コラム

台湾人の性格や特徴、国民性は?仕事で上手く関係を築く秘訣も解説

この記事では、台湾と日本の歴史的な繋がりや文化、仕事における異なる視点に焦点を当てました。台湾人との良好な関係を築くには、お互いの文化や習慣を尊重し、効果的なコミュニケーションを築くことが成功の鍵です。台湾人の親日的な性格、時間に対する柔軟性、そして個人プレーが目立つ傾向を理解し、報連相の習慣を重要視することで、台湾人との仕事が円滑に進むでしょう。さらに、お互いの文化や習慣を尊重し、定期的なコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築き、協力を高めることができます。台湾人との仕事を成功に導くために、これらの要点を意識的に活用しましょう。

台湾の基本情報

台湾は、約36,190平方キロメートルの面積を持つ島国で、九州地方とほぼ同じ広さになっており東アジア最大級の島国です。首都は台北(Taipei)であり、政治的な中心地でもあります。人口は約2,326万人でその多くが首都の台北に集中し、高度に都市化された地域が多いという特徴を持っています。

台湾は観光業も盛んで、観光スポットとして「台北101」、「夜市」、「太魯閣国家公園」などがあり、コロナ前の2019年には年間200万人以上の日本人が訪れていました。また、台湾はグルメも充実しており、「小籠包」や「魯肉飯」などの台湾料理を味わえます。

台湾と日本の歴史的関係性

台湾は1895年の日清戦争での日本の勝利により、日本による統治が始まりました。この期間は約50年にわたり、台湾は日本の統治下に置かれました。この間、台湾では日本教育が導入され、台湾の子供たちは日本の教育を受けました。日本は台湾の習慣、言語、文化をできるだけ日本に近づけるよう努力しました。しかし、台湾人の間で日本に対する不満や否定的な意見はあまり聞かれず、むしろ親日的な感情が根付きました。この背後には、台湾のインフラ整備や農業用水の供給など、統治時代に台湾経済に大きな影響を与えた成果があったと考えられます。

1945年、日本が無条件降伏し、台湾は中華民国に返還されました。しかし、その後、国民党政府による台湾人に対する弾圧事件(228事件)が発生し、台湾では日本統治時代の平和と経済的な繁栄が懐かしみ、日本に対する友好的な感情が高まりました。

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台湾の気候

台湾は沖縄に非常に近い位置にあり、一年中温暖で「常夏」の気候が特徴です。通年を通じて高温かつ湿度が高い環境で、特に夏季は蒸し暑い日が続きます。夏季は4月中旬から10月中旬にかけて続き、特に7月から9月は真夏の時期で、気温と湿度が高く、過ごしにくいことがあります。また、降水量も多く、6月から9月にかけては台風が頻繁に接近し、大雨がよく発生します。

一方、12月から2月の冬季は比較的温暖な気候が広がりますが、気温は下がり、乾燥する傾向があります。台湾の平地部分、例えば台北や高雄では、気温は15度前後から20度前後になります。しかし、高山地帯では氷点下にまで気温が下がることもあります。

台湾の言語や教育や宗教

台湾の言語
台湾では、戦後から母国語として北京語、つまり中国語が公用語として使用されています。台湾人は中国語を「国語」や「台湾華語」と呼びます。会議や教育など、あらゆる場面で中国語が一般的に使用されていますが台湾人の家庭では台湾語を話す家庭も存在します。中には台湾語が得意でない台湾人学生もいるようですが年配の台湾人や南部地域では、台湾語を話す人が多く見られます。台湾には他にも多くの原住民の言語が存在し、言語の多様性が特徴の一つです。

台湾の教育制度
台湾の教育制度は、日本と類似しており、就学前教育、初等教育、中等教育(前期・後期)、高等教育の段階で構成されています。ただし、大きな違いは、台湾ではすべての学校段階が義務教育であることです。具体的な教育段階は以下の通りです:

・小学校(國民小學):6年間
・中学校(國民中學):3年間
・高等学校(高級中學)または職業訓練校(高級職業学校):3年間
・大学/大学院修士課程/博士課程/専門学校:4年から7年間

日本では義務教育が6歳から15歳までの9年間ですが、台湾では6歳から18歳までの12年間がすべて義務教育とされています。また、高校卒業後は4年制大学へ進学する傾向が強く、台湾政府の教育統計によると2020年に卒業した高校生の大学進学率は84.2%に達し、普通科の生徒の進学率は95.4%と高い水準にあります。

台湾の宗教
台湾は多くの宗教が信仰されており、宗教的な多様性が特徴です。台湾での主な宗教は、伝統的な道教や仏教、そしてキリスト教です。台湾の宗教は習合的な特徴を持っています。多くの場合、一つの寺院や廟で、仏教、道教、民間信仰の神々が共に祀られていることは珍しくありません。さらに、台湾の人々はしばしば複数の宗教を信仰し、厳密な宗教の区別を意識することは少ない傾向があります。台湾の宗教は、異なる信仰体系が交錯し、融合することによって、独自の多様性と包括性を持っています。

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日本国内にいる台湾人

2022年12月現在、日本国内には約5万7,000人の台湾人が在留しており、国籍別の在留資格のランキングでは上位十か国に位置しています。
台湾人の在留資格を詳しく見てみると、「永住者」資格が台湾人の約54.2%を占め、次に「技術・人文知識・国際業務」資格が約23.0%を占めています。これからもわかるように、台湾人の在留者の中で、高度な技術や知識を持つ人々や長期滞在者が多い傾向にあります。

日本在住の台湾人:54,213人(100%)
・永定配:29,387人(約54.2%)
・技人国:12,456人(約23.0%)
・留学:5,387人 (約9.9.%)
・家族滞在:2,115人(約3.9%)
・特別永住者:1,069人(約2.0%)
・特定活動:933人(約1.7%)
・特定技能:144人(約0.3%)
・その他:2,727人(約5%)

(参考)令和4年6月末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁

台湾人の特徴・国民性

台湾人の国民性や性格は多様で、一般的な特徴を指摘することは難しいですが、いくつか一般的な傾向や文化的な要素が存在します。台湾人の国民性や性格に注目してみましょう。

親日派の台湾人が多い

前述の通り、台湾では日本統治時代におけるインフラ整備や教育の向上など、多くの面で日本の影響を受けました。そのため、親日家の台湾人が多いと言えます。そして、現代では、台湾のテレビには複数の「日本チャンネル」が存在し、日本との繋がりをメディアを通じて維持できます。

台湾人が感じる日本のイメージは非常に好意的で、日本は美しい街並みと高い治安の国として知られています。女性が夜中に一人で外出することが安心でき、日本人は礼儀正しく、細やかな気配りが得意とされています。総じて、台湾人にとって日本は安全で安心感のある国として高く評価されています。

フレンドリーな精神

台湾は沖縄から近い南国の暖かい国のため、台湾人は南国特有の陽気さがあり、楽観的な要素があります。昔から日本人が台湾を観光する機会もたくさんあり、観光客にもフレンドリーに接する台湾人が多いです。

適応力が高い

台湾人は、日本人と比較して、他人の評価や視線を気にしすぎない傾向があります。日本では他人の目を気にする文化が浸透しており、それが言語表現などにも影響を与えていますが、台湾人は比較的他人の評価を気にせず、自分らしさを大切にすることが一般的です。

また、台湾人は国際的な交流において、他人の感情や文化的背景を尊重し、柔軟な姿勢を持つことが一般的です。彼らは外国の文化に興味を持ち、積極的に受け入れる傾向があり、異文化の受け入れに抵抗が少ないため、異文化を事業に活かす能力も備えています。

家族を大切にする

台湾人は、家族との絆を非常に大切にし、家族や親族経営の会社が多いのが特徴です。台湾では、特に旧正月などの節目のイベントは家族と共に過ごすことが一般的であり、彼氏や彼女が家族の集まりに参加することも日常的です。親戚との関係も非常に広範で、大勢の人々が集まって過ごすことが普通なため、これに驚く日本人も多いようです。

物事をはっきり伝える

台湾人は、自分の意見や考えをはっきりと伝えることが一般的です。一方、日本人の文化では、あいまいな表現や暗示がよく使われ、相手に解釈を任せることが多いため、台湾の率直なコミュニケーションスタイルは日本人にとって驚きや違和感を持つことがあります。台湾人は、相手に対して率直に褒めたり、批判したり、アドバイスしたりすることで、コミュニケーションを大切にしています。したがって、異なるコミュニケーションスタイルに慣れる際には、台湾人の意図を理解し、尊重することが大切です。

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台湾人の仕事に対する意識・仕事観

台湾での仕事やビジネスにおいて、彼らの価値観や労働文化を尊重し、効果的なコミュニケーションを構築することは成功に向けて重要です。台湾人の仕事に対する意識について紹介します。

時間にルーズ

台湾人は、日本人と比べると時間に対してあまり厳密ではない傾向があります。約束の時間に遅れたり、予定をキャンセルすることが頻繁にあるかもしれません。

また、時間を絶対に守らなければならないという強い観念が一般的ではなく、楽観的な考え方や計画性の不足が見られることがあります。したがって、時間厳守を期待するのは難しいかもしれません。

個人プレーが多い

台湾では、欧米諸国と同様にジョブ型採用が一般的で、各人の仕事の役割と権限が明確に定義されています。このため、台湾人は真面目で責任感が強く、自分の業務に専念する国民性を持っていますが、日本人と比較すると他の分野にはあまり関心がない傾向があります。

転職に対してポジティブ

台湾人は、転職を前向きな選択として受け止め、収入向上を目指して積極的に転職を検討する傾向が強いため、長期間同じ企業での勤務に執着するよりも、新しい職場でのチャンスを追求することが一般的です。

特に20代の台湾人の平均勤続期間は約1年半で、平均転職回数は3〜4回とされ、これは日本よりも多い傾向にあります。台湾では新卒採用の文化が一般的ではなく、大学を卒業した後に就職先を探すことが一般的です。また、台湾は通年で採用が行われ、就職活動の期間が明確に定まっていないため、離職者のポジションを埋めるための人材が常に求められています。

飲み会文化はない

台湾人は、日本のようにお酒を飲みながら親交を深める「飲みニケーション」文化があまり浸透しておらず、職場で率直に意見を交換できることが特徴です。そのため、台湾人は飲み会に参加することを重要視していない傾向があります。また、家族を大切にする意識も強いため、仕事以外の時間を家族と過ごすことを優先することがよくあります。

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台湾人と上手に仕事をする秘訣

台湾人と協力して仕事を成功させるためには、彼らの仕事に対する考え方を理解し、適切に対応することが大切です。台湾人と上手に仕事をする3つの秘訣を紹介します。

報連相の習慣をつける

日本企業で重要視される「報連相」の習慣が台湾ではあまり一般的ではないため、仕事の進捗状況や問題点を適切なタイミングで上司や関係者に報告し、連絡を取り合い、協力し合う習慣が不足していることがあります。したがって、台湾人との信頼関係rを築く場合は「報連相」の習慣を強化することが重要です。

自分の意思をはっきり伝える

台湾人は自分の意見や考えを率直に表現することが一般的です。
一方、日本の文化では、あいまいな表現が台湾人にとっては理解しづらい場合があります。コミュニケーションを円滑に進めるために、率直な表現を心がけましょう。

残業しない環境作り

台湾では、欧米諸国と同様にジョブ型採用が一般的で、結果を重視する傾向があります。日本では、他の人の仕事を手伝うことが多いですが、台湾では自分の業務に集中し、効率的に作業して結果を出すことが重要視されています。そのため、仕事のペースは速く、退勤時間になるとすぐに帰宅することが一般的です。

また、残業は好意的に受け取られず、多くの人が転職を考える際に、残業時間が過度であることが原因になる可能性があります。この傾向は台湾人だけでなく、外国人材にも共通していることが多いため、留意しておくことが大切です。

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まとめ

台湾は昔から日本と深く関係性を築いてきた国の一つで、親日家でフレンドリーな人が多い印象です。仕事においては時間にルーズな傾向があり、個人プレーが多いですが、あいまいな表現を避け、自分の意思をしっかり伝え日ごろ方報連相の習慣をつけていくことが重要です。お互いの文化、習慣、価値観を理解し、定期的にコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築き、協力力を高める大切な要素になってくるでしょう。

YOLO総研 編集部 シホ

この記事を書いた人

YOLO総研 編集部 シホ

2023年に外国人実習雇用士の資格を取得し、外国人採用を円滑に進めるための情報を日々発信しています。

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