育は小学校と中学校で構成されています。
高等教育への進学
両国ともに高等教育への進学が一般的で、多くの学生が大学や専門学校に進学し、大学進学志向が強いです。
カナダと日本の教育制度の違い
一方で、カナダと日本の教育制度にもいくつかの違いがあります。ここからは、その違いを紹介していきます。
学年暦
カナダの学年暦は9月から翌年8月までの1年間ですが、日本の学年暦は4月から3月までの1年間です。
学年制度の構成
カナダでは初等中等教育の段階が通算12年間で、学年制度は州によって異なります。一方、日本では初等中等教育は9年間(小学校6年間と中学校3年間)で、高等学校段階が続きます。
学力評価の方法
カナダと日本では学力評価の方法が異なります。日本では厳格な試験や入試が一般的であり、学生の成績が進学に大きな影響を与えます。一方、カナダでは学力評価が多角的で、試験以外の要素も評価に含まれます。
社会的プレッシャー
日本の教育文化では学業に対する社会的プレッシャーが強く、試験結果や進学先が個人や家族の評価に影響を与えることがあります。カナダではプレッシャーは比較的軽いとされます。
カナダの大学ランキング(TOP20)
異なるランキングソースのデータを参考にして、カナダの大学を総合的に評価した「YOLO WORK」独自のカナダ大学ランキングを紹介していきます。
1位:トロント大学 (University of Toronto)
2位:ブリティッシュコロンビア大学 (University of British Columbia)
3位:マギル大学 (McGill University)
4位:マクマスター大学 (McMaster University)
5位:モントリオール大学 (University of Montreal)
6位:アルバータ大学 (University of Alberta)
7位:オタワ大学 (University of Ottawa)
8位:カルガリー大学 (University of Calgary)
9位:ウォータールー大学 (University of Waterloo)
10位:ウエスタン大学 (Western University)
11位:ダルハウジー大学 (Dalhousie University)
12位:ラヴァル大学 (Université Laval)
13位:クイーンズ大学 (Queen’s University)
14位:サイモンフレイザー大学 (Simon Fraser University)
15位:マニトバ大学 (University of Manitoba)
16位:ビクトリア大学 (University of Victoria)
17位:サスカチュワン大学 (University of Saskatchewan)
18位:ヨーク大学 (York University)
19位:カールトン大学 (Carleton University)
20位:グエルフ大学 (University of Guelph)
それでは、それぞれの大学の特徴を見ていきましょう。
1位:トロント大学 (University of Toronto)
トロント大学は、カナダ最大の都市、トロントに位置し、国際的に高い評価を受けています。トロント大学は医学、ビジネス、工学、法学など多くの分野で優れたプログラムを提供しており、特に医学部は世界的に有名です。また、研究力も非常に高く、多くの研究プロジェクトや施設があります。さらに、国際的な学生コミュニティが形成されており、留学生が多く在籍しています。
2位:ブリティッシュコロンビア大学 (University of British Columbia)
ブリティッシュコロンビア大学は、カナダの西海岸に位置し、美しい自然環境に囲まれています。この大学は環境学、コンピューターサイエンス、工学、ビジネスなど多くの分野で高い評価を受けており、国際的な研究プロジェクトに積極的に参加しています。さらに、学生生活が充実しており、キャンパス内にはさまざまなクラブやアクティビティがあります。
3位:マギル大学 (McGill University)
マギル大学はカナダのモントリオールに位置し、英語とフランス語のバイリンガルな環境で教育を提供しています。この大学は医学、生命科学、工学、法学など幅広い分野で高い評価を受けており、イノベーションと起業家精神を奨励しています。また、国際的な大学として多くの留学生が在籍し、国際的な学術コミュニティに貢献しています。
4位:マクマスター大学 (McMaster University)
マクマスター大学はオンタリオ州のハミルトンに位置し、医学、工学、ビジネス、社会科学など多くの分野で高い評価を受けています。この大学はイノベーションと研究に焦点を当て、産業界との協力が盛んです。さらに、学生にはプロフェッショナルなコープワーキングスペースや研究施設が提供され、コミュニティへの貢献を重視しています。
5位:モントリオール大学 (University of Montreal)
モントリオール大学はカナダのフランス語圏に位置し、フランス語で教育を提供しています。この大学は医学、法学、社会科学、芸術など多くの分野で高い評価を受けており、国際的な研究ネットワークを構築し、国際的な学術コミュニティに貢献しています。モントリオールの文化的多様性と歴史的な魅力を学生に提供し、留学生が多く在籍しています。
6位:アルバータ大学 (University of Alberta)
アルバータ大学はカナダのアルバータ州に位置し、幅広い分野で高い評価を受けています。特に工学、環境科学、医学、経済学などで優れたプログラムを提供しており、研究力も非常に高いです。カナダのエネルギー産業に関連する研究やイノベーションが盛んであり、学生に実践的な経験を提供しています。
7位:オタワ大学 (University of Ottawa)
オタワ大学はカナダの首都、オタワに位置し、英語とフランス語のバイリンガルな環境で教育を提供しています。この大学は法学、政治学、通信学、国際関係などの分野で高い評価を受けており、政府関連の研究機関との協力が盛んです。国際的な学生コミュニティが形成されており、国際的な視野を持つ学生を育てています。
8位:カルガリー大学 (University of Calgary)
カルガリー大学はアルバータ州のカルガリーに位置し、エネルギー、環境科学、ビジネス、工学など幅広い分野で高い評価を受けています。特にエネルギー関連の研究が盛んであり、カルガリーのエネルギー産業との連携が強化されています。学生には実践的な経験を積む機会が豊富で、起業家精神を奨励しています。
9位:ウォータールー大学 (University of Waterloo)
ウォータールー大学はオンタリオ州のウォータールーに位置し、工学、コンピューターサイエンス、ビジネス、数学などの分野で高い評価を受けています。この大学は特にテクノロジーとイノベーションに焦点を当てており、多くのテクノロジー企業と連携し、学生に実践的なスキルを提供しています。起業家精神が根付いており、学生が新しいビジネスを立ち上げるサポートも行っています。
10位:ウエスタン大学 (Western University)
ウエスタン大学はオンタリオ州のロンドンに位置し、医学、ビジネス、社会科学、芸術など多くの分野で高い評価を受けています。医学研究と医療分野での卓越性が特に注目されており、医学部は世界的に有名です。また、学生には豊富な研究機会が提供され、学際的なアプローチを奨励しています。ウエスタン大学はキャンパス内で多くの文化的なアクティビティやクラブも提供し、学生生活が充実しています。
11位:ダルハウジー大学 (Dalhousie University)
ダルハウジー大学はカナダの東海岸に位置し、医学、法学、工学、ビジネスなどの多くの分野で高い評価を受けています。特に医学部はその優れた教育プログラムと研究活動で知られ、地域社会への影響力が大きいです。また、海洋科学の研究も盛んで、海洋学部があります。ダルハウジー大学は歴史的な建物とモダンな施設が共存する美しいキャンパスを持ち、国際的な学生と教員が交流する環境が整っています。
12位:ラヴァル大学 (Université Laval)
ラヴァル大学はケベック州に位置し、フランス語圏の大学として知られています。フランス語で教育を提供し、多くの学部とプログラムを持っています。特に医学、法学、工学、ビジネスなどの分野で高い評価を受けており、フランス語圏の学生にとっては優れた選択肢です。研究も盛んで、ケベック州内外から多くの学生が集まります。
13位:クイーンズ大学 (Queen’s University)
クイーンズ大学はオンタリオ州のキングストンに位置し、高品質な教育と研究で知られています。特にビジネス、工学、医学、法学、芸術などの分野で優れたプログラムを提供しており、卒業生は幅広い職業分野で成功を収めています。クイーンズ大学は歴史的なキャンパスと現代的な施設を組み合わせ、学生に質の高い学習環境を提供しています。
14位:サイモンフレイザー大学 (Simon Fraser University)
サイモンフレイザー大学はブリティッシュコロンビア州のバンクーバーに近いバーナビーに位置し、環境科学、通信学、ビジネス、人文科学などの分野で高い評価を受けています。この大学は特にイノベーションと持続可能な開発に焦点を当てており、地域社会との連携が強化されています。美しい山々に囲まれたキャンパスは、アクティブな学生生活を楽しむのに最適な場所です。
15位:マニトバ大学 (University of Manitoba)
マニトバ大学はカナダの中央部、ウィニペグに位置し、多くの分野で高い評価を受けています。医学、工学、農学、法学、芸術など幅広い学術分野が提供されており、学生に多様なキャリアオプションを提供しています。また、大学は研究活動が盛んで、地域社会や国際的な問題に取り組んでいます。ウィニペグ市内に位置するキャンパスはアクセスが良く、学生にとって魅力的な環境です。
16位:ビクトリア大学 (University of Victoria)
ビクトリア大学はブリティッシュコロンビア州のビクトリアに位置し、環境研究、人文科学、ビジネス、工学などの分野で高い評価を受けています。特に環境に関連するプログラムが強化されており、持続可能性と自然保護に焦点を当てています。ビクトリア大学のキャンパスは美しい海岸線に面し、アクティブなアウトドア活動を楽しむのに最適な環境です。
17位:サスカチュワン大学 (University of Saskatchewan)
サスカチュワン大学は、カナダの中部に位置し、農学、医学、工学、教育学など多くの分野で高い評価を受けています。大学は特に農業研究とバイオテクノロジーに関連する研究が盛んで、カナダの農業に貢献しています。サスカチュワン大学のキャンパスは広大で、学生に豊かな学習環境を提供しています。
18位:ヨーク大学 (York University)
ヨーク大学はオンタリオ州のトロントに位置し、多様な学術分野をカバーする大学です。法学、ビジネス、芸術、社会科学、工学など幅広いプログラムが提供されており、学生に多くの選択肢を提供しています。ヨーク大学はトロントの中心部に位置し、文化的多様性とアートシーンにアクセスが便利です。
19位:カールトン大学 (Carleton University)
カールトン大学は、カナダの首都、オタワに位置し、ジャーナリズム、国際事務、工学、ビジネスなどの分野で高い評価を受けています。特にジャーナリズム学部はカナダでトップクラスのプログラムとして知られ、メディア業界への就職に強力なバックグラウンドを提供しています。キャンパスは政府機関や国際機関に近い場所に位置し、国際的な関係を築くのに有利です。
20位:グエルフ大学 (University of Guelph)
グエルフ大学は、オンタリオ州のグエルフに位置し、農学、獣医学、食品科学、環境科学などの分野で優れたプログラムを提供しています。特に農業と環境に関連する研究が強化されており、持続可能な農業と環境保護に貢献しています。大学のキャンパスは美しい自然環境に囲まれており、学生にリラックスした学習環境を提供しています。
カナダの就職事情
最後は、カナダの就職事情について、詳しく紹介していきます。
失業率
カナダの失業率は一般的に低い傾向にあります。失業率は地域や業種によって異なりますが、全体的には比較的安定しています。ただし、特定の時期や経済的な状況によって変動することもあります。
労働市場
カナダの労働市場は多様で、多くの業種で仕事があります。特に情報技術、医療、エンジニアリング、建設、教育などの分野で需要が高いです。また、観光業やサービス業も大きな雇用機会を提供しています。
外国人労働者
カナダは外国人労働者を歓迎しており、留学生や移民が多くの職種で活躍しています。留学生ビザや労働ビザを取得することで、カナダでの仕事を見つけることができます。