コラム

【中国の大学ランキング2023】人気大学と就職事情を解説

中国出身者の採用および選考プロセスにおいて、「中国の学歴は!?」「この大学の評判は!?」「この教育機関の学位は大学と同等!?」など、疑問を抱えることはありませんか?

この記事では、このような疑問を抱える人事および採用担当者の方々に向けて、中国の大学ランキング、教育制度、韓国人の就職事情に関する情報を紹介しています。

目次

中国の基本情報

中国の大学ランキングや就職事情の前に、まずは、中国という国の基本情報を見ていきましょう。

世界第二位の経済力

中国は世界で最も人口の多い国であり、経済的にも大きな影響力を持つ国として認識されています。中国は世界の工業生産や輸出入の中心地であり、多国籍企業や国際的な貿易において重要な役割を果たしています。

中国共産党による一党独裁政権

中国は中国共産党による一党制国家として知られており、政治的な自由や民主主義が制約されているとの見方が広まっています。中国政府は厳格な統制を行い、情報統制や言論の自由の制約があります。国際社会では、中国の政治体制についてさまざまな議論があります。

アジアの中心国

中国はアジア地域における主要なプレイヤーであり、周辺国との関係が注目されています。

また、国際連合(UN)の安全保障理事会の常任理事国であり、国際政治においても重要な役割を果たしています。一方で、中国と隣国との領土紛争や外交的な対立も存在します。

技術革新(イノベーション)

中国は最近では技術分野で急速な進化を遂げ、人工知能(AI)、電子商取引、5G通信技術、宇宙探査などの分野で注目を集めています。中国の技術企業は国際的にも競争力を持ち、グローバル市場で存在感を増しています。

環境への配慮と持続可能性

中国は工業化と都市化が急速に進行し、環境問題や持続可能性への課題も抱えています。一方で、中国政府は気候変動対策や再生可能エネルギーへの投資を増やしており、国際的な環境問題においても重要な役割を果たしています。

中国の教育制度の特徴

ここからは、一般的な中国の教育制度の特徴についてみていきましょう。

学校体系と学年

中国の学校体系は、9月から始まり、翌年の7月までの学年暦を採用しています。義務教育は、6歳から15歳の9年間に及びます。

就学前教育は3歳から6歳までの幼児が対象で、通常、幼稚園または小学校に付設された幼児学級で提供されます。

義務教育は、6歳から15歳までの9年間で構成され、基本的には小学校(6年制)と中学校・高校が含まれます。

高等教育(大学)と進学率

高等教育は大学や専科学校、職業技術学院などで行われ、学士学位、修士学位、博士学位が取得できます。中国の学校を卒業すると、学校種別によって異なる学位や卒業証書が授与されます。

大学進学率について、2016年には42.7%と報告されており、日本の大学進学率(2019年)58.1%と比べると、日本より大学進学率が低いことがお分かりいただけるでしょう。

教育行政

教育行政は、中央政府の教育部が統括し、地方の省・自治区・直轄市には教育委員会・教育庁・教育局が設置されています。

教育部は教育政策や基本方針を制定し、地方の教育機関に指導を行います。初等中等学校の管理は主に地方政府に委ねられています。

中国と日本の教育制度の共通点

共通点として、両国は義務教育を実施しており、基本的な学習を提供するための一定の教育段階が存在します。6歳から15歳までの9年間が義務教育期間とされており、学年制度も採用されています。

また、高等教育機関として大学が存在し、学士、修士、博士の学位が取得可能です。

中国と日本の教育制度の違い

一方で、両国の教育制度にはいくつかの違いもあります。

学年暦が異なり、日本は4月から3月までの学年制を採用しているのに対し、中国は9月から7月までの学年制を採用しています。

学位システムにも差異があり、中国では学士、修士、博士の学位が主要ですが、日本では学士の後に修士が続き、博士課程が提供されます。さらに、教育行政の構造や教育カリキュラム、評価方法などにも異なる特徴が見られます。

中国の大学ランキング(TOP30)

異なるランキングソースのデータを参考にして、中国の大学を総合的に評価した「YOLO WORK」独自の中国大学ランキングを紹介していきます。

1位:清華大学 (Tsinghua University)
2位:北京大学 (Peking University)
3位:復旦大学 (Fudan University)
4位:上海交通大学 (Shanghai Jiao Tong University)
5位:浙江大学 (Zhejiang University)
6位:中国科学技術大学 (University of Science and Technology of China)
7位:南京大学 (Nanjing University)
8位:武漢大学 (Wuhan University)
9位:同済大学 (Tongji University)
10位:華中科技大学 (Huazhong University of Science and Technology)
11位:中山大学 (Sun Yat-sen University)
12位:北京師範大学 (Beijing Normal University)
13位:南方科技大学 (Southern University of Science and Technology)
14位:南開大学 (Nankai University)
15位:上海大学 (Shanghai University)
16位:天津大学 (Tianjin University)
17位:北京理工大学 (Beijing Institute of Technology)
18位:華東師範大学 (East China Normal University)
19位:蘭州大学 (Lanzhou University)
20位:中国地質大学 (China University of Geosciences)
21位:深圳大学 (Shenzhen University)
22位:西安交通大学 (Xi’an Jiaotong University)
23位:中国人民大学 (Renmin University of China)
24位:北航辦公立大学 (Beihang University)
25位:中南大学 (Central South University)
26位:東南大学 (Southeast University)
27位:曁南大学 (Jinan University)
28位:武漢理工大学 (Wuhan University of Technology)
29位:北京科技大学 (University of Science & Technology Beijing)
30位:華南理工大学 (South China University of Technology)

それでは、ここからは各大学の特徴を簡単に紹介していきます。

1位:清華大学 (Tsinghua University)

清華大学は、中国で最も有名な大学の一つで、総合的な教育と優れた研究施設を提供しています。特に工学、情報技術、経済学の分野で高い評価を受けており、国際的な学生交流プログラムも充実しています。

2位:北京大学 (Peking University)

北京大学は、中国で最も歴史ある大学の一つで、幅広い学問分野で優れたプログラムを提供しています。特に社会科学、文学、法律、医学の分野で著名であり、国際的な研究と学生交流にも力を入れています。

3位:復旦大学 (Fudan University)

復旦大学は上海に位置し、経済学、金融学、外国語学などの分野で高い評価を受けています。国際的な学生交流プログラムが盛んで、多様な学問分野にわたるプログラムを提供しています。

4位:上海交通大学 (Shanghai Jiao Tong University)

上海交通大学は工学、経済学、経営学、医学など幅広い分野で高い評価を受けており、上海のビジネスハブに位置しています。国際的な学生と教員の交流が盛んで、実務経験を提供するプログラムがあります。

5位:浙江大学 (Zhejiang University)

浙江大学は理工学、情報技術、生命科学などで高い評価を受けており、特に工学分野が強力です。イノベーションと起業家精神を奨励し、研究成果の実用化に力を入れています。

6位:中国科学技術大学 (University of Science and Technology of China)

中国科学技術大学は理工学、自然科学、情報技術の分野で高い評価を受ける中国を代表する大学です。科学研究に力を入れ、国際的な共同研究も積極的に行っています。

7位:南京大学 (Nanjing University)

南京大学は文学、歴史、哲学、社会科学などの人文科学と、理工学、医学などの自然科学分野で高い評価を受けています。美しいキャンパスと文化的な活動が特徴で、留学生を歓迎しています。

8位:武漢大学 (Wuhan University)

武漢大学は医学、生命科学、工学、経済学など多くの分野で高い評価を受けています。医学研究に力を入れ、キャンパスは美しい環境で学問と文化の融合が図られています。

9位:同済大学 (Tongji University)

同済大学は工学、建築学、環境科学、経営学など多様な分野で高い評価を受けています。環境関連のプログラムが充実し、上海のビジネスエリアに位置して産業界との連携が強化されています。

10位:華中科技大学 (Huazhong University of Science and Technology)

華中科技大学は工学、医学、経済学など幅広い分野で高い評価を受けています。医学部が著名で、多くの国際的な学生交流プログラムを提供し、国際的な学際研究にも取り組んでいます。

11位:中山大学 (Sun Yat-sen University)

中山大学は中国南部の広東省に位置し、総合的な大学です。医学、ビジネス、外国語学など多くの分野で高い評価を受けています。国際的な学生交流が盛んで、広東省の重要な文化的・経済的中心地に位置しています。

12位:北京師範大学 (Beijing Normal University)

北京師範大学は教育学、心理学、文学などの教育関連分野で高い評価を受けており、中国の教育システムの発展に貢献しています。教育研究と教育実践の両方に力を入れています。

13位:南方科技大学 (Southern University of Science and Technology)

南方科技大学は中国の最新の大学の一つで、科学技術、工学、経営学の分野で力を発揮しています。国際的な教育環境を提供し、イノベーションと起業家精神を奨励しています。

14位:南開大学 (Nankai University)

南開大学は北京に位置し、社会科学、法学、経済学、外国語学など幅広い分野で評価されています。中国の近代史において重要な役割を果たし、国際的な学術交流が盛んです。

15位:上海大学 (Shanghai University)

上海大学は上海に位置し、工学、経済学、情報技術など多くの分野で高い評価を受けています。特に工学分野が力強く、実務経験を提供するプログラムが充実しています。

16位:天津大学 (Tianjin University)

天津大学は工学、自然科学、経済学、経営学の分野で評価されており、中国の先端技術開発に貢献しています。国際的な共同研究と産業界との連携が強調されています。

17位:北京理工大学 (Beijing Institute of Technology)

北京理工大学は工学、情報技術、経済学、国際関係学など多くの分野で高い評価を受けています。国防技術研究と産業技術開発にも関与しており、実務経験を積む機会があります。

18位:華東師範大学 (East China Normal University)

華東師範大学は教育学、文学、社会科学などで高い評価を受け、教育改革と教育研究に力を入れています。国際的な教育交流プログラムも豊富です。

19位:蘭州大学 (Lanzhou University)

蘭州大学は甘粛省に位置し、工学、自然科学、医学、農学など多くの分野で評価されています。環境関連の研究が重要で、環境保護と持続可能な発展に取り組んでいます。

20位:中国地質大学 (China University of Geosciences)

中国地質大学は地質学、環境科学、資源学の分野で高い評価を受けており、地球科学に関する研究と教育に専念しています。地質学と環境科学の分野で多くの国際的な協力プロジェクトに参加しています。

21位:深圳大学 (Shenzhen University)

深圳大学は中国南部の広東省深圳に位置し、工学、ビジネス、情報技術などの分野で高い評価を受けています。深圳は中国の経済特区であり、テクノロジー企業やスタートアップ企業が集まっていることから、産業界との連携が盛んです。国際的な学生交流プログラムも提供しています。

22位:西安交通大学 (Xi’an Jiaotong University)

西安交通大学は中国の西部に位置し、工学、医学、ビジネスなど幅広い分野で高い評価を受けています。中国の高速鉄道技術の発展に貢献し、交通システムに関する研究が得意です。また、歴史的な背景を持つ大学で、文化的な魅力もあります。

23位:中国人民大学 (Renmin University of China)

中国人民大学は北京に位置し、法学、経済学、社会科学など幅広い分野で高い評価を受けています。政治、法律、経済に焦点を当てた教育プログラムが充実しており、政府関連の研究と連携が強調されています。

24位:北航辦公立大学 (Beihang University)

北航辦公立大学は北京に位置し、航空宇宙工学、工学、情報技術などの分野で高い評価を受けています。中国の航空宇宙産業において中心的な役割を果たし、宇宙技術や航空機の研究が行われています。

25位:中南大学 (Central South University)

中南大学は中国の湖南省に位置し、鉱業工学、医学、材料科学など多くの分野で高い評価を受けています。鉱業関連の研究と教育に力を入れており、資源開発や環境保護に貢献しています。

26位:東南大学 (Southeast University)

東南大学は江蘇省南京に位置し、工学、情報技術、経済学などの分野で高い評価を受けています。工学分野が特に強く、イノベーションと起業家精神を奨励しています。

27位:曁南大学 (Jinan University)

曁南大学は広東省広州に位置し、ビジネス、外国語学、法学などの分野で高い評価を受けています。国際的な学生交流プログラムが充実しており、中国と国際社会との架け橋となっています。

28位:武漢理工大学 (Wuhan University of Technology)

武漢理工大学は湖北省武漢に位置し、工学、材料科学、経済学などの分野で評価されています。工業技術と経済発展に焦点を当てたプログラムが提供されており、産業界との連携が強調されています。

29位:北京科技大学 (University of Science & Technology Beijing)

北京科技大学は北京に位置し、工学、経済学、ビジネスなどの分野で高い評価を受けています。技術革新と産業発展に寄与するための研究と教育が行われており、実務経験を積む機会が豊富です。

30位:華南理工大学 (South China University of Technology)

華南理工大学は華南理工大学は広東省広州に位置し、工学、情報技術、経済学などの分野で高い評価を受けています。工学と技術に焦点を当てたプログラムが充実しており、産業界との連携が盛んです。

中国の就職事情

最後は、中国の就職事情について、紹介していきます。

就職競争の激しさと学歴重視

中国の都市部では、多くの大学卒業生やプロフェッショナルが就職を求めており、就職競争は非常に激しいです。特に、国際的な大都市(北京、上海、広州など)では、一流企業への就職が高い人気を集めています。

中国の求職市場では学歴が非常に重要視されています。特に、優れた大学や名門大学の卒業生は、優遇されることがあります。また、一流企業や外資系企業は、トップ大学の学生を積極的に採用することが一般的です。

ヒエラルキー構造の企業文化

中国の企業文化は日本や西洋諸国と異なり、ヒエラルキーが強調されることがあり、上司との関係が重要です。また、コミュニケーションスタイルや業務慣習も異なるため、外国人労働者は適応能力が求められます。

労働時間と給与

中国の一般的な労働時間は週5日制で、通常は週40時間から48時間です。ただし、一部の産業や職種では長時間労働が求められることがあります。

中国は、富裕層と低所得者層の間に大きな年収格差があるとして知られています。実際、富裕層、準富裕層、サラリーマン層、低所得者層それぞれの年収は著しく異なり、富裕層と低所得者層では年収において2,000万円近い差が存在します。

(1)富裕層:2,500万円~3,500万円
富裕層の平均年収は2,500万円から3,500万円に及びます。この富裕層は、中国全体の人口に占める割合が約0.3%であり、国家の指導者や経営者などが多数含まれています。

(2)準富裕層:700万円~850万円
準富裕層の平均年収は700万円から850万円になります。この準富裕層は、中国全体の人口に占める割合が約0.7%で、富裕層に比べて多く、中小企業の役員や技術職などが含まれています。

(3)サラリーマン層:250万円~350万円
サラリーマン層の平均年収は250万円から350万円と言われています。中国全体の人口においては、この層が約14%を占め、主に第二次産業や第三次産業の職業に従事しています。

(4)低所得者層:100万円~130万円
低所得者層の平均年収は100万円から130万円になります。中国全体の人口の約40%がこの層に該当し、主に農業や単純労働に従事しています。この層は富裕層、準富裕層、サラリーマン層に比べて年収が非常に低いです。

年収格差の主な理由の一つは、「農村戸籍」と「都市戸籍」という制度の存在です。これらの戸籍は親の戸籍に依存するため、農村戸籍出身の者はその子孫も農村戸籍になり、格差が持続します。

一方、2014年からの「戸籍制度改革」により、都市戸籍の取得が増えたものの、まだ格差が完全に解消されていない現状です。

また、中国の急速な経済発展に伴い、外国企業の投資が増加し、都市部の発展が進展しました。これが、都市部と農村部の格差拡大の一因となりました。

加地 志帆 /外国人実習雇用士

この記事を書いた人

加地 志帆 /外国人実習雇用士

2019年にYOLO JAPANに入社し、外国人ユーザーの満足度向上を目指し、特にSNSを通じたプロモーション活動を担当。その経験を通じ現在は、企業が外国人採用をスムーズに進められるようヨロワークのウェブサイトにて情報発信。具体的には、外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進するコンテンツの提供。 2023年11月には外国人実習雇用士の資格を取得。企業と外国人が共存できる社会を目指すため外国人採用の知識を深めている。

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